鏡よ鏡よ鏡さん
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「◯◯だけだぞ、このプリント出していないの」
ホームルームが終わり、帰り支度をしていると、担任の先生に話しかけられた。
「あ……」
すっかり忘れていた。
ここ最近、木兎君に動揺させられることがあったからに違いない。
なんて人のせいにする。
「すぐに書いて持っていきます」
「先生、職員室にいるからな」
「はい、すみません」
そう言うと、先生は教室を出ていった。
昇降口にケンを待たせているから、早く仕上げないと。
プリントに手を付ける前にケンに一言遅れる旨のメッセージを送った。
ーーーー
プリントを提出してから昇降口へと向かうと、不機嫌そうなケンが待っていた。
「●●、遅かったな」
「ごめんね」
「帰ったら……分かるよな?」
ケンは私にしか聞こえない声で耳元に囁いた。
ああ、嫌だな。
「んじゃ、帰ろうか」
重い足を動かそうとしたとき、
「おーい!◯◯!」
「!?」
遠くの方で誰かが私の名前を呼んでいる。
◯◯なんて名字は珍しくないから勘違いかもしれない。
だけども、声の持ち主を探さずにはいられなかった。
「どうした?行くぞ」
「待って」
辺りを見渡すと体操着姿の木兎君がこちらに向かって来ていた。
「あー間に合ったー!」
おそらく体育館から走ってきた木兎君。
それなのに全く息を切らしていない。
「●●に何の用だ?」
私の代わりに返事をしたケン。
「あ、いや……その……そうだ!先生が◯◯を探してたぞ!」
「え……?」
呼ばれる覚えはないけれど……。
木兎君の嘘?
それとも先程急いで書いて提出したプリントに不備があったのかな?
どちらにせよ、この後ケンに殴られると分かっていながら一緒に帰るのは避けたかったため、私は木兎君の話に乗ることにした。
「あ、もしかしてプリントのことかも。ごめんね、ケン。時間がかかるかもしれないから先に帰って?」
「ちっ」
ケンは不服そうに舌打ちをして、私と木兎君を睨みつけてから正門から出ていった。
残された私たち。
「ねえ、木兎君。先生が探していただなんて、嘘でしょ?」
「なんで分かった!」
「そりゃあ、だって先生がうっかり屋の木兎君に伝言を頼むわけないもん」
「それもそうか!ワハハッ」
木兎君は腰に手を当てて豪快に笑った。
「ところで、アイツが◯◯の彼氏か?」
「うん」
「まじか……。◯◯が嫌がっているように見えたから助け舟を出さないとって走ってきたのに、大きなお世話だったな」
「ううん、そんなことないよ。ありがとう」
本当に感謝している。
「私は少しだけ時間つぶしたら帰るから、木兎君は部活に戻ったら?」
「あ、ヤッベ!急いでいたからシューズのまま外に出て来てた」
「あらら」
手でシューズの裏をパッパと払う素振りをする木兎君。
それだけじゃ意味ないのに。
木兎君って面白いな。
「あ、そうだ!」
「ん?」
「どうせなら部活見学していかない?帰りは送るからよ」
「うーん……。でも私、バレーのルール分からないよ?」
「へーき!へーき!俺の可憐なスパイクに凄いーって拍手すればいいだけだから!」
「あはは、じゃあ見学しようかな」
そこまで言われたら見てみようかな。
その可憐なスパイクとやらを。
「おうよ!」
私は昇降口で一度履き替えた靴をスリッパに履き直してから体育館へと向かった。
ホームルームが終わり、帰り支度をしていると、担任の先生に話しかけられた。
「あ……」
すっかり忘れていた。
ここ最近、木兎君に動揺させられることがあったからに違いない。
なんて人のせいにする。
「すぐに書いて持っていきます」
「先生、職員室にいるからな」
「はい、すみません」
そう言うと、先生は教室を出ていった。
昇降口にケンを待たせているから、早く仕上げないと。
プリントに手を付ける前にケンに一言遅れる旨のメッセージを送った。
ーーーー
プリントを提出してから昇降口へと向かうと、不機嫌そうなケンが待っていた。
「●●、遅かったな」
「ごめんね」
「帰ったら……分かるよな?」
ケンは私にしか聞こえない声で耳元に囁いた。
ああ、嫌だな。
「んじゃ、帰ろうか」
重い足を動かそうとしたとき、
「おーい!◯◯!」
「!?」
遠くの方で誰かが私の名前を呼んでいる。
◯◯なんて名字は珍しくないから勘違いかもしれない。
だけども、声の持ち主を探さずにはいられなかった。
「どうした?行くぞ」
「待って」
辺りを見渡すと体操着姿の木兎君がこちらに向かって来ていた。
「あー間に合ったー!」
おそらく体育館から走ってきた木兎君。
それなのに全く息を切らしていない。
「●●に何の用だ?」
私の代わりに返事をしたケン。
「あ、いや……その……そうだ!先生が◯◯を探してたぞ!」
「え……?」
呼ばれる覚えはないけれど……。
木兎君の嘘?
それとも先程急いで書いて提出したプリントに不備があったのかな?
どちらにせよ、この後ケンに殴られると分かっていながら一緒に帰るのは避けたかったため、私は木兎君の話に乗ることにした。
「あ、もしかしてプリントのことかも。ごめんね、ケン。時間がかかるかもしれないから先に帰って?」
「ちっ」
ケンは不服そうに舌打ちをして、私と木兎君を睨みつけてから正門から出ていった。
残された私たち。
「ねえ、木兎君。先生が探していただなんて、嘘でしょ?」
「なんで分かった!」
「そりゃあ、だって先生がうっかり屋の木兎君に伝言を頼むわけないもん」
「それもそうか!ワハハッ」
木兎君は腰に手を当てて豪快に笑った。
「ところで、アイツが◯◯の彼氏か?」
「うん」
「まじか……。◯◯が嫌がっているように見えたから助け舟を出さないとって走ってきたのに、大きなお世話だったな」
「ううん、そんなことないよ。ありがとう」
本当に感謝している。
「私は少しだけ時間つぶしたら帰るから、木兎君は部活に戻ったら?」
「あ、ヤッベ!急いでいたからシューズのまま外に出て来てた」
「あらら」
手でシューズの裏をパッパと払う素振りをする木兎君。
それだけじゃ意味ないのに。
木兎君って面白いな。
「あ、そうだ!」
「ん?」
「どうせなら部活見学していかない?帰りは送るからよ」
「うーん……。でも私、バレーのルール分からないよ?」
「へーき!へーき!俺の可憐なスパイクに凄いーって拍手すればいいだけだから!」
「あはは、じゃあ見学しようかな」
そこまで言われたら見てみようかな。
その可憐なスパイクとやらを。
「おうよ!」
私は昇降口で一度履き替えた靴をスリッパに履き直してから体育館へと向かった。