天童君は私にだけ冷たい
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同級生と解散した後、私は天童君に会わないといけないと思った。
彼は学生寮のはず。
急いで学校へと向かった。
ーーーー
学校へ着いたものの、寮生でない、ましてや女子が男子寮に入るわけにはいかない。
どうしようかと寮の前で悩んでいると、部活を終えたばかりであろう何かしらの運動部の生徒が寮へと入っていった。
そうだ、体育館!
私は寮を後にして男子バレー部の体育館へと向かった。
中を覗くと、予想通りまだ練習をしていた。
さすが強豪と呼ばれるだけある。
そのメンバーの中に天童君もいた。
練習を中断してまでして呼びたくはない。
かと言って、何時に終わるのかも分からないから、際限無く待つことも難しい。
勢いで会いに来たけれど、やっぱり休み明けの学校で話したほうがいいかな。
うん、そうだ。そうしよう。
体育館を後にしようとしたら、中から背の高いぱっつん前髪の男の子が出てきた。
昔の天童君を彷彿させる髪型……。
そんな男の子が、
「誰かに用ですか?もう休憩入るので、良ければ呼びますけど」
と、話しかけてくれた。
ありがたい。
「えっと、天童君を……」
「天童さんですね、待っててください」
男の子は体育館に戻ると、しばらくしてから代わりに天童君が出てきた。
「可愛い女の子かと思ったら◯◯さんじゃん。何の用?」
早くしてよね、と面倒くさそうに付け加えた天童君。
あの子は私のことをなんて伝えたんだろう。
それよりも伝えないといけないことがあった。
「あのね、私……天童君に謝らないといけないことがあって……」
「…………」
そう切り出すと、天童君は急に真剣な顔つきになった。
「小学校のとき、私が助けようとした男の子って天童君だったんだよね?」
「そうだけど、今更何?」
その口ぶりから、天童君は私のことを覚えていたことが伺える。
それなら、尚更謝らないと。
「あのとき、助けられなくて本当にごめんなさい!」
私は深々と頭を下げた。
「……俺、ずっと待ってた。◯◯さんが先生を呼んで来てくれるのを」
「前も話したけど、追いかけてきた男の子に捕まって掃除道具入れに押し込まれたの」
「…………」
私はその続きを話し始めた。
出してって扉を叩いても重しか何かがあって開かなくて、結局出れたのは次の日の早朝。
用務員さんによって見つかった。
用具入れから異臭がして気が付いたらしい。
扉を開けたら漏らしていた女の子がぐったりしていたなんて、想像したくないよね。
それがショックでその前後の記憶だけ思い出せなくなって、学校を休んだまま卒業。
「今まで忘れていてごめんね。私にとっても思い出したくなかった出来事だったの」
「なんだよ、それ……」
「?」
「そんなの聞かされたら、俺が悪いみたいじゃん」
「天童君は何も悪くないよ!」
悪いのは虐めてきた男の子たち。
助けられなかった私。
天童君を忘れてしまっていた私。
「……休憩終わるから、その話はまた明日しよう」
「分かった」
「気を付けて帰ってね、●●ちゃん」
「うん…………あれ?」
今、私のことを名前で呼んだ?
天童君の方を見ると、彼は既に体育館へ入った後だった。
彼は学生寮のはず。
急いで学校へと向かった。
ーーーー
学校へ着いたものの、寮生でない、ましてや女子が男子寮に入るわけにはいかない。
どうしようかと寮の前で悩んでいると、部活を終えたばかりであろう何かしらの運動部の生徒が寮へと入っていった。
そうだ、体育館!
私は寮を後にして男子バレー部の体育館へと向かった。
中を覗くと、予想通りまだ練習をしていた。
さすが強豪と呼ばれるだけある。
そのメンバーの中に天童君もいた。
練習を中断してまでして呼びたくはない。
かと言って、何時に終わるのかも分からないから、際限無く待つことも難しい。
勢いで会いに来たけれど、やっぱり休み明けの学校で話したほうがいいかな。
うん、そうだ。そうしよう。
体育館を後にしようとしたら、中から背の高いぱっつん前髪の男の子が出てきた。
昔の天童君を彷彿させる髪型……。
そんな男の子が、
「誰かに用ですか?もう休憩入るので、良ければ呼びますけど」
と、話しかけてくれた。
ありがたい。
「えっと、天童君を……」
「天童さんですね、待っててください」
男の子は体育館に戻ると、しばらくしてから代わりに天童君が出てきた。
「可愛い女の子かと思ったら◯◯さんじゃん。何の用?」
早くしてよね、と面倒くさそうに付け加えた天童君。
あの子は私のことをなんて伝えたんだろう。
それよりも伝えないといけないことがあった。
「あのね、私……天童君に謝らないといけないことがあって……」
「…………」
そう切り出すと、天童君は急に真剣な顔つきになった。
「小学校のとき、私が助けようとした男の子って天童君だったんだよね?」
「そうだけど、今更何?」
その口ぶりから、天童君は私のことを覚えていたことが伺える。
それなら、尚更謝らないと。
「あのとき、助けられなくて本当にごめんなさい!」
私は深々と頭を下げた。
「……俺、ずっと待ってた。◯◯さんが先生を呼んで来てくれるのを」
「前も話したけど、追いかけてきた男の子に捕まって掃除道具入れに押し込まれたの」
「…………」
私はその続きを話し始めた。
出してって扉を叩いても重しか何かがあって開かなくて、結局出れたのは次の日の早朝。
用務員さんによって見つかった。
用具入れから異臭がして気が付いたらしい。
扉を開けたら漏らしていた女の子がぐったりしていたなんて、想像したくないよね。
それがショックでその前後の記憶だけ思い出せなくなって、学校を休んだまま卒業。
「今まで忘れていてごめんね。私にとっても思い出したくなかった出来事だったの」
「なんだよ、それ……」
「?」
「そんなの聞かされたら、俺が悪いみたいじゃん」
「天童君は何も悪くないよ!」
悪いのは虐めてきた男の子たち。
助けられなかった私。
天童君を忘れてしまっていた私。
「……休憩終わるから、その話はまた明日しよう」
「分かった」
「気を付けて帰ってね、●●ちゃん」
「うん…………あれ?」
今、私のことを名前で呼んだ?
天童君の方を見ると、彼は既に体育館へ入った後だった。