元気の源
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〜元気の源〜
仕事終わりに中学の同級生だった影山美羽のお家にお邪魔した。
彼女とは中学を卒業してから進度の違いで学校は別れてしまったけれど、こうして関係を続けている友達の1人だ。
「上がって上がって」
「お邪魔します」
通されたリビングにはモデルウィッグを被されたマネキンが飾られていた。
美羽は今、ヘアメイクアーティストとして活躍している。
その練習用だろうか。
「美羽、ごめんね。忙しいのに」
「何言ってるの。私には遠慮しないで」
美羽の気さくで明るい性格にいつも助けられている気がする。
「コーヒーと紅茶、どっちがいい?」
「紅茶がいいかな」
「おっけー。用意してくるから適当に座ってて」
席を外した美羽は2人分の飲み物を持って戻ってきた。
「それで、今回はどうしたの?」
少し前に彼氏であるタカヤの浮気の相談をしたことがある。
今日はその続きを話すために来た。
美羽が用意してくれた温かい紅茶を一口飲んでから話し始めた。
「この間はグレーって言ったけど、やっぱり黒かもしれない……」
この間と言うのは、女の子と仲良くしているメッセージの通知が見えてしまったり、彼の鞄から疑わしいレシートが出てきたことだ。
コーヒーと甘い飲み物の2つをイートインした証拠のレシート。
甘い物が苦手な彼が、自らそんなお店に行くとは思えない。
友達と行ったと言われたらそれまでだけど、これは絶対にそれ以上の関係の女性と行ったに違いない。
そして、それが確信に変わった証拠が、
「これを見て」
美羽にスマホを差し出した。
そこにはメッセージアプリの通知を撮った画像が映し出されている。
「えーっと何々、明日のデート楽しみだね、またこの間みたいに激しくして欲しいな、ハート」
抑揚を付けずに、おまけにハートマークまで音読した美羽。
「なるほどね、これは黒だわ。で、どうするの?別れるの?●●はそのクズといて幸せなの?」
「……」
幸せかと言われたら最近はぞんざいに扱われて辛い。
だけど、楽しかった思い出もたくさんある。
だから踏み切れない。
浮気が勘違いで、またあの頃みたいに戻れるのでは、と淡い期待が拭えないから。
もしくは、最悪私の元へ帰ってきてくれるなら浮気だって許してしまいそうになる。
返事に困っていると、急にリビングの扉が開いた。
黒髪長身の切れ長の目の男の子が入ってきた。
極めつけには学生服を着ている。
「ちょ、飛雄!アンタまた勝手に来て……」
「彼氏……さん?」
一体どうやってこんなに若い彼氏を捕まえたのか。
そう思っていると、目をまん丸にさせた美羽が豪快に笑い泣きをした。
「あははっ、違うって!コイツ、私の弟」
「お、弟……」
言われてみれば確かに似ている。
そう言えば、昔歳の離れた弟がいるって話していた気がする。
あまり話題に出さないからすっかり忘れていた。
「飛雄です」
彼は自己紹介をすると、ペコリと軽くお辞儀をした。
「あ、私は◯◯●●です」
「●●さんも食べるっすか?お袋のカレー」
そう言って、飛雄君は鞄からカレーや他にも色々とおかずの入ったタッパを取り出した。
「姉ちゃん、インスタントとか冷食ばかりになるからって、母さんに頼まれてときたま届けているんすよ」
「こら、余計なこと言わないの!」
「痛っ」
美羽は恥ずかしそうに飛雄君の頬を抓った。
「ふふふ、仲良いんだね」
兄弟のいない私には少し羨ましかった。
飛雄君が来たことによって、どんよりとした空気が和んだような気がする。
だけど、すっかり相談する雰囲気ではなくなってしまった。
そろそろお暇しようかと思っていると、
「ごめんね、この子が来ちゃったからまた今度続きを話そう?代わりに●●も晩ご飯食べていって」
「いいの?」
「もちろんよ!ね、飛雄も食べていくでしょ?」
「温玉も乗せて」
「はいはい」
飛雄君が持ってきてくれたカレーはポークカレーだった。
カレーって家庭によって味が違うから面白い。
それに加え、久しぶりに明るい食卓を囲ったからか、一段と美味しく感じた。
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