天童君は私にだけ冷たい
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休み明けの学校。
昨日、天童君に明日例の話をしよう、と言われたけれども、いつ話すのか、私から話しかけて良いのか分からず、結局昼休みを迎えてしまった。
お昼ご飯の用意をしていると、私の席に一つの影が覆い被さっる。
顔を上げると天童君がいた。
「◯◯さん、ちょっといい?」
「うん」
昨日は●●ちゃんって呼んでくれたのに。
呼び方が戻っている。
いや、高校に入ってからはこっちが当たり前になった。
私はお弁当箱を鞄にしまい直してから天童君の後を付いていった。
ほとんどの人が食堂に向かっているからか、教室内には数人の生徒しかいなかった。
そんな教室を横目に、使われていない空き教室へと入った。
しっかりと扉を閉め、完全に2人きりの空間。
保健室のときとは違って不思議と嫌な気持ちにはならなかった。
私は一呼吸置いてから、昨日同様謝った。
「天童君、昨日も言ったけど助けられなくて本当にごめんなさい」
だけど天童君は私の謝罪には触れず、自分の事を話し始めた。
「俺さ、高校で◯◯さんを見つけたとき、当時戻って来なかった理由とか、学校に来なかった理由を聞いてやろうと思ってた。そしたら俺のことも忘れているんだもん。恨んだよね」
だから冷たい態度を取ったんだね。
どおりで記憶がなかった私には理由が分からず、いきなりに感じたワケだ。
「だけど、あいつらに閉じ込められたって聞いて、俺が悪いと思った」
「そんなこと!」
天童君は私の言葉を制するように首を横に振った。
「だって、俺の行いが原因であいつらは逆上したんだから。呼び出されたときも、口だけ野郎が何をしてくれるんだろうってワクワクしていたし」
「…………」
「煽った俺が悪い。ノコノコ付いていった俺が悪い。怪我をしたのも油断した俺が悪い。だから俺が全部悪いの」
そんなツラそうな顔をしないでほしかった。
私たちはお互いが被害者だったんだから。
「直ぐにとは言わない。だけど、◯◯さん……こんな俺だけど、いつか許してくれる?」
「……名前で呼んで」
「え?」
「また昔みたいに●●ちゃんって呼んでくれるなら許す」
「そんなの、……そんなの嫌ってほど呼ぶよ!●●ちゃん!」
私たちの誤解は6年の時を経て解けた。
とても長い長い期間。
でも、その長い期間があったからこそ昔の嫌な記憶を思い出しても受け入れることができた。
これからは天童君とたくさん楽しい思い出を作っていけたらいいな。
ーーFinーー
昨日、天童君に明日例の話をしよう、と言われたけれども、いつ話すのか、私から話しかけて良いのか分からず、結局昼休みを迎えてしまった。
お昼ご飯の用意をしていると、私の席に一つの影が覆い被さっる。
顔を上げると天童君がいた。
「◯◯さん、ちょっといい?」
「うん」
昨日は●●ちゃんって呼んでくれたのに。
呼び方が戻っている。
いや、高校に入ってからはこっちが当たり前になった。
私はお弁当箱を鞄にしまい直してから天童君の後を付いていった。
ほとんどの人が食堂に向かっているからか、教室内には数人の生徒しかいなかった。
そんな教室を横目に、使われていない空き教室へと入った。
しっかりと扉を閉め、完全に2人きりの空間。
保健室のときとは違って不思議と嫌な気持ちにはならなかった。
私は一呼吸置いてから、昨日同様謝った。
「天童君、昨日も言ったけど助けられなくて本当にごめんなさい」
だけど天童君は私の謝罪には触れず、自分の事を話し始めた。
「俺さ、高校で◯◯さんを見つけたとき、当時戻って来なかった理由とか、学校に来なかった理由を聞いてやろうと思ってた。そしたら俺のことも忘れているんだもん。恨んだよね」
だから冷たい態度を取ったんだね。
どおりで記憶がなかった私には理由が分からず、いきなりに感じたワケだ。
「だけど、あいつらに閉じ込められたって聞いて、俺が悪いと思った」
「そんなこと!」
天童君は私の言葉を制するように首を横に振った。
「だって、俺の行いが原因であいつらは逆上したんだから。呼び出されたときも、口だけ野郎が何をしてくれるんだろうってワクワクしていたし」
「…………」
「煽った俺が悪い。ノコノコ付いていった俺が悪い。怪我をしたのも油断した俺が悪い。だから俺が全部悪いの」
そんなツラそうな顔をしないでほしかった。
私たちはお互いが被害者だったんだから。
「直ぐにとは言わない。だけど、◯◯さん……こんな俺だけど、いつか許してくれる?」
「……名前で呼んで」
「え?」
「また昔みたいに●●ちゃんって呼んでくれるなら許す」
「そんなの、……そんなの嫌ってほど呼ぶよ!●●ちゃん!」
私たちの誤解は6年の時を経て解けた。
とても長い長い期間。
でも、その長い期間があったからこそ昔の嫌な記憶を思い出しても受け入れることができた。
これからは天童君とたくさん楽しい思い出を作っていけたらいいな。
ーーFinーー