おしるこより甘いキス
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つんとした冷たい空気に、ひんやりとした風。
もう季節はすっかり冬。
ようやく自販機やコンビニでもおしるこを見かけるようになった。
あれから岩泉先輩に付きまとうのは辞めた。
同じ大学なのでたまにはすれ違うけれど、うつ向いたり隅を歩いたり、極力気付かれないように徹した。
もちろんまだ先輩のことは好き。
だけど、あれほどの拒絶をされて立ち向かうメンタルは生憎持ち合わせていない。
「はー美味しい」
寒い中飲むおしるこは格別だ。
岩泉先輩と別れた後にすっかり定位置になった非常階段で私はおしるこを啜った。
「お前、本当におしるこ好きなんだな」
「!?」
誰もいないと思ったのに、まさか話しかけられるなんて。
しかも、久しぶりに聞いた声。
振り向くとそこには私の思い人の、
「岩泉先輩……」
約半年ぶりだろうか。今までどうやって話していたっけ。
「えっと………あの………」
「悪かった」
話す内容をグルグルと考えていると、岩泉先輩が急に謝ってきた。
「お前の気持ち、蔑ろにして」
「な、蔑ろだなんて………!」
軽率なことをしたのは私の方なのに。
何か心境の変化でもあったのだろうか。
最後に話したときのようなトゲトゲした雰囲気はなかった。
「俺さ、失恋したんだ。好きなやつが彼氏を追いかけて海外に行くって。俺じゃなきゃダメだって勝手に思っていたけど、あいつはあいつなりの考えを持っていた」
いつだったかカフェで見かけたお友達さんのことだ。
そうか海外に行くのか。
「思いを伝えるのって勇気がいるな。それを毎日伝えに来てくれてありがとう」
岩泉先輩はふっ切れた顔をしていた。
「失恋したからお前に乗り換えるみたいだけど、こんな俺のことまだ好きか?」
「私の岩泉先輩への気持ちはこんなことでは挫けませんよ!」
そう言ってガッツポーズをすると、ふっと笑った岩泉先輩。
その顔に見とれていると、
チュッ
「!?」
驚いて声が出ない。今、私の唇を………!
「あめぇーな」
舌をペロッと出した岩泉先輩。
甘いのはおしるこなのか、はたまた……。
ーーFinーー
もう季節はすっかり冬。
ようやく自販機やコンビニでもおしるこを見かけるようになった。
あれから岩泉先輩に付きまとうのは辞めた。
同じ大学なのでたまにはすれ違うけれど、うつ向いたり隅を歩いたり、極力気付かれないように徹した。
もちろんまだ先輩のことは好き。
だけど、あれほどの拒絶をされて立ち向かうメンタルは生憎持ち合わせていない。
「はー美味しい」
寒い中飲むおしるこは格別だ。
岩泉先輩と別れた後にすっかり定位置になった非常階段で私はおしるこを啜った。
「お前、本当におしるこ好きなんだな」
「!?」
誰もいないと思ったのに、まさか話しかけられるなんて。
しかも、久しぶりに聞いた声。
振り向くとそこには私の思い人の、
「岩泉先輩……」
約半年ぶりだろうか。今までどうやって話していたっけ。
「えっと………あの………」
「悪かった」
話す内容をグルグルと考えていると、岩泉先輩が急に謝ってきた。
「お前の気持ち、蔑ろにして」
「な、蔑ろだなんて………!」
軽率なことをしたのは私の方なのに。
何か心境の変化でもあったのだろうか。
最後に話したときのようなトゲトゲした雰囲気はなかった。
「俺さ、失恋したんだ。好きなやつが彼氏を追いかけて海外に行くって。俺じゃなきゃダメだって勝手に思っていたけど、あいつはあいつなりの考えを持っていた」
いつだったかカフェで見かけたお友達さんのことだ。
そうか海外に行くのか。
「思いを伝えるのって勇気がいるな。それを毎日伝えに来てくれてありがとう」
岩泉先輩はふっ切れた顔をしていた。
「失恋したからお前に乗り換えるみたいだけど、こんな俺のことまだ好きか?」
「私の岩泉先輩への気持ちはこんなことでは挫けませんよ!」
そう言ってガッツポーズをすると、ふっと笑った岩泉先輩。
その顔に見とれていると、
チュッ
「!?」
驚いて声が出ない。今、私の唇を………!
「あめぇーな」
舌をペロッと出した岩泉先輩。
甘いのはおしるこなのか、はたまた……。
ーーFinーー