キミの熱気に当てられて
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一通り買い物を終えて駅前の広場に出ると、冷たい冬の風が火照った頬に心地よかった。
ふと彼の腕を見ると、何も持っていない。
「天童君、結局自分用には何も買わなかったの?」
「ん〜?見てるだけでお腹いっぱいになっちゃった。視覚的満足ってやつかナ」
私のわがままな試食にずっと付き合って、解説までしてくれただけ。
……なんか、悪いことしちゃったな。
私は紙袋の中から、彼がオススメしてくれたお店の小さな箱を取り出した。
「ねえ、天童君」
「んー、何?俺の知識量に圧倒されて、知恵熱でも出ちゃった?」
「違うよ。はい、これ……あげる」
差し出された箱に、天童君が丸い目をさらに見開く。
彼の動きが、初めてピタリと止まった。
「……えっ、これ、さっきの。……俺に?」
「今日、付き合ってくれて楽しかったから。お礼。……少し早いけど、バレンタイン」
いつも飄々として、何を考えているのか読めない天童君。
そんな彼が、今はただ固まっている。
沈黙が流れ、私は急に恥ずかしくなって視線を泳がせた。
「あ、苦手なチョコだった?」
「……いや、いる。貰う。絶対食べる。……ありがとう、●●ちゃん」
受け取る指先が、ほんの少しだけ震えていたのは、冬の寒さのせいだろうか。
「どういたしまして。じゃあ、私の家こっちだから。また学校でね、天童君」
「あ……うん。またネ、●●ちゃん。気をつけて帰るんだヨ」
逃げるように背を向け、ヒラヒラと手を振る。
数歩歩いてから振り返ると、彼はまだ箱をじっと見つめたまま、夕暮れの広場に立ち尽くしていた。
「……明日、チョコの感想でも聞こうかな」
胸の奥が少しだけ騒がしいのは、きっとあの会場の熱気に、まだ当てられているせいだ。
そんなことを自分に言い聞かせながら、私は家路を急いだ。
ーーFinーー
ふと彼の腕を見ると、何も持っていない。
「天童君、結局自分用には何も買わなかったの?」
「ん〜?見てるだけでお腹いっぱいになっちゃった。視覚的満足ってやつかナ」
私のわがままな試食にずっと付き合って、解説までしてくれただけ。
……なんか、悪いことしちゃったな。
私は紙袋の中から、彼がオススメしてくれたお店の小さな箱を取り出した。
「ねえ、天童君」
「んー、何?俺の知識量に圧倒されて、知恵熱でも出ちゃった?」
「違うよ。はい、これ……あげる」
差し出された箱に、天童君が丸い目をさらに見開く。
彼の動きが、初めてピタリと止まった。
「……えっ、これ、さっきの。……俺に?」
「今日、付き合ってくれて楽しかったから。お礼。……少し早いけど、バレンタイン」
いつも飄々として、何を考えているのか読めない天童君。
そんな彼が、今はただ固まっている。
沈黙が流れ、私は急に恥ずかしくなって視線を泳がせた。
「あ、苦手なチョコだった?」
「……いや、いる。貰う。絶対食べる。……ありがとう、●●ちゃん」
受け取る指先が、ほんの少しだけ震えていたのは、冬の寒さのせいだろうか。
「どういたしまして。じゃあ、私の家こっちだから。また学校でね、天童君」
「あ……うん。またネ、●●ちゃん。気をつけて帰るんだヨ」
逃げるように背を向け、ヒラヒラと手を振る。
数歩歩いてから振り返ると、彼はまだ箱をじっと見つめたまま、夕暮れの広場に立ち尽くしていた。
「……明日、チョコの感想でも聞こうかな」
胸の奥が少しだけ騒がしいのは、きっとあの会場の熱気に、まだ当てられているせいだ。
そんなことを自分に言い聞かせながら、私は家路を急いだ。
ーーFinーー
