隣にいるための理由
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夜道を二人で並んで歩く。
初めて会ったときは桜が咲いていたのに、今はすっかり雪が降りそうな季節に。
「本当は車で送っていきたかったのに、ごめんね」
「お酒飲んじゃいましたもんね」
喋る度に白い息が出る。
「寒くない?」
「少し」
天童さんは私の手を握ってくれて、そのままポケットにお招きしてくれた。
大きくて、温かくて、優しい手。
冬が寒くて本当によかった。
「そろそろ、お店で言い掛けていた言葉の続き、聞いてもいいかな?」
そうだった。
そのために店長が気を利かせてくれたんだった。
「はい……」
私は静かに返事をした。
立ち止まって真剣な瞳で私を見てくる天童さん。
「最初は憧れの先輩、覚さんみたいなパティシエになりたいって思っていたんです。だけど、一緒にお買い物に行ったり、私にだけしてくれる些細な仕草が………」
天童さんだけ作業を止めてまでして私と目を合わせて挨拶をしてくれてたり、余計なことは言わずポンポンと頭を撫でてくれたりしてくれた仕草に……。
「いつの間にか異性として惹かれていました。だから、えっと……私も覚さんのことが……好きです」
ついに言ってしまった。
「嬉しい」
「覚さんと思いが通じ合えたなら、ケガしてよかったかもしれないです」
「ケガしてなくても、俺は思いを伝えていたよ」
「さ、覚さんっ!」
「さーて、ビザ取ったり……その前にパスポートか。来年から慌ただしくなるぞー!」
本当にこの人は……。
だけど覚さんらしいや。
私もいつパリに呼んでもらっても大丈夫なように、語学の勉強しておかないと。
お互いの歩く歩幅は違っても、辿り着く場所は同じ。
それに向かって今日も歩き続ける。
ーーFinーー
初めて会ったときは桜が咲いていたのに、今はすっかり雪が降りそうな季節に。
「本当は車で送っていきたかったのに、ごめんね」
「お酒飲んじゃいましたもんね」
喋る度に白い息が出る。
「寒くない?」
「少し」
天童さんは私の手を握ってくれて、そのままポケットにお招きしてくれた。
大きくて、温かくて、優しい手。
冬が寒くて本当によかった。
「そろそろ、お店で言い掛けていた言葉の続き、聞いてもいいかな?」
そうだった。
そのために店長が気を利かせてくれたんだった。
「はい……」
私は静かに返事をした。
立ち止まって真剣な瞳で私を見てくる天童さん。
「最初は憧れの先輩、覚さんみたいなパティシエになりたいって思っていたんです。だけど、一緒にお買い物に行ったり、私にだけしてくれる些細な仕草が………」
天童さんだけ作業を止めてまでして私と目を合わせて挨拶をしてくれてたり、余計なことは言わずポンポンと頭を撫でてくれたりしてくれた仕草に……。
「いつの間にか異性として惹かれていました。だから、えっと……私も覚さんのことが……好きです」
ついに言ってしまった。
「嬉しい」
「覚さんと思いが通じ合えたなら、ケガしてよかったかもしれないです」
「ケガしてなくても、俺は思いを伝えていたよ」
「さ、覚さんっ!」
「さーて、ビザ取ったり……その前にパスポートか。来年から慌ただしくなるぞー!」
本当にこの人は……。
だけど覚さんらしいや。
私もいつパリに呼んでもらっても大丈夫なように、語学の勉強しておかないと。
お互いの歩く歩幅は違っても、辿り着く場所は同じ。
それに向かって今日も歩き続ける。
ーーFinーー