隣にいるための理由
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ーーおまけ(天童side)ーー
パティシエにとって最初の1年目は鬼門。
オーナーの佐藤さんは比較的温厚な方だから、調理器具を投げてきたり、作ったケーキを無言で捨てるなんてしないけど、厳しい面も持ち合わせている。
俺はそれで辞めた人を去年見てきた。
だから、今年入る子にはそうなってもらいたくなくて、過剰に優しく接した。
だけど、接しているうちに辞めてほしくないからではなく、一人の女性として優しくしていることに気が付いた。
頑張っている姿とか素直に学ぼうとする姿勢に当時の自分を重ねたが、そんな●●ちゃんと俺の決定的な違いは性別と体格。
無理をしすぎた●●ちゃんはケガをした。
病院へ連れていく車の中でずっと謝っている●●ちゃん。
帰り際も辞めさせられることを心配していた●●ちゃん。
俺は気の利く言葉を言えなくて、ただ頭を撫でることしかできなかった。
そして次に出勤したときに●●ちゃんは既に仕事を辞めていた。
後悔した。
一度退職届と制服を持ってきた●●ちゃんとすれ違ったけど、声を掛ける間もなく逃げるように立ち去られた。
連絡も無視。
俺に会わせる顔がないのかもしれないけど、そんなの気にしないでほしかった。
そして次に会ったのはあれから2ヵ月ほど経ったある日。
従業員から●●ちゃんらしい人が働いていると教えてもらったガールズバーで。
俺は早速仕事終わりに寄った。
今度は逃げられないように。
俺の気持ちをちゃんと伝えるために。
後悔はもうしたくない。
だけど仕事中だったから返事はすぐに貰えず、流れで家まで送っていくことになった。
ポケットにお招きした彼女の手は小さくて冷たくて、離したくないと思った。
彼女の狭い歩幅に合わせて歩く。
返事はゆっくりでいいから。
その間俺は出来るだけ時間をかけて景色を見ておくよ。
パティシエにとって最初の1年目は鬼門。
オーナーの佐藤さんは比較的温厚な方だから、調理器具を投げてきたり、作ったケーキを無言で捨てるなんてしないけど、厳しい面も持ち合わせている。
俺はそれで辞めた人を去年見てきた。
だから、今年入る子にはそうなってもらいたくなくて、過剰に優しく接した。
だけど、接しているうちに辞めてほしくないからではなく、一人の女性として優しくしていることに気が付いた。
頑張っている姿とか素直に学ぼうとする姿勢に当時の自分を重ねたが、そんな●●ちゃんと俺の決定的な違いは性別と体格。
無理をしすぎた●●ちゃんはケガをした。
病院へ連れていく車の中でずっと謝っている●●ちゃん。
帰り際も辞めさせられることを心配していた●●ちゃん。
俺は気の利く言葉を言えなくて、ただ頭を撫でることしかできなかった。
そして次に出勤したときに●●ちゃんは既に仕事を辞めていた。
後悔した。
一度退職届と制服を持ってきた●●ちゃんとすれ違ったけど、声を掛ける間もなく逃げるように立ち去られた。
連絡も無視。
俺に会わせる顔がないのかもしれないけど、そんなの気にしないでほしかった。
そして次に会ったのはあれから2ヵ月ほど経ったある日。
従業員から●●ちゃんらしい人が働いていると教えてもらったガールズバーで。
俺は早速仕事終わりに寄った。
今度は逃げられないように。
俺の気持ちをちゃんと伝えるために。
後悔はもうしたくない。
だけど仕事中だったから返事はすぐに貰えず、流れで家まで送っていくことになった。
ポケットにお招きした彼女の手は小さくて冷たくて、離したくないと思った。
彼女の狭い歩幅に合わせて歩く。
返事はゆっくりでいいから。
その間俺は出来るだけ時間をかけて景色を見ておくよ。
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