巣立ちのとき
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〜巣立ちのとき〜
弟のように可愛がっていた、7つ下の近所の男の子がいる。
名前は影山飛雄。
昔は●●ちゃん、●●ちゃんって何をするにも私の後を付いてきたり、抱き着いてきてスキンシップを取ってくれていたのに。
反抗期を機に態度が一変。
ほら、今日だって、
「飛雄おはよー」
会社に向かうために家を出ると、飛雄も登校するために家を出たところだった。
そんな飛雄に声をかけながら近付くと、
「……ッチ」
朝からガンを飛ばしてきた。
「舌打ちするな!」
「朝からうるせぇな」
だけど、私のことを邪険に扱うくせに、いつも途中まで並んで歩いてくれる。
「部活はどう?楽しんでる?」
「なんでもいいだろ」
「そうかそうか、楽しんでいるのね」
「……」
そんなこと言ってないだろ、と言わんばかりの顔でこちらを向く飛雄。
私だから察してあげられるけれど、
「ちゃんとチームメイトとコミュニケーション取りなさいよ」
「分かってるよ……」
その後も私が一方的に話しかけながら最寄り駅へ着いた。
「じゃあ、またねー!」
「早く行けよ」
去っていく飛雄をやれやれとため息を吐きながら見送り、私は駅のホームへと向かった。
あんな調子で飛雄は高校では上手くやっているのか心配になる。
私ならともかく、学校の先輩で怖い人だっているはず。
その相手にもこんな態度なのかしら。
そもそも飛雄って団体競技の部活だよね?
チームメイトと連携は取れているの?
また中学の二の舞いになるのでは?
まるで姉……いや、母親のように心配しながら私は到着した電車に乗り込んだ。
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