〜第一章〜 美味しいお米の育て方
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「●●ちゃん、今日は制服なんやね。学校?」
いつもの朝のルーティンを終えた北君は私の格好を見て言ってきた。
「うん、一応受験生だから補修に参加するの」
「進路決まってん?」
「じいちゃんのことを考えると農業大学がいいと思うけど、本当にやりたいことなのか分からなくて」
「ほうか」
小さいときから間近で見てきたから分かる、農業の大変さが。
じいちゃんの畑を引き継ぎたい。でも、私のせいでダメになったら。
じいちゃんも、長く働いてくれている従業員さんたちもみんな高齢。
いつか私一人になる。そうなったときにやっていける自信がない。
「そない深刻な顔せんと、じいちゃん悲しむで」
そう言って私の頭をわしゃわしゃしてきた。
「そんときは俺が継いだる」
「え……」
「まあ、じいちゃんが良ければやけど。…さあ飯や飯」
北君は本気か冗談か分からないことを言って食卓へ向かった。
ーーーー
補修を終え帰る準備をしていると、担任の先生に呼び止められた。
「◯◯、進路の紙書けたか?」
「あ、いえ、まだです」
「進学にしろ就職にしろ、早く決めろよ。そろそろオープンキャンパスも終わる大学出てくるから」
「はい」
進路……。
農業大学の名前を書いては消して、書いては消して。
第一志望欄は鉛筆の跡が消えなくなっていた。
いつもの朝のルーティンを終えた北君は私の格好を見て言ってきた。
「うん、一応受験生だから補修に参加するの」
「進路決まってん?」
「じいちゃんのことを考えると農業大学がいいと思うけど、本当にやりたいことなのか分からなくて」
「ほうか」
小さいときから間近で見てきたから分かる、農業の大変さが。
じいちゃんの畑を引き継ぎたい。でも、私のせいでダメになったら。
じいちゃんも、長く働いてくれている従業員さんたちもみんな高齢。
いつか私一人になる。そうなったときにやっていける自信がない。
「そない深刻な顔せんと、じいちゃん悲しむで」
そう言って私の頭をわしゃわしゃしてきた。
「そんときは俺が継いだる」
「え……」
「まあ、じいちゃんが良ければやけど。…さあ飯や飯」
北君は本気か冗談か分からないことを言って食卓へ向かった。
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補修を終え帰る準備をしていると、担任の先生に呼び止められた。
「◯◯、進路の紙書けたか?」
「あ、いえ、まだです」
「進学にしろ就職にしろ、早く決めろよ。そろそろオープンキャンパスも終わる大学出てくるから」
「はい」
進路……。
農業大学の名前を書いては消して、書いては消して。
第一志望欄は鉛筆の跡が消えなくなっていた。