似た者同士
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「ありがとうございました〜。また来たってや〜」
治さんに会釈し、北さんと2人でお店を後にした。
「本当に美味しかったです!北さん、あのお店教えてくれてありがとうございます」
改めてお礼を言う。
「こっちこそ、美味しそうに食べてくれるから嬉しいわ」
「あっ……」
食べているところを見られていないと思っていたのに、意外と見られていた。
それが恥ずかしくて、私はそそくさと帰ろうとした。
「私こっちなので!おやすみなさい」
だけど、
「良かったら送っていく」
北さんは駐車場に停めてあるトラックを指差しながら言った。
「でも……」
「ええから」
申し訳無いと思いながらも、もう少し北さんとお話がしたかった私はお言葉に甘えることにした。
「じゃあ……お願いします」
「おん、仕事用のトラックですまんけど、我慢したってや」
乗り込んだトラックは土の香りがした。
それなのに、そこまで汚れていないのは北さんがちゃんと掃除しているからだろう。
「いえいえ、送ってもらえるだけでありがたいです」
最初は駅まででいいと言ったのに、家まで送ってくれることになった。
それだけで充分すぎる。
だけど、農家さんの仕事はよく分からないけれど、朝が早い印象。
送ることで北さんの負担にならないだろうか。
心配になって遠回しに尋ねた。
「お米農家さんって朝が早いイメージですけど、休みってあるんですか?」
北さんは正面を向いたまま答えた。
「10月の収穫が終わったら、ひとまずゆっくりできるかな」
「そうなんですね」
と、なると繁忙期が終わったところかな。
だから家まで送ってくれる余裕があるんだ。
タイミングがよかったな。
そんなことを思っていると、意外なことを言われた。
「寒 なる時期に1人もんの男、寂しいやろ」
「そ、そんなことは……っ!」
咄嗟に否定したけれど、内心少し……いや、かなり嬉しかった。
北さんって独身なんだ。
クリスマスとか誘ってもいいのかな?
そのためには連絡先を……!
だけど、私と北さんの関係は?
卸したお米を買うただの客の1人に過ぎない。
そんな私が連絡先など聞けるはずもなく、ウジウジしている間に自宅前のアパートに到着した。
「ここでええんか?」
「はい、ありがとうございました」
「ほな、おやすみ」
「おやすみなさい」
挨拶を交わしてから車を降りたけれど、北さんは中々車を発進させない。
私が家に入るのを見届けるつもりだろうか。
鞄から家の鍵を探す。
鍵と言っても最近スマートロックと言う、スマホのアプリと家の鍵を連動させたものに替えた。
だけど、いくら鞄を漁ってもスマホが見当たらない。
「あれ……、おかしいな……」
これじゃあ家に入れない。
「……」
……もしかして。
私は北さんの車へと引き返した。
「どないしたん?」
「実はスマホがなくて……」
「車ん中落ちたんかな?鳴らすで番号言 うて」
「すみません、番号は────」
北さんがスマホを操作すると、くぐもった着信音が車内に響き渡った。
その音を頼りにスマホを探すと、運転席と助手席の隙間に落ちていた。
いつ落としたんだろう。
「ありました!」
「そら、よかったわ」
「じゃあ、今度こそおやすみなさい」
「おやすみ」
次は何事もなく家に入ることが出来た。
それからしばらくすると、車が動き出す音がした。
北さんが帰っていったのだろう。
私は握りしめられたスマホに視線を移した。
画面には謀らずともゲットしてしまった北さんの連絡先が。
私はそれを登録した。
治さんに会釈し、北さんと2人でお店を後にした。
「本当に美味しかったです!北さん、あのお店教えてくれてありがとうございます」
改めてお礼を言う。
「こっちこそ、美味しそうに食べてくれるから嬉しいわ」
「あっ……」
食べているところを見られていないと思っていたのに、意外と見られていた。
それが恥ずかしくて、私はそそくさと帰ろうとした。
「私こっちなので!おやすみなさい」
だけど、
「良かったら送っていく」
北さんは駐車場に停めてあるトラックを指差しながら言った。
「でも……」
「ええから」
申し訳無いと思いながらも、もう少し北さんとお話がしたかった私はお言葉に甘えることにした。
「じゃあ……お願いします」
「おん、仕事用のトラックですまんけど、我慢したってや」
乗り込んだトラックは土の香りがした。
それなのに、そこまで汚れていないのは北さんがちゃんと掃除しているからだろう。
「いえいえ、送ってもらえるだけでありがたいです」
最初は駅まででいいと言ったのに、家まで送ってくれることになった。
それだけで充分すぎる。
だけど、農家さんの仕事はよく分からないけれど、朝が早い印象。
送ることで北さんの負担にならないだろうか。
心配になって遠回しに尋ねた。
「お米農家さんって朝が早いイメージですけど、休みってあるんですか?」
北さんは正面を向いたまま答えた。
「10月の収穫が終わったら、ひとまずゆっくりできるかな」
「そうなんですね」
と、なると繁忙期が終わったところかな。
だから家まで送ってくれる余裕があるんだ。
タイミングがよかったな。
そんなことを思っていると、意外なことを言われた。
「
「そ、そんなことは……っ!」
咄嗟に否定したけれど、内心少し……いや、かなり嬉しかった。
北さんって独身なんだ。
クリスマスとか誘ってもいいのかな?
そのためには連絡先を……!
だけど、私と北さんの関係は?
卸したお米を買うただの客の1人に過ぎない。
そんな私が連絡先など聞けるはずもなく、ウジウジしている間に自宅前のアパートに到着した。
「ここでええんか?」
「はい、ありがとうございました」
「ほな、おやすみ」
「おやすみなさい」
挨拶を交わしてから車を降りたけれど、北さんは中々車を発進させない。
私が家に入るのを見届けるつもりだろうか。
鞄から家の鍵を探す。
鍵と言っても最近スマートロックと言う、スマホのアプリと家の鍵を連動させたものに替えた。
だけど、いくら鞄を漁ってもスマホが見当たらない。
「あれ……、おかしいな……」
これじゃあ家に入れない。
「……」
……もしかして。
私は北さんの車へと引き返した。
「どないしたん?」
「実はスマホがなくて……」
「車ん中落ちたんかな?鳴らすで番号
「すみません、番号は────」
北さんがスマホを操作すると、くぐもった着信音が車内に響き渡った。
その音を頼りにスマホを探すと、運転席と助手席の隙間に落ちていた。
いつ落としたんだろう。
「ありました!」
「そら、よかったわ」
「じゃあ、今度こそおやすみなさい」
「おやすみ」
次は何事もなく家に入ることが出来た。
それからしばらくすると、車が動き出す音がした。
北さんが帰っていったのだろう。
私は握りしめられたスマホに視線を移した。
画面には謀らずともゲットしてしまった北さんの連絡先が。
私はそれを登録した。
