似た者同士
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「さて、ぼちぼち送っていこうか」
時計を確認すると、思っていたより時間が経っていた。
「すみません、ありがとうございます」
「せやけど、少しだけ寄り道してええか?」
「?……はい、大丈夫です」
どうやら、販売センターへお米を卸すついでに私を家まで送ってくれるらしい。
以前にも乗ったトラックの助手席へと乗り込む。
車内は相変わらず土の匂いがした。
だけど、それがなんだか安心する。
北さんはサイロへ向かい米袋を積んでから販売センターへと向った。
「いつも北さんが卸し作業しているんですか?」
「基本せやな。中々の重労働やし、俺が率先してやらんと」
「そうなんですね」
やっぱり重労働なんだ。
そう思うと同時に従業員思いの人なんだと思った。
彼のこういうところに惹かれる。
その横顔をじっと見つめていると、視線に気づいたのか、北さんがこちらを振り向いた。
「どうかした?」
「あ、いえ、なんでもないです……」
「ほうか」
慌てて前へと向き直ると、北さんも小さく笑った後、再び運転に集中した。
「……」
正面を向いたはいいけれど、また無意識に北さんを見てしまうかもしれない。
それを誤魔化すために意識を外の景色に移した。
景色は一面の田んぼ。
田んぼと言っても北さんの畑と同じで刈り取りされており、何も植わっていない状態。
その光景に、冬が近づいていることを嫌でも分からされる。
今年も1人でクリスマスを過ごすのか……。
そう言えば、北さんも独り身だって言っていた。
やっぱり誘ってみようかな。
いやいや、独り身でも友達と……それこそ治さんと過ごす可能性だってある。
だけど、誘うだけならいいよね?
考えがまとまったところで、車は販売センターに到着した。
「すぐ終わるで、◯◯さんは待っとって」
「はい」
北さんは米袋を台車に積み直し、センターへと入っていった。
……。
…………。
「お待たせ。ほな次は◯◯さんの家やな」
「よろしくお願いします」
戻ってきた北さんの額には少しだけ汗がにじみ出ていた。
手伝えばよかったかな。
私ってば気が利かない。
そんな気が利かない私が北さんをクリスマスに誘っても良いものか。
考えがまとまっていたはずなのに、決心が鈍る。
自己嫌悪に陥っていると、あっという間に家の前へと到着した。
「着いたで」
「……」
北さんの声は聞こえているけれど、私は車から降りることができなかった。
このままでいいのか。
せっかく治さんの力を借りて会うことができたのに。
次はいつ会えるのか分からない。
「◯◯さん?」
再度名前を呼ばれ、私は意を決して口を開いた。
「あの、もし迷惑だったら断っていただいていいんですけど……。よければクリスマスにご飯でも行きませんか?」
言えた、言っちゃった。
視線は握りしめられた自分の拳。
なんて返事がくるのか怖くて、彼の顔が見られないから。
だけど、北さんの口からこぼれた言葉は意外なものだった。
「言 うたやろ、男もんの独り身やって。断る理由なんかあらへん」
その声はとても優しいものだった。
「本当ですか?!」
嬉しさで思わず北さんの顔を見ると、彼は間髪入れずに話を続けた。
「ただし、代わりにこっちもお願いがあんねんけど」
「?」
北さんのお願い。
いったいなんだろう。
そのお願いは可愛いものだった
「俺も治みたいに名前で呼んでくれへん?」
むしろ下の名前で呼んでいいの、と歓喜したいくらいだ。
「えっと……信介さん」
「はい、●●さん」
「!?」
呼んでくれとは言われたけれど、まさか呼び返してくれるとは。
ただ名前を呼ばれただけなのに、体温が上がっているのが分かる。
それを隠すために、
「じゃあ、詳しいことは後日電話しますので、今日は本当にありがとうございました!」
私は足早に車を後にした。
そんな失礼な態度を取ってしまったのにも関わらず、北さん……信介さんはあいかわらず私が家に入るのを見届けてくれてから車を発進させた。
時計を確認すると、思っていたより時間が経っていた。
「すみません、ありがとうございます」
「せやけど、少しだけ寄り道してええか?」
「?……はい、大丈夫です」
どうやら、販売センターへお米を卸すついでに私を家まで送ってくれるらしい。
以前にも乗ったトラックの助手席へと乗り込む。
車内は相変わらず土の匂いがした。
だけど、それがなんだか安心する。
北さんはサイロへ向かい米袋を積んでから販売センターへと向った。
「いつも北さんが卸し作業しているんですか?」
「基本せやな。中々の重労働やし、俺が率先してやらんと」
「そうなんですね」
やっぱり重労働なんだ。
そう思うと同時に従業員思いの人なんだと思った。
彼のこういうところに惹かれる。
その横顔をじっと見つめていると、視線に気づいたのか、北さんがこちらを振り向いた。
「どうかした?」
「あ、いえ、なんでもないです……」
「ほうか」
慌てて前へと向き直ると、北さんも小さく笑った後、再び運転に集中した。
「……」
正面を向いたはいいけれど、また無意識に北さんを見てしまうかもしれない。
それを誤魔化すために意識を外の景色に移した。
景色は一面の田んぼ。
田んぼと言っても北さんの畑と同じで刈り取りされており、何も植わっていない状態。
その光景に、冬が近づいていることを嫌でも分からされる。
今年も1人でクリスマスを過ごすのか……。
そう言えば、北さんも独り身だって言っていた。
やっぱり誘ってみようかな。
いやいや、独り身でも友達と……それこそ治さんと過ごす可能性だってある。
だけど、誘うだけならいいよね?
考えがまとまったところで、車は販売センターに到着した。
「すぐ終わるで、◯◯さんは待っとって」
「はい」
北さんは米袋を台車に積み直し、センターへと入っていった。
……。
…………。
「お待たせ。ほな次は◯◯さんの家やな」
「よろしくお願いします」
戻ってきた北さんの額には少しだけ汗がにじみ出ていた。
手伝えばよかったかな。
私ってば気が利かない。
そんな気が利かない私が北さんをクリスマスに誘っても良いものか。
考えがまとまっていたはずなのに、決心が鈍る。
自己嫌悪に陥っていると、あっという間に家の前へと到着した。
「着いたで」
「……」
北さんの声は聞こえているけれど、私は車から降りることができなかった。
このままでいいのか。
せっかく治さんの力を借りて会うことができたのに。
次はいつ会えるのか分からない。
「◯◯さん?」
再度名前を呼ばれ、私は意を決して口を開いた。
「あの、もし迷惑だったら断っていただいていいんですけど……。よければクリスマスにご飯でも行きませんか?」
言えた、言っちゃった。
視線は握りしめられた自分の拳。
なんて返事がくるのか怖くて、彼の顔が見られないから。
だけど、北さんの口からこぼれた言葉は意外なものだった。
「
その声はとても優しいものだった。
「本当ですか?!」
嬉しさで思わず北さんの顔を見ると、彼は間髪入れずに話を続けた。
「ただし、代わりにこっちもお願いがあんねんけど」
「?」
北さんのお願い。
いったいなんだろう。
そのお願いは可愛いものだった
「俺も治みたいに名前で呼んでくれへん?」
むしろ下の名前で呼んでいいの、と歓喜したいくらいだ。
「えっと……信介さん」
「はい、●●さん」
「!?」
呼んでくれとは言われたけれど、まさか呼び返してくれるとは。
ただ名前を呼ばれただけなのに、体温が上がっているのが分かる。
それを隠すために、
「じゃあ、詳しいことは後日電話しますので、今日は本当にありがとうございました!」
私は足早に車を後にした。
そんな失礼な態度を取ってしまったのにも関わらず、北さん……信介さんはあいかわらず私が家に入るのを見届けてくれてから車を発進させた。
