ご褒美の食べ比べ
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〜ご褒美の食べ比べ〜
受験勉強に追われる毎日。
今日はモモちゃんと一緒に、街へ出掛ける約束がある。
この日のために前々から外出届を出して、楽しみにしていた。
ずっと机に向かっていると、どうしても息が詰まってしまう。
だから、こうしてたまに外の空気を吸うのも大事だよね。
……。
…………。
「●●、あっち行こう!」
「いいね!」
「あの服も可愛い!」
「モモちゃん似合いそう!見に行こう!」
あっちへ行ったり、こっちへ走ったり。
久しぶりのお買い物は思ったよりも体力を使ったけれど、ストレス発散にもなるし、とても楽しかった。
「疲れたからカフェで休憩しようよ」
「どこにしようか……。あ、あのお店は?」
「いいね!」
目に入ったのは、チョコレートが有名な会社が運営するおしゃれなカフェだった。
店内に入ると、うっすらと香ばしいナッツとカカオの香りが漂っていた。
「●●は何にする?」
「私は……」
メニューを見ようとしたら、ふと横のショーウィンドウに並ぶテイクアウト用の色とりどりのチョコレートが目に止まった。
キラキラしていて、見ているだけで幸せな気持ちになる。
「美味しそう……」
思わず声が漏れると、隣にいたモモちゃんが目を細めて笑う。
「帰りに買っていけば?」
「うーん、考えておく」
だって、値段が可愛くないんだもん。
ご褒美でもないのに、自分のために高いチョコは買えない。
「取り敢えず、私はこのチョコフラッペにしようかな」
定番商品を注文し、席に座る。
チョコフラッペを一口飲むと、シャリシャリした触感に濃厚なチョコレートが口いっぱいに広がった。
「冷たくて美味しいー!」
「本当だね!」
話題は自然と今日のお買い物のことに。
服や雑貨、最近のおすすめドラマなんかを話していると、不意にモモちゃんが進路の話を切り出した。
「そう言えば、●●の彼氏の天童君、進路どうするか聞いてるの?やっぱりバレーのプロ目指すの?」
私たちの高校は県内でも屈指の進学校であると同時に、スポーツ特待生が数多く所属する全国大会常連の強豪校でもある。
そのバレーボール部に所属しているのが、彼氏の天童覚君。
絶賛春高予選に向けて部活を頑張っている。
だから、今は目の前の試合に集中してほしくて、進路を聞けないでいる。
「どうなんだろう。部活が忙しそうで聞いていないの」
「そっかー」
モモちゃんはチラリとスマホで時間を確認する。
「今頃、暑い体育館で練習している時間かー。大変だ」
「うん……」
チョコの甘さが広がる口の中で、私だけがこんなふうに休憩してていいのかな、と小さな罪悪感が芽生えた。
そう思った瞬間、頭に浮かんだのは、先ほどショーウィンドウで見たあのチョコレートだった。
覚君、たくさん頑張ってるから。
お疲れ様の気持ちを込めて渡そう。
自分用では買えないけれど、覚君にあげるのは別だ。
「モモちゃん、やっぱり帰りにチョコ買っていっていいかな」
「もちろんだよ!」
モモちゃんの優しい返事に、私は思わず顔がほころんだ。
覚君の驚く顔を想像したら、なんだかそれだけで胸が高鳴る。
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