負けは格好悪いですか
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みっともない泣き顔を見られて気まずい思いをしたけれど、牛島君は気にしている様子もなく、後日何事もなかったかのように連絡をくれた。
内容は、バレーの大会を見に来ないかという誘い。
もちろん二つ返事で快諾した。
私と同様、自分の学校の応援を優先していいと言われたけれど、うちの男子バレー部は弱小で、仲の良い友達もいない。
だから、全力で白鳥沢を応援する旨を伝えた。
それに、うちのバレー部では決して拝めない、あの迫力ある試合。
この間の合同練習では隙間からこっそり覗いただけだったから、今回しっかりと見られることが本当に楽しみだった。
ーーーー
大会当日、会場に入ると、背の高い人々の熱気に圧倒された。
私の時ときとは、また違った空気感。
これが男子バレーの大会なのか。
そう思うと、急に心細くなった。
少し後悔の念が頭をよぎる。
こんなことなら、誰か友達を誘えばよかった。
そんな時、ひょこっと目の前に現れたのは、飄々とした赤髪の男性だった。
「あれれ~キミ、この前の合同練習のときに若利君と話してた子じゃん」
その声は軽やかで、場の緊張感を和らげてくれる。
私が戸惑っていると、彼はにっこりと笑って親切に教えてくれた。
「若利君ならあそこにいるよん」
「あ、ありがとうございます」
私はペコリとお辞儀をして、彼が指さした方へ向かった。
たくさんの人の中にいても、彼の姿はすぐに見つけられた。
「牛島君!」
私の声に、彼は静かに振り返った。
「◯◯か」
「誘ってくれてありがとうね!一生懸命応援するから!」
私は精一杯の気持ちを込めて、ぐっと拳を握り、ハンドサインを送った。
牛島君と別れた私は、空いている観客席を探した。
席に着き、試合が始まるのをじっと待つ。
牛島君に大会に誘われたときに調べたけれ
今回の大会は県大会。
優勝した高校だけが全国大会に出場できるらしい。
そんな大切な大会に誘ってくれたなんて、ひょっとして……。
「いやいや、そんなまさかね」
私ははやる気持ちを振り払った。
きっと、たまたま直近の大会がこれだっただけ。
そう自分に言い聞かせた。
……。
…………。
白鳥沢は順調に勝ち進んでいた。
轟くような歓声と、体育館の床が揺れるほどのスパイク音が響き渡る。
まるで映画の巨大スクリーンで見ているかのような迫力に、私の心臓は高鳴り続けた。
次の相手は烏野高校。
ここに勝てば、ついに優勝だ。
決勝はもっと近くで見たいと思い、私は席を移動した。
その時、聞き覚えのある声の女性に話しかけられた。
「あらアナタ、この間の大会で2位だった◯◯さんじゃない」
振り向くと、そこに立っていたのは、宮田さんだった。
この人、どこにでも現れるな、思わず顔が引きつってしまう。
そうとも知らず、宮田さんは話を続ける。
「烏野の応援……じゃないわよね、学校が違うもの。まさか牛島君が目当て?」
「違っ……」
彼女の鋭い視線に、言葉に詰まる。
確かに誘われて応援に来たけれど、牛島君目当てではない、と完全に否定することができなかった。
彼女はそんな私を見て、勝ち誇ったように微笑んだ。
「彼ね、私の試合にも見に来てくれたの。バレー一筋かと思っていたけれど、私に気があるのかしら。これが終わったら告白するつもり。だから、あなたは邪魔しないで」
自信に満ちたその言葉が、私の胸に重くのしかかる。
同じ学校というアドバンテージは大きい。
私は知らない。
学校での牛島君を。
遠い存在のような気がして、私の心はざわついた。
内容は、バレーの大会を見に来ないかという誘い。
もちろん二つ返事で快諾した。
私と同様、自分の学校の応援を優先していいと言われたけれど、うちの男子バレー部は弱小で、仲の良い友達もいない。
だから、全力で白鳥沢を応援する旨を伝えた。
それに、うちのバレー部では決して拝めない、あの迫力ある試合。
この間の合同練習では隙間からこっそり覗いただけだったから、今回しっかりと見られることが本当に楽しみだった。
ーーーー
大会当日、会場に入ると、背の高い人々の熱気に圧倒された。
私の時ときとは、また違った空気感。
これが男子バレーの大会なのか。
そう思うと、急に心細くなった。
少し後悔の念が頭をよぎる。
こんなことなら、誰か友達を誘えばよかった。
そんな時、ひょこっと目の前に現れたのは、飄々とした赤髪の男性だった。
「あれれ~キミ、この前の合同練習のときに若利君と話してた子じゃん」
その声は軽やかで、場の緊張感を和らげてくれる。
私が戸惑っていると、彼はにっこりと笑って親切に教えてくれた。
「若利君ならあそこにいるよん」
「あ、ありがとうございます」
私はペコリとお辞儀をして、彼が指さした方へ向かった。
たくさんの人の中にいても、彼の姿はすぐに見つけられた。
「牛島君!」
私の声に、彼は静かに振り返った。
「◯◯か」
「誘ってくれてありがとうね!一生懸命応援するから!」
私は精一杯の気持ちを込めて、ぐっと拳を握り、ハンドサインを送った。
牛島君と別れた私は、空いている観客席を探した。
席に着き、試合が始まるのをじっと待つ。
牛島君に大会に誘われたときに調べたけれ
今回の大会は県大会。
優勝した高校だけが全国大会に出場できるらしい。
そんな大切な大会に誘ってくれたなんて、ひょっとして……。
「いやいや、そんなまさかね」
私ははやる気持ちを振り払った。
きっと、たまたま直近の大会がこれだっただけ。
そう自分に言い聞かせた。
……。
…………。
白鳥沢は順調に勝ち進んでいた。
轟くような歓声と、体育館の床が揺れるほどのスパイク音が響き渡る。
まるで映画の巨大スクリーンで見ているかのような迫力に、私の心臓は高鳴り続けた。
次の相手は烏野高校。
ここに勝てば、ついに優勝だ。
決勝はもっと近くで見たいと思い、私は席を移動した。
その時、聞き覚えのある声の女性に話しかけられた。
「あらアナタ、この間の大会で2位だった◯◯さんじゃない」
振り向くと、そこに立っていたのは、宮田さんだった。
この人、どこにでも現れるな、思わず顔が引きつってしまう。
そうとも知らず、宮田さんは話を続ける。
「烏野の応援……じゃないわよね、学校が違うもの。まさか牛島君が目当て?」
「違っ……」
彼女の鋭い視線に、言葉に詰まる。
確かに誘われて応援に来たけれど、牛島君目当てではない、と完全に否定することができなかった。
彼女はそんな私を見て、勝ち誇ったように微笑んだ。
「彼ね、私の試合にも見に来てくれたの。バレー一筋かと思っていたけれど、私に気があるのかしら。これが終わったら告白するつもり。だから、あなたは邪魔しないで」
自信に満ちたその言葉が、私の胸に重くのしかかる。
同じ学校というアドバンテージは大きい。
私は知らない。
学校での牛島君を。
遠い存在のような気がして、私の心はざわついた。
