天童君は私にだけ冷たい
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ーー天童sideーー
小学生の俺は正直クソ生意気だったと思っている。
どんなに注意されようと、自分のやりたいバレーをやる。
俺が気持ちよくなれるバレーをする。
だけど、そのせいで虐めにも遭っていた。
「こっちのチーム来んなよ」
「妖怪は人間のチームに入れないんだぞ」
ま、俺の才能に嫉妬しているんだろう、と相手にしなかったけど。
そんなある日、いつも陰口しか言わないヤツらが珍しく話しかけてきた。
「ちょっと面貸せよ」
「今から体育館裏に来い」
呼び出された時は、鼻歌でも歌いたい気分だった。
ドラマやアニメで見るようなテンプレ通りの展開。
どんな陰湿なことをされるのかと、少しだけワクワクしながら付いていった。
「お前さ、前々から思ってたんだけど、ちょっとバレー上手いからって調子乗んなよ!?」
「おかっぱ頭もダセェし」
……髪型は今関係なくないか?
それにしても、出てくる言葉は予想を裏切らない退屈なものばかりだった。
語彙力のなさに思わずため息を吐いたのが、火に油を注いだらしい。
「聞いてんのかよ、ゴラァ!」
鈍い衝撃。
視界がぐらりと揺れた。
ヤツが拾い上げた石で、俺の頭を殴りつけやがったんだ。
熱い液体が耳の後ろを伝い、手のひらが真っ赤に染まる。
あー……これ、死ぬのかな。
こんなつまらない死に方だなんて……。
そんな冷めた思考が頭をよぎった時だった。
「何やってるの!」
鋭い声。
そこには、同じクラスの●●ちゃんが立っていた。
「先生に言いつけてやるから!」
彼女は脱兎のごとく校舎へ走り去った。
「まずいって、アイツ追いかけろ!」
虐めっ子たちが慌てて彼女を追っていく。
俺は1人、体育館裏に残された。
傷口を押さえ、彼女が先生を連れて戻ってくるのを信じて待った。
5分、10分……。
だけど、彼女が戻ってくることはなかった。
助けてくれると思っていたのに。
結局彼女も冷やかしの1人だったってワケだ。
許さない…。
●●ちゃんもアイツらと同罪だ。
俺は痛みに耐えながら、なんとか保健室へと行った。
「血が出ているじゃない!どうしたの!」
「ちょっと転んだ先に石が落ちてて…」
アイツらにやられたなんて言ったら格好悪いから、俺は自分のせいでこうなったことを説明した。
決して庇ったワケではない。
「ちょっと切れてるけど、縫わなくていい程度かな?でも、念の為に病院に行きなさいよ?」
「はーい」
翌日から、彼女は学校に来なくなった。
一度も会うことなく、一度も言葉を交わすこともなく卒業。
彼女への想いは、感謝から深い憎悪と執着へと変わっていった。
それから数年後。
白鳥沢学園の入学式。
新入生の列の中に、あの横顔を見つけた。
心臓が跳ねた。
ようやく聞ける。
あの時、なんで戻って来なかったのか。
だけど、3年生でようやく同じクラスになった彼女の口から出たのは、俺の期待を粉々に打ち砕く言葉だった。
「天童君、初めまして!よろしくね」
……は?
初めまして?
俺を裏切って、絶望の底に置き去りにしたクセに。
自分だけ無かったことにしようとしているのか。
許さない……。
煮え繰り返るような怒りが、笑みの形に固まった。
忘れたなんて言わせない。
思い出して、後悔して、俺と同じ暗闇を見てよ。
思い出すまで、徹底的に痛めつけてやるからネ……。
小学生の俺は正直クソ生意気だったと思っている。
どんなに注意されようと、自分のやりたいバレーをやる。
俺が気持ちよくなれるバレーをする。
だけど、そのせいで虐めにも遭っていた。
「こっちのチーム来んなよ」
「妖怪は人間のチームに入れないんだぞ」
ま、俺の才能に嫉妬しているんだろう、と相手にしなかったけど。
そんなある日、いつも陰口しか言わないヤツらが珍しく話しかけてきた。
「ちょっと面貸せよ」
「今から体育館裏に来い」
呼び出された時は、鼻歌でも歌いたい気分だった。
ドラマやアニメで見るようなテンプレ通りの展開。
どんな陰湿なことをされるのかと、少しだけワクワクしながら付いていった。
「お前さ、前々から思ってたんだけど、ちょっとバレー上手いからって調子乗んなよ!?」
「おかっぱ頭もダセェし」
……髪型は今関係なくないか?
それにしても、出てくる言葉は予想を裏切らない退屈なものばかりだった。
語彙力のなさに思わずため息を吐いたのが、火に油を注いだらしい。
「聞いてんのかよ、ゴラァ!」
鈍い衝撃。
視界がぐらりと揺れた。
ヤツが拾い上げた石で、俺の頭を殴りつけやがったんだ。
熱い液体が耳の後ろを伝い、手のひらが真っ赤に染まる。
あー……これ、死ぬのかな。
こんなつまらない死に方だなんて……。
そんな冷めた思考が頭をよぎった時だった。
「何やってるの!」
鋭い声。
そこには、同じクラスの●●ちゃんが立っていた。
「先生に言いつけてやるから!」
彼女は脱兎のごとく校舎へ走り去った。
「まずいって、アイツ追いかけろ!」
虐めっ子たちが慌てて彼女を追っていく。
俺は1人、体育館裏に残された。
傷口を押さえ、彼女が先生を連れて戻ってくるのを信じて待った。
5分、10分……。
だけど、彼女が戻ってくることはなかった。
助けてくれると思っていたのに。
結局彼女も冷やかしの1人だったってワケだ。
許さない…。
●●ちゃんもアイツらと同罪だ。
俺は痛みに耐えながら、なんとか保健室へと行った。
「血が出ているじゃない!どうしたの!」
「ちょっと転んだ先に石が落ちてて…」
アイツらにやられたなんて言ったら格好悪いから、俺は自分のせいでこうなったことを説明した。
決して庇ったワケではない。
「ちょっと切れてるけど、縫わなくていい程度かな?でも、念の為に病院に行きなさいよ?」
「はーい」
翌日から、彼女は学校に来なくなった。
一度も会うことなく、一度も言葉を交わすこともなく卒業。
彼女への想いは、感謝から深い憎悪と執着へと変わっていった。
それから数年後。
白鳥沢学園の入学式。
新入生の列の中に、あの横顔を見つけた。
心臓が跳ねた。
ようやく聞ける。
あの時、なんで戻って来なかったのか。
だけど、3年生でようやく同じクラスになった彼女の口から出たのは、俺の期待を粉々に打ち砕く言葉だった。
「天童君、初めまして!よろしくね」
……は?
初めまして?
俺を裏切って、絶望の底に置き去りにしたクセに。
自分だけ無かったことにしようとしているのか。
許さない……。
煮え繰り返るような怒りが、笑みの形に固まった。
忘れたなんて言わせない。
思い出して、後悔して、俺と同じ暗闇を見てよ。
思い出すまで、徹底的に痛めつけてやるからネ……。
