元気の源
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ーーおまけ①ーー
今から10年近く前のこと。
中学を卒業して別々の高校へ進んだ私と美羽。
それから数ヶ月、桜がすっかり散った頃に彼女と待ち合わせをした。
どこにでもあるチェーン店の喫茶店。
そこで、飲み物を頼んでから近況を話した。
「高校どう?」
「部活で悩んでる……」
美羽は幼少期からバレーをしていたから、そんな悩みを聞かされて、正直驚いた。
「え、なんで?バレーやらないの?」
「なんか、うちの高校のバレー部に変な暗黙のルールがあって」
「暗黙のルール?」
「そう。髪の毛ショートにしないといけないんだって」
美羽は黒髪ロングのよく手入れが行き届いた綺麗な髪をしている。
その髪を切らないといけないのは確かに迷うと思う。
「彼氏にもそんなので迷うなんてくだらないって言われちゃって」
「くだらなくなんてないよ!」
私は店内なのも忘れて、うっかり大きな声が出てしまった。
美羽に彼氏がいたことも驚いたけれど、今はそれどころではない。
「古風な考えだって言われるかもしれないけど、それだけ女性にとって髪って大切だと思うの!」
「●●……」
それこそ古風すぎて美羽にくだらないと言われるかもしれない。
だけど、それでも私の考えはちゃんと伝えたいと思った。
「●●、ありがとう……。私決めた!髪切りたくないからバレー部には入らない!」
そう言った美羽は晴れやかな表情をして見えた。
「じゃあ、美羽の決断を祝して、この後のお昼ご飯奢っちゃう!実は先日初のバイト代が入ったんだよね〜」
だけど決断したとは言え、バレーを続けたい気持ちが少なからず残っているであろう美羽は、きっと心のどこかでまだ凝りを抱えているに違いない。
それを励ます意味でもあった。
「やったー!どこへ連れて行って貰おうかな」
「遠慮しないでいっぱい食べてね。美味しい物は人を元気にさせる力があるから!」
「ふふふ、なにそれ」
こうして美羽はバレーの道をきっぱり諦めてヘアメイクアーティストの道へと歩んだのだ。
だけどそれは、もう少し後の話。
今から10年近く前のこと。
中学を卒業して別々の高校へ進んだ私と美羽。
それから数ヶ月、桜がすっかり散った頃に彼女と待ち合わせをした。
どこにでもあるチェーン店の喫茶店。
そこで、飲み物を頼んでから近況を話した。
「高校どう?」
「部活で悩んでる……」
美羽は幼少期からバレーをしていたから、そんな悩みを聞かされて、正直驚いた。
「え、なんで?バレーやらないの?」
「なんか、うちの高校のバレー部に変な暗黙のルールがあって」
「暗黙のルール?」
「そう。髪の毛ショートにしないといけないんだって」
美羽は黒髪ロングのよく手入れが行き届いた綺麗な髪をしている。
その髪を切らないといけないのは確かに迷うと思う。
「彼氏にもそんなので迷うなんてくだらないって言われちゃって」
「くだらなくなんてないよ!」
私は店内なのも忘れて、うっかり大きな声が出てしまった。
美羽に彼氏がいたことも驚いたけれど、今はそれどころではない。
「古風な考えだって言われるかもしれないけど、それだけ女性にとって髪って大切だと思うの!」
「●●……」
それこそ古風すぎて美羽にくだらないと言われるかもしれない。
だけど、それでも私の考えはちゃんと伝えたいと思った。
「●●、ありがとう……。私決めた!髪切りたくないからバレー部には入らない!」
そう言った美羽は晴れやかな表情をして見えた。
「じゃあ、美羽の決断を祝して、この後のお昼ご飯奢っちゃう!実は先日初のバイト代が入ったんだよね〜」
だけど決断したとは言え、バレーを続けたい気持ちが少なからず残っているであろう美羽は、きっと心のどこかでまだ凝りを抱えているに違いない。
それを励ます意味でもあった。
「やったー!どこへ連れて行って貰おうかな」
「遠慮しないでいっぱい食べてね。美味しい物は人を元気にさせる力があるから!」
「ふふふ、なにそれ」
こうして美羽はバレーの道をきっぱり諦めてヘアメイクアーティストの道へと歩んだのだ。
だけどそれは、もう少し後の話。