負けは格好悪いですか
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大会当日。
試合はタイムシフト通り進んでいる。
私は約束通り勝ち残った。
このまま行けばあと20分後に決勝戦が始まる。
対戦相手は白鳥沢の部長、先月の練習試合で私が負けた相手だ。
この間と違いコンディション抜群。
観客席を見るといくつか負けた学校が帰っており、大分席が空いている。
その中から牛島君の姿を探した。
………いた!
背の高い彼は見つけやすかった。
話しかけてこようかな。
牛島君に近づくと、どうやら白鳥沢のユニフォームを着た女子と話しているようだ。
二人に気付かれない場所に隠れたが、会話は聞こえてきた。
「牛島君、来てくれたんだ!嬉しい!」
後ろを向いていて顔は見えないけど、この声は次の対戦相手だ。
「もうすぐ決勝戦が始まるの。応援してね!」
「……ああ」
そうだよね、やっぱり私より同じ学校の選手を応援するよね。
こうなることは予測できた。なんなら私が自分の学校の応援を優先するよう伝えた。
なのに、なんでこんなにもモヤモヤするのだろう。
この場にいるのがツラくなって、牛島君に話かけるのをやめた。
ウォーミングアップしよ……。
ーーーー
決勝戦が始まった。
「「よろしくお願いします」」
握手をする手に力が入る。
背の高い相手はまるで私を見下しているよう。
こんなやつに負けたくない。
………試合に?牛島君を取られることに?
なんで牛島君が頭に浮かんだのか。
私は牛島君のただの知り合い。友達なのかも分からない。
ダメだ。今は試合に集中しないと。
「ラブオールプレイ!」
審判の試合開始合図と共にサーブを打った。
ーーーー
負けた。
あんなに優勝すると豪語しておいて、負けた。
片付けと表彰式の後、顧問からは20分後にミーティングをするから、帰宅準備をするよう言われた。
牛島君は帰っちゃったかな?
そう思いながら更衣室へ向かうと、まさに今考えていた人が目の前に。
「牛島君……」
「お疲れ」
「ありがとう。格好悪いところを見せちゃったね」
「◯◯は格好良かったぞ」
そんな真っ直ぐな目で見られたら、涙腺が緩んでしまう。
「うっ…」
牛島君は私の背中を擦ってくれた。
「汗かいてるから」
「気にしない」
私が気にする。
試合はタイムシフト通り進んでいる。
私は約束通り勝ち残った。
このまま行けばあと20分後に決勝戦が始まる。
対戦相手は白鳥沢の部長、先月の練習試合で私が負けた相手だ。
この間と違いコンディション抜群。
観客席を見るといくつか負けた学校が帰っており、大分席が空いている。
その中から牛島君の姿を探した。
………いた!
背の高い彼は見つけやすかった。
話しかけてこようかな。
牛島君に近づくと、どうやら白鳥沢のユニフォームを着た女子と話しているようだ。
二人に気付かれない場所に隠れたが、会話は聞こえてきた。
「牛島君、来てくれたんだ!嬉しい!」
後ろを向いていて顔は見えないけど、この声は次の対戦相手だ。
「もうすぐ決勝戦が始まるの。応援してね!」
「……ああ」
そうだよね、やっぱり私より同じ学校の選手を応援するよね。
こうなることは予測できた。なんなら私が自分の学校の応援を優先するよう伝えた。
なのに、なんでこんなにもモヤモヤするのだろう。
この場にいるのがツラくなって、牛島君に話かけるのをやめた。
ウォーミングアップしよ……。
ーーーー
決勝戦が始まった。
「「よろしくお願いします」」
握手をする手に力が入る。
背の高い相手はまるで私を見下しているよう。
こんなやつに負けたくない。
………試合に?牛島君を取られることに?
なんで牛島君が頭に浮かんだのか。
私は牛島君のただの知り合い。友達なのかも分からない。
ダメだ。今は試合に集中しないと。
「ラブオールプレイ!」
審判の試合開始合図と共にサーブを打った。
ーーーー
負けた。
あんなに優勝すると豪語しておいて、負けた。
片付けと表彰式の後、顧問からは20分後にミーティングをするから、帰宅準備をするよう言われた。
牛島君は帰っちゃったかな?
そう思いながら更衣室へ向かうと、まさに今考えていた人が目の前に。
「牛島君……」
「お疲れ」
「ありがとう。格好悪いところを見せちゃったね」
「◯◯は格好良かったぞ」
そんな真っ直ぐな目で見られたら、涙腺が緩んでしまう。
「うっ…」
牛島君は私の背中を擦ってくれた。
「汗かいてるから」
「気にしない」
私が気にする。