〜第一章〜 美味しいお米の育て方
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「●●ちゃん、今日は制服なんやね。学校?」
いつものように朝の掃除を終えた信介君が、私の格好を見て言ってきた。
「うん、一応受験生だから補習に参加するの」
まだまだ夏休みは残っているけれど、今日は補習のため制服に着替えた。
「進路決まってん?」
信介君の問いに、私は言葉を詰まらせた。
「じいちゃんのことを考えると農業大学がいいと思うけど、本当にやりたいことなのか分からなくて」
「ほうか」
小さな頃から、じいちゃんの背中を見てきた。
日焼けして黒くなった肌、土で汚れた大きな手。
農業の大変さは身に染みて分かっているからこそ、じいちゃんの畑を引き継ぎたい思いはある。
でも、もし私のせいで畑がダメになってしまったら。
じいちゃんも、長く働いてくれている従業員さんたちも、みんな高齢だ。
いつか私1人になる。
そうなったときに、全部を背負いきれる自信がなかった。
「そない深刻な顔せんと、じいちゃん悲しむで」
そう言って、信介君は私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「そんときは俺が継いだる」
「え……」
信介君は、本気なのか冗談なのか、分からないことを言った。
「まあ、じいちゃんが良ければやけど。……さあ、飯や飯」
そう言って、彼は食卓へと向かった。
その言葉は、私の胸に深く突き刺さった。
ーーーー
補習を終え、帰る準備をしていると、担任の先生に呼び止められた。
「◯◯、進路票、書けたか?」
「あ、いえ、まだです」
「進学にしろ就職にしろ、早く決めろよ。そろそろオープンキャンパスも終わる大学が出てくるからな」
「はい……」
農業大学の名前を書いては消し、また書いては消し。
私の鞄に入っている進路票の第一志望欄は、鉛筆の跡が消えなくなっていた。
いつものように朝の掃除を終えた信介君が、私の格好を見て言ってきた。
「うん、一応受験生だから補習に参加するの」
まだまだ夏休みは残っているけれど、今日は補習のため制服に着替えた。
「進路決まってん?」
信介君の問いに、私は言葉を詰まらせた。
「じいちゃんのことを考えると農業大学がいいと思うけど、本当にやりたいことなのか分からなくて」
「ほうか」
小さな頃から、じいちゃんの背中を見てきた。
日焼けして黒くなった肌、土で汚れた大きな手。
農業の大変さは身に染みて分かっているからこそ、じいちゃんの畑を引き継ぎたい思いはある。
でも、もし私のせいで畑がダメになってしまったら。
じいちゃんも、長く働いてくれている従業員さんたちも、みんな高齢だ。
いつか私1人になる。
そうなったときに、全部を背負いきれる自信がなかった。
「そない深刻な顔せんと、じいちゃん悲しむで」
そう言って、信介君は私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「そんときは俺が継いだる」
「え……」
信介君は、本気なのか冗談なのか、分からないことを言った。
「まあ、じいちゃんが良ければやけど。……さあ、飯や飯」
そう言って、彼は食卓へと向かった。
その言葉は、私の胸に深く突き刺さった。
ーーーー
補習を終え、帰る準備をしていると、担任の先生に呼び止められた。
「◯◯、進路票、書けたか?」
「あ、いえ、まだです」
「進学にしろ就職にしろ、早く決めろよ。そろそろオープンキャンパスも終わる大学が出てくるからな」
「はい……」
農業大学の名前を書いては消し、また書いては消し。
私の鞄に入っている進路票の第一志望欄は、鉛筆の跡が消えなくなっていた。
