ご褒美の食べ比べ
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お買い物を終えて、モモちゃんと別れた帰り道。
寮への道すがらコンビニの前を通ると、新商品のチョコスイーツののぼりが風に揺れていた。
新商品……気になる。
でも、チョコはもう買っちゃったし……。
「……ぁ」
閃いた。
どうせなら食べ比べすればいい。
美味しいものがたくさんあるのに越したことはないし、覚君だって喜んでくれるはず。
そうと決まれば、善は急げ。
私はコンビニに足を踏み入れていた。
……。
…………。
夕方、覚君の部活の休憩時間を見計らってメッセージを送った。
“部活お疲れ様ー!頑張っている覚君にご褒美を用意したから、後で談話室に集合ね!”
すると、すぐに、
“行く!”
と、ご機嫌なスタンプ付きで返事が来た。
可愛いなぁ。
……。
…………。
約束の時間。
私は冷蔵庫で冷やしておいたチョコレートを紙の手提げ袋に入れ、談話室へ向かった。
覚君はまだ来ていない。
チョコレートの入った紙袋をテーブルに置き、ドキドキしながら待つ。
しばらくすると、
「●●ちゃん、お待たせー!」
「覚君!」
笑顔の覚君が腕をブンブン振りながらこちらへ来た。
シャワーを浴びたのか、いつも元気な赤髪は垂れ下がっている。
覚君はさっそくテーブルに置かれている紙袋に興味を示してきた。
「何が入ってるの?」
そう言って中を覗き込んできた彼から、ほのかに石鹸の良い匂いが香ってきた。
つい見惚れてしまう。
「●●ちゃん?」
「あ、なんでもない!中身はね、じゃじゃーん!」
覚君の前で得意げにチョコを取り出す。
1つは高級そうな箱、もう1つは中身が見えるクリアなパッケージ。
「覚君、チョコ好きでしょ? 部活頑張っているご褒美に用意してみましたー!こっちが有名店のチョコで、こっちがコンビニの新商品のチョコ!」
「うわー!嬉しいな!」
覚君はチョコの入った箱に手を伸ばす。
だけど、そう簡単には渡さない。
私は覚君の腕を掴んで制した。
「ん?」
「せっかくだから、目を瞑ってどっちが高いチョコか当ててみて!」
「う〜ん、普通に食べたいんだけど」
少しだけ不服そうにしている覚君だったけれど、大人しく目を瞑ってくれた。
本当に見えていないか、試しに顔の前で手を上下に揺らす。
……うん、大丈夫そうだ。
「じゃあ、1つ目ね。あーんして」
「あ〜ん」
私は一口ずつチョコを食べさせてみる。
続けて2つ目も同様に口まで運ぶ。
「もう目開けていいよ」
覚君は少し真面目な顔になって味わい、
「最初の方が高級チョコ!」
と自信満々に当ててみせた。
「凄い! さすが覚君!」
思わず拍手をしてしまう。
「へへへ、こんなの簡単だヨ!」
楽しそうな覚君を見ていると、なんだか私も挑戦したくなった。
「私もやってみていい?」
「いいヨ〜。じゃあ目瞑って?」
言われた通り目を瞑り、覚君のあーんを待つ。
1つ目、口に含められたチョコは思ったより濃厚だった。
正直、予想していた以上に難しい。
チョコって濃厚であればあるほど高いんだっけ?
だけど、もう片方の方を食べてみないと比べられない。
次はもっとちゃんと味わおうと、2つ目を食べるために口を開けたその瞬間、
「……っ!?」
チョコじゃない触感。
突然、唇に感じた柔らかいもの。
驚きのあまり目を開けると、そこにはいたずらっ子みたいな顔でにやっと笑っている覚君がいた。
「●●ちゃんが一番美味しいネ」
顔から火が出そうな気持ちを抑えて、怒ったふりをする。
「ちょ、ちょっと覚君……!」
慌てて辺りを見渡すけれど、夜ご飯の時間が近いからか、他の利用者はいなかった。
「誰も見ていないから大丈夫だヨ〜。それより、もっとご褒美のチョコちょうだい」
「ぁ……っっ!」
そう言いながら、覚君は再度私の唇をついばむ。
覚君のためのご褒美だったのに、これじゃあまるで、私のご褒美になっちゃった。
ーーFinーー
寮への道すがらコンビニの前を通ると、新商品のチョコスイーツののぼりが風に揺れていた。
新商品……気になる。
でも、チョコはもう買っちゃったし……。
「……ぁ」
閃いた。
どうせなら食べ比べすればいい。
美味しいものがたくさんあるのに越したことはないし、覚君だって喜んでくれるはず。
そうと決まれば、善は急げ。
私はコンビニに足を踏み入れていた。
……。
…………。
夕方、覚君の部活の休憩時間を見計らってメッセージを送った。
“部活お疲れ様ー!頑張っている覚君にご褒美を用意したから、後で談話室に集合ね!”
すると、すぐに、
“行く!”
と、ご機嫌なスタンプ付きで返事が来た。
可愛いなぁ。
……。
…………。
約束の時間。
私は冷蔵庫で冷やしておいたチョコレートを紙の手提げ袋に入れ、談話室へ向かった。
覚君はまだ来ていない。
チョコレートの入った紙袋をテーブルに置き、ドキドキしながら待つ。
しばらくすると、
「●●ちゃん、お待たせー!」
「覚君!」
笑顔の覚君が腕をブンブン振りながらこちらへ来た。
シャワーを浴びたのか、いつも元気な赤髪は垂れ下がっている。
覚君はさっそくテーブルに置かれている紙袋に興味を示してきた。
「何が入ってるの?」
そう言って中を覗き込んできた彼から、ほのかに石鹸の良い匂いが香ってきた。
つい見惚れてしまう。
「●●ちゃん?」
「あ、なんでもない!中身はね、じゃじゃーん!」
覚君の前で得意げにチョコを取り出す。
1つは高級そうな箱、もう1つは中身が見えるクリアなパッケージ。
「覚君、チョコ好きでしょ? 部活頑張っているご褒美に用意してみましたー!こっちが有名店のチョコで、こっちがコンビニの新商品のチョコ!」
「うわー!嬉しいな!」
覚君はチョコの入った箱に手を伸ばす。
だけど、そう簡単には渡さない。
私は覚君の腕を掴んで制した。
「ん?」
「せっかくだから、目を瞑ってどっちが高いチョコか当ててみて!」
「う〜ん、普通に食べたいんだけど」
少しだけ不服そうにしている覚君だったけれど、大人しく目を瞑ってくれた。
本当に見えていないか、試しに顔の前で手を上下に揺らす。
……うん、大丈夫そうだ。
「じゃあ、1つ目ね。あーんして」
「あ〜ん」
私は一口ずつチョコを食べさせてみる。
続けて2つ目も同様に口まで運ぶ。
「もう目開けていいよ」
覚君は少し真面目な顔になって味わい、
「最初の方が高級チョコ!」
と自信満々に当ててみせた。
「凄い! さすが覚君!」
思わず拍手をしてしまう。
「へへへ、こんなの簡単だヨ!」
楽しそうな覚君を見ていると、なんだか私も挑戦したくなった。
「私もやってみていい?」
「いいヨ〜。じゃあ目瞑って?」
言われた通り目を瞑り、覚君のあーんを待つ。
1つ目、口に含められたチョコは思ったより濃厚だった。
正直、予想していた以上に難しい。
チョコって濃厚であればあるほど高いんだっけ?
だけど、もう片方の方を食べてみないと比べられない。
次はもっとちゃんと味わおうと、2つ目を食べるために口を開けたその瞬間、
「……っ!?」
チョコじゃない触感。
突然、唇に感じた柔らかいもの。
驚きのあまり目を開けると、そこにはいたずらっ子みたいな顔でにやっと笑っている覚君がいた。
「●●ちゃんが一番美味しいネ」
顔から火が出そうな気持ちを抑えて、怒ったふりをする。
「ちょ、ちょっと覚君……!」
慌てて辺りを見渡すけれど、夜ご飯の時間が近いからか、他の利用者はいなかった。
「誰も見ていないから大丈夫だヨ〜。それより、もっとご褒美のチョコちょうだい」
「ぁ……っっ!」
そう言いながら、覚君は再度私の唇をついばむ。
覚君のためのご褒美だったのに、これじゃあまるで、私のご褒美になっちゃった。
ーーFinーー
