ちゃんと見てんねん
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
高校最後の大会は3位に終わった。
今までは補欠で試合に出ていないのに入賞したことを祝われて、全く嬉しくなかった。
でも、今回は違う。
たった1点だけど、ボールに2回しか触れていないけど。
それだけなのに、こんなにも嬉しく感じるなんて。
そんな思いを噛み締めながら観客席へ戻ると、
「●●、お疲れさん」
北が一番最初に話しかけてくれた。
「北……ありがとう!」
北の労いの言葉を素直に受け取ることができた。
それに続いて後輩たちも寄ってきた。
「●●先輩、最後の1本格好よかったです」
間に合わなかったけどね。
「先輩が引退するの寂しいです」
「先輩とバレーできてよかったです」
本当かな?
「●●先輩がいつも残ってサーブ練習しているの、知っていました」
誰にも見られていないと思っていたのに。
後輩たちは次々と思いの丈を話してくれた。
ふと、後輩の後ろに追いやられた北の方を見ると、何やらニコニコしていた。
「ちょっとごめんね」
後輩たちを掻き分けて北の元へと向かう。
「何、嬉しそうにしてるのよ」
「●●はやっぱり後輩に慕われているんやな」
「えっ……」
その言葉……。
体育館で一緒にボール拭きをしていたときに言われた言葉だ。
あのときは冗談だと思っていたのに、今なら本気だったことが分かる。
彼女たちは私をこんなにも慕ってくれている。
それなのに後輩にナメられていると思っていたなんて……。
もっと初めから素直な気持ちで彼女たちと接していれば、北にも嫉妬しなかったのかな。
嬉しさと悔しさの混ざった涙がこぼれた。
「うっ……っ……」
「見てる人はちゃんと見てんねん」
北は私が泣いている姿を隠すように、静かに頭にタオルを被せてくれた。
ーーFinーー
今までは補欠で試合に出ていないのに入賞したことを祝われて、全く嬉しくなかった。
でも、今回は違う。
たった1点だけど、ボールに2回しか触れていないけど。
それだけなのに、こんなにも嬉しく感じるなんて。
そんな思いを噛み締めながら観客席へ戻ると、
「●●、お疲れさん」
北が一番最初に話しかけてくれた。
「北……ありがとう!」
北の労いの言葉を素直に受け取ることができた。
それに続いて後輩たちも寄ってきた。
「●●先輩、最後の1本格好よかったです」
間に合わなかったけどね。
「先輩が引退するの寂しいです」
「先輩とバレーできてよかったです」
本当かな?
「●●先輩がいつも残ってサーブ練習しているの、知っていました」
誰にも見られていないと思っていたのに。
後輩たちは次々と思いの丈を話してくれた。
ふと、後輩の後ろに追いやられた北の方を見ると、何やらニコニコしていた。
「ちょっとごめんね」
後輩たちを掻き分けて北の元へと向かう。
「何、嬉しそうにしてるのよ」
「●●はやっぱり後輩に慕われているんやな」
「えっ……」
その言葉……。
体育館で一緒にボール拭きをしていたときに言われた言葉だ。
あのときは冗談だと思っていたのに、今なら本気だったことが分かる。
彼女たちは私をこんなにも慕ってくれている。
それなのに後輩にナメられていると思っていたなんて……。
もっと初めから素直な気持ちで彼女たちと接していれば、北にも嫉妬しなかったのかな。
嬉しさと悔しさの混ざった涙がこぼれた。
「うっ……っ……」
「見てる人はちゃんと見てんねん」
北は私が泣いている姿を隠すように、静かに頭にタオルを被せてくれた。
ーーFinーー