鏡よ鏡よ鏡さん
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
木兎君のプレーは本人が言うだけあって凄かった。
頼まれなくても自然と拍手をしてしまうくらい、圧巻で力強くてキレキレなスパイク。
「初めて木兎君がバレーしているところを見たけれど、本当に上手いんだね。さすが全国5本の指に入る男」
感想を述べながら並んで帰宅をする。
「いつでも見学に来いよ!」
「うーん、行きたいけどそれは難しいかな。だって……」
「……彼氏のことか?」
「うん」
基本的には一緒に帰る約束をしている。
補習や委員会の仕事、先生に呼ばれたなどは良いけれど、部活の見学をしたいと言おうものなら、他の男を見るな、と暴力の原因になりかねない。
「なあ、俺が言っていいのか分かんねぇけど、なんでそいつと付き合ってんだ?」
「なんでって……」
「だってよ、俺、恋とかよく分かんねぇけど、普通は好きなやつのことを考えたら、◯◯みたいに苦しそうな顔はしなくないか?」
私、そんなに苦しそうな顔をしていたの?
それでも私がケンと別れない理由……。
「だって、彼と別れたら私は1人になっちゃうから」
「え?なんで1人なんだよ?◯◯には家族がいるし、クラスメイトもいる。俺だっているだろ?」
本気で意味が分からない、とでも言わんばかりの木兎君。
そうだよね。
自分でもなんでこんなにもケンに執着しているのか、今では分からない。
「アイツといて◯◯は幸せか?」
「幸せなときもあったよ」
「それって今は幸せじゃないってことだろ?」
「……」
木兎君に図星を突かれて、思わず伏せいでしまった。
「◯◯はいつだって笑顔じゃないか。らしくないぞ」
木兎君にとって私はそんな風に映っているの?
鏡の前で笑う練習をしている私の心は泣いているのに。
「ほら、今日の部活見学なんて、とびきりの笑顔だっただろ」
「え、……」
「気付いていなかったのか?」
木兎君は私の知らない私を見ていたって言うの?
「ふふ、変なの」
「うん、やっぱり◯◯はその顔が一番可愛い!」
木兎のニカっと笑った顔を見ると“でも、だって”と自分に言い訳ばかりしていたことがどうでもよく思えた。
「私、彼に自分の気持ちを伝えてみる」
「おう、頑張れよ!なんかあったら俺が助けに行くから!」
木兎君は胸をドーンと強く叩いた。
本当に面白くて、変で、格好良いんだから。
頼まれなくても自然と拍手をしてしまうくらい、圧巻で力強くてキレキレなスパイク。
「初めて木兎君がバレーしているところを見たけれど、本当に上手いんだね。さすが全国5本の指に入る男」
感想を述べながら並んで帰宅をする。
「いつでも見学に来いよ!」
「うーん、行きたいけどそれは難しいかな。だって……」
「……彼氏のことか?」
「うん」
基本的には一緒に帰る約束をしている。
補習や委員会の仕事、先生に呼ばれたなどは良いけれど、部活の見学をしたいと言おうものなら、他の男を見るな、と暴力の原因になりかねない。
「なあ、俺が言っていいのか分かんねぇけど、なんでそいつと付き合ってんだ?」
「なんでって……」
「だってよ、俺、恋とかよく分かんねぇけど、普通は好きなやつのことを考えたら、◯◯みたいに苦しそうな顔はしなくないか?」
私、そんなに苦しそうな顔をしていたの?
それでも私がケンと別れない理由……。
「だって、彼と別れたら私は1人になっちゃうから」
「え?なんで1人なんだよ?◯◯には家族がいるし、クラスメイトもいる。俺だっているだろ?」
本気で意味が分からない、とでも言わんばかりの木兎君。
そうだよね。
自分でもなんでこんなにもケンに執着しているのか、今では分からない。
「アイツといて◯◯は幸せか?」
「幸せなときもあったよ」
「それって今は幸せじゃないってことだろ?」
「……」
木兎君に図星を突かれて、思わず伏せいでしまった。
「◯◯はいつだって笑顔じゃないか。らしくないぞ」
木兎君にとって私はそんな風に映っているの?
鏡の前で笑う練習をしている私の心は泣いているのに。
「ほら、今日の部活見学なんて、とびきりの笑顔だっただろ」
「え、……」
「気付いていなかったのか?」
木兎君は私の知らない私を見ていたって言うの?
「ふふ、変なの」
「うん、やっぱり◯◯はその顔が一番可愛い!」
木兎のニカっと笑った顔を見ると“でも、だって”と自分に言い訳ばかりしていたことがどうでもよく思えた。
「私、彼に自分の気持ちを伝えてみる」
「おう、頑張れよ!なんかあったら俺が助けに行くから!」
木兎君は胸をドーンと強く叩いた。
本当に面白くて、変で、格好良いんだから。