いつもの私
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帰り道、私は1人で校門へ向かっていると、後ろから名前を呼ばれた。
「◯◯」
振り返ると、そこに立っていたのは牛島君だった。
彼が私を引き止めるなんて珍しくて、心臓が跳ねる。
「何、牛島君。部活に行かなくていいの?」
化粧の件があったから、まともに顔を見ることができない。
俯いていると、彼の歯切れが悪い言葉が聞こえてきた。
「その……」
普段の牛島君からは想像もつかない様子に、どうしたんだろう、と不思議に思う。
そして、彼がようやく口を開いたかと思えば、意外な言葉が出てきた。
「顔に塗っていたのは、もうやらないのか」
その言葉に、私は驚いて顔を上げた。
きっと、化粧のことを言っているんだ。
「えっとね、私には似合わないかなと思って、落としちゃった。もしかしたら、文化祭でまたやるかもしれないけど……」
やるかもしれない、なんて言ったけれど、きっと当日も色々と理由を付けてやらない気がする。
すると、私の自信のない声とは正反対の、力強い声で牛島君は言った。
「似合っていたぞ」
私は驚きで目を見開いた。
似合っていた……?
どうして?
教室で見せた時は“いつもの◯◯”って言ったのに。
考えているうちに、1つの理由が頭に浮かび、思わず乾いた笑いが出た。
「ハハハ……、お世辞でも嬉しいな」
気を遣わせてしまって申し訳ない。
だけど、笑って誤魔化そうとする私に、牛島君は真っすぐな目で言い放った。
「いや、お世辞ではない。あのとき、◯◯は何をしても変わらず可愛い、と言いたかった」
その言葉は、私の心を動揺させるのに充分だった。
「牛島君……。ありがとう」
本当に、今日は牛島君に驚かされてばかりだ。
文化祭では、もう一度お化粧をしてみようかな。
そう思わせてくれる出来事だった。
ーーFinーー
「◯◯」
振り返ると、そこに立っていたのは牛島君だった。
彼が私を引き止めるなんて珍しくて、心臓が跳ねる。
「何、牛島君。部活に行かなくていいの?」
化粧の件があったから、まともに顔を見ることができない。
俯いていると、彼の歯切れが悪い言葉が聞こえてきた。
「その……」
普段の牛島君からは想像もつかない様子に、どうしたんだろう、と不思議に思う。
そして、彼がようやく口を開いたかと思えば、意外な言葉が出てきた。
「顔に塗っていたのは、もうやらないのか」
その言葉に、私は驚いて顔を上げた。
きっと、化粧のことを言っているんだ。
「えっとね、私には似合わないかなと思って、落としちゃった。もしかしたら、文化祭でまたやるかもしれないけど……」
やるかもしれない、なんて言ったけれど、きっと当日も色々と理由を付けてやらない気がする。
すると、私の自信のない声とは正反対の、力強い声で牛島君は言った。
「似合っていたぞ」
私は驚きで目を見開いた。
似合っていた……?
どうして?
教室で見せた時は“いつもの◯◯”って言ったのに。
考えているうちに、1つの理由が頭に浮かび、思わず乾いた笑いが出た。
「ハハハ……、お世辞でも嬉しいな」
気を遣わせてしまって申し訳ない。
だけど、笑って誤魔化そうとする私に、牛島君は真っすぐな目で言い放った。
「いや、お世辞ではない。あのとき、◯◯は何をしても変わらず可愛い、と言いたかった」
その言葉は、私の心を動揺させるのに充分だった。
「牛島君……。ありがとう」
本当に、今日は牛島君に驚かされてばかりだ。
文化祭では、もう一度お化粧をしてみようかな。
そう思わせてくれる出来事だった。
ーーFinーー
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