天童君は私にだけ冷たい
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日最後の授業、体育が終わった。
体育館に夕日が差し込む。
体育委員である私は、重い腰を上げて片付けを始めた。
よりによって、もう1人の委員はあの天童君だ。
「◯◯さんは俺より逞しそうだから、たくさん持てるよネ。これもお願い」
天童君はひらひらと手を振り、自分は軽いバレーボールを1つだけを抱えると、数多にある支柱を私に押し付けた。
「……分かったわよ」
同じクラスになってからというもの、彼の態度は一貫して冷酷だ。
不思議なのは、彼は私が体育委員に決まった後、わざわざ後から立候補してきたことだった。
私のことが嫌いなら、別の委員会を選べばいいはずなのに。
……結局、こうして私に仕事を押し付けて、困る顔を見て楽しみたいだけなんだ。
本当に、いい性格をしている。
確信に近い落胆を抱えながら、私は重い用具を抱えて倉庫を何往復もした。
ようやく最後の支柱を運び終え、薄暗い体育倉庫の隅に立て掛ける。
「ふぅ〜……」
額の汗を拭い、ようやく終わったと安堵した、その時だった。
「わっ……!?」
背中に、唐突で強い衝撃が走った。
抗う間もなく、私は倉庫の奥へと突き飛ばされる。
ガタンッ!!
背後で、重苦しい金属音が響く。
「痛っ……」
コンクリートの床に膝を打ちつけたときの痛みが走る。
暗がりに目が慣れないまま、私は這いずるようにして扉へ手をかけた。
だけど、どんなに引いてもびくともしない。
「開かない……え、嘘、嘘でしょ……!?」
いくら何でもやり過ぎだ。
嫌がらせの域を超えている。
まだ近くに誰かいるはずだと、私は扉を狂ったように叩いた。
「誰かいるの!?開けて!ここから出して!」
叫び声は虚しく壁に跳ね返るだけだった。
絶望的な沈黙が流れる。
……いや、沈黙ではなかった。
扉のすぐ向こう側から、微かに、けれどはっきりと音が聞こえてきた。
「クッ……フフッ……っ……」
低く、喉を鳴らすような不気味な笑い声。
こんなことをする人は決まっている。
「ねえ!天童君でしょ!なんでこんなことするの!お願いだから出して!」
必死にお願いしても返事はない。
ただ、扉の向こうの彼は、私が困る様子を鑑賞しているようだった。
暗くて、汗と砂埃と石灰が混ざった体育倉庫の嫌な臭い。
覚えのない記憶が蘇る衝撃に襲われた。
「はぁ……はぁ……」
呼吸が浅くなり、視界がチカチカする。
扉を叩く力は次第に弱まり、私はその場に力なく崩れ落ちた。
「開けてよ……お願い……っ、天童、君……」
消え入りそうな声で彼の名前を呼んだ。
その瞬間、ようやく満足したのか、あるいは私の異変に気付いたのか。
眩しい夕日と共に、扉が開いた。
逆光の中に彼のシルエットが浮かび上がる。
そこに立っていたのは、やはり天童君だった。
彼は助け起こそうとする素振りも見せず、ただ項垂れる私を、冷めきった三白眼で見下ろしていた。
そんな彼の表情を脳裏に焼き付けると、私は意識を手放した。
体育館に夕日が差し込む。
体育委員である私は、重い腰を上げて片付けを始めた。
よりによって、もう1人の委員はあの天童君だ。
「◯◯さんは俺より逞しそうだから、たくさん持てるよネ。これもお願い」
天童君はひらひらと手を振り、自分は軽いバレーボールを1つだけを抱えると、数多にある支柱を私に押し付けた。
「……分かったわよ」
同じクラスになってからというもの、彼の態度は一貫して冷酷だ。
不思議なのは、彼は私が体育委員に決まった後、わざわざ後から立候補してきたことだった。
私のことが嫌いなら、別の委員会を選べばいいはずなのに。
……結局、こうして私に仕事を押し付けて、困る顔を見て楽しみたいだけなんだ。
本当に、いい性格をしている。
確信に近い落胆を抱えながら、私は重い用具を抱えて倉庫を何往復もした。
ようやく最後の支柱を運び終え、薄暗い体育倉庫の隅に立て掛ける。
「ふぅ〜……」
額の汗を拭い、ようやく終わったと安堵した、その時だった。
「わっ……!?」
背中に、唐突で強い衝撃が走った。
抗う間もなく、私は倉庫の奥へと突き飛ばされる。
ガタンッ!!
背後で、重苦しい金属音が響く。
「痛っ……」
コンクリートの床に膝を打ちつけたときの痛みが走る。
暗がりに目が慣れないまま、私は這いずるようにして扉へ手をかけた。
だけど、どんなに引いてもびくともしない。
「開かない……え、嘘、嘘でしょ……!?」
いくら何でもやり過ぎだ。
嫌がらせの域を超えている。
まだ近くに誰かいるはずだと、私は扉を狂ったように叩いた。
「誰かいるの!?開けて!ここから出して!」
叫び声は虚しく壁に跳ね返るだけだった。
絶望的な沈黙が流れる。
……いや、沈黙ではなかった。
扉のすぐ向こう側から、微かに、けれどはっきりと音が聞こえてきた。
「クッ……フフッ……っ……」
低く、喉を鳴らすような不気味な笑い声。
こんなことをする人は決まっている。
「ねえ!天童君でしょ!なんでこんなことするの!お願いだから出して!」
必死にお願いしても返事はない。
ただ、扉の向こうの彼は、私が困る様子を鑑賞しているようだった。
暗くて、汗と砂埃と石灰が混ざった体育倉庫の嫌な臭い。
覚えのない記憶が蘇る衝撃に襲われた。
「はぁ……はぁ……」
呼吸が浅くなり、視界がチカチカする。
扉を叩く力は次第に弱まり、私はその場に力なく崩れ落ちた。
「開けてよ……お願い……っ、天童、君……」
消え入りそうな声で彼の名前を呼んだ。
その瞬間、ようやく満足したのか、あるいは私の異変に気付いたのか。
眩しい夕日と共に、扉が開いた。
逆光の中に彼のシルエットが浮かび上がる。
そこに立っていたのは、やはり天童君だった。
彼は助け起こそうとする素振りも見せず、ただ項垂れる私を、冷めきった三白眼で見下ろしていた。
そんな彼の表情を脳裏に焼き付けると、私は意識を手放した。
