〜第二章〜 美味しいお米の炊き方
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試験に落ちた。
まさかの1点及ばずに。
1番にお祝いしたいと、朝早くに仕事を終えて送ってくれた信介君の顔が目に浮かび、申し訳なくてたまらない。
信介君は「気にせんでええ」と言ってくれるけれど、その気遣いが今はツラい。
恥ずかしさと悔しさで、涙が止めどなく溢れてきた。
ぐしゃぐしゃになった顔を誰にも見られたくなくて、ベッドに横になる。
「ご飯できたでー!」
1人になりたいのに、階段下から信介君の明るい声が聞こえてくる。
目が少し腫れているから行きたくない。
けれど、正直な腹の虫はグーッと鳴る。
渋々、重い足取りで食卓へと向かった。
……。
…………。
食卓に着くと、私の顔を見た家族と信介君は一瞬だけ驚いた表情をした。
けれど、それだけで私の不合格や腫れた目には触れてこなかった。
今日の夕食は、珍しく土鍋で炊いたご飯だった。
目の前でご飯をよそい、茶碗を差し出してくれる信介君。
彼はニコニコしながら、私がご飯を食べるのを見ている。
「何?」
「飯、どうや?」
「美味しい……」
「良かった。実はその米、今日採れた新米やねん。初めてはやっぱり●●ちゃんに食べてもらいとうて」
その言葉に、引っ込んでいたはずの涙がまた溢れてきた。
本当は、合格祝いとして食べてもらいたかっただろうに。
だけど、どんな気持ちで食べても、信介君が作ってくれたご飯は美味しい。
土鍋で炊いたからでも、新米だからでもない。
信介君が心を込めて育てたお米を、私のために炊いてくれたからだ。
「毎日食べたい……」
泣きながらそう呟くと、信介君は顔を近付けて、優しい声で問いかけた。
「その言葉、プロポーズと受け取ってもええ?」
私は静かに頷いた。
言葉はもういらない。
私の気持ちは、たった今、この温かいご飯が教えてくれた。
ーーFinーー
まさかの1点及ばずに。
1番にお祝いしたいと、朝早くに仕事を終えて送ってくれた信介君の顔が目に浮かび、申し訳なくてたまらない。
信介君は「気にせんでええ」と言ってくれるけれど、その気遣いが今はツラい。
恥ずかしさと悔しさで、涙が止めどなく溢れてきた。
ぐしゃぐしゃになった顔を誰にも見られたくなくて、ベッドに横になる。
「ご飯できたでー!」
1人になりたいのに、階段下から信介君の明るい声が聞こえてくる。
目が少し腫れているから行きたくない。
けれど、正直な腹の虫はグーッと鳴る。
渋々、重い足取りで食卓へと向かった。
……。
…………。
食卓に着くと、私の顔を見た家族と信介君は一瞬だけ驚いた表情をした。
けれど、それだけで私の不合格や腫れた目には触れてこなかった。
今日の夕食は、珍しく土鍋で炊いたご飯だった。
目の前でご飯をよそい、茶碗を差し出してくれる信介君。
彼はニコニコしながら、私がご飯を食べるのを見ている。
「何?」
「飯、どうや?」
「美味しい……」
「良かった。実はその米、今日採れた新米やねん。初めてはやっぱり●●ちゃんに食べてもらいとうて」
その言葉に、引っ込んでいたはずの涙がまた溢れてきた。
本当は、合格祝いとして食べてもらいたかっただろうに。
だけど、どんな気持ちで食べても、信介君が作ってくれたご飯は美味しい。
土鍋で炊いたからでも、新米だからでもない。
信介君が心を込めて育てたお米を、私のために炊いてくれたからだ。
「毎日食べたい……」
泣きながらそう呟くと、信介君は顔を近付けて、優しい声で問いかけた。
「その言葉、プロポーズと受け取ってもええ?」
私は静かに頷いた。
言葉はもういらない。
私の気持ちは、たった今、この温かいご飯が教えてくれた。
ーーFinーー
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