〜第五章〜 “春”の訪れ
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~第五章〜 “春”の訪れ
駅で不良に絡まれたときに二口が言った彼女発言。
真相を確かめる前に春休みに入ってしまった。
だって二口って私のこと好きなの、だなんて聞ける訳がない。
違えば自意識過剰な痛いやつになってしまう。
春休みが明けたら二口の様子を見て探りを入れよう。
うん、それがいい。
そう思っていたのに、2年生になった私たちはクラスが離れてしまった。
春休みに入る前に提出した学科選択のせいで。
二口の機械学科と私の情報学科はクラスの端と端。
様子を探るどころか、春休み明けてから1度も学校で会っていない。
教科書を借りるにしてもクラスが遠すぎてなんでわざわざ?と思われてしまうし、部活を見学なんてあからさま。
悩んでいると同じクラスになったマドカちゃんが話しかけてきた。
「ねぇ、●●ちゃんって1年生のとき二口君と同じクラスだったよね?」
「うん、そうだよ」
「あの、その」
マドカちゃんはモジモジしていて中々言葉が出てこない。
けど言わなくても次の言葉の予想はできる。
「私ね、二口君のことが気になってて」
ほら、ビンゴ。
「だから●●ちゃんに手伝ってほしくて」
「それは無理」
「●●ちゃんも二口君のことが好きなの?」
好きかと聞かれれば友達として好きだ。
でも、今後何が起こるか分からないから。
「そういう訳じゃないけど、無理なものは無理」
そのことを説明するのすら面倒に思う。
そもそも手伝ってもらわないと関わりに行けない恋なんて諦めてしまえ。
自分の言った言葉にハッとした。
私も理由や言い訳をせず、二口に会いに行かないと。
それに気付かせてくれたマドカちゃんに感謝。
だけど会いに行くと決心したはいいものの、朝はギリギリまで部活をしているし、休憩時間は移動だったり着替えで時間が取れないし、授業後は遅くまで部活をやっているし。
一体どうしたら二口に会えるの?
あからさまで嫌だと思っていたが、結局授業後にバレー部の様子を見に行くことにした。
二口と話せる時間があるか分からないけど。
体育館に行くとマドカちゃんも見に来ていた。
何やら楽しげに3年生の先輩と話をしている。
私が渋っている間、どうやらマドカちゃんはバレー部に馴染んでいたようだ。
そのうち二口はマドカちゃんと付き合うのかな?
工業マジックなしに見てもマドカからちゃんは可愛いと思う。
女子に飢えている男子から見たら120点どころか500点だろう。
それ以上体育館へ踏み込めず、私は帰ることにした。
情けないな。