隣にいるための理由
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翌日、誰よりも早く出勤してオーナーと二人きりで昨日の医者に言われたことを伝えた。
「うちは大きな洋菓子店ではない。◯◯さんが頑張っていることも理解はしているけど、まだまだ即戦力とは言い難い。だから◯◯さんには悪いんだけど、辞めてもらえないだろうか」
「………分かりました」
昨日早く帰らされて、考える時間はたくさんあった。
だからか、オーナーの言葉はすんなり受け入れることが出来た。
「短い間でしたがお世話になりました」
「すまないね。一応有給はあるから、その期間に退職届けと貸していた制服の用意をしておいてくれ」
「はい……」
「他の従業員には私から伝えておくので、今日はもう上がっていいよ」
「はい、お疲れさまでした。お先に失礼します」
淡々と退職に向けての話が進められて、私は言われるがままの返事しかできなかった。
この場合って自己都合の退職なんだよなー、ハローワークに行っても待機期間が合って直ぐに失業手当て貰えないし。
もう、なんだか色々とやる気が出なかった。
ーーーー
退職してから2ヵ月が経ち、治療に専念をしたお陰か、重い物はまだ持てないけど、私生活に支障をきたさない程度には手首の調子は良くなった。
そのため貯めていた貯金の底が見え始めた。
失業手当ての待機期間なんて待っていられずに、ひとまずアルバイトでもなんでもいいから仕事を探すことにした。
ちなみにパティシエにはもうなるつもりはない。
採用されたのはこぢんまりとしたガールズバー。
勘違いする人が多いかもしれないけど、ガールズバーはキャバクラと違って接触禁止、お客様の隣に座るのも禁止。
カウンター越しの接客で、お客様にお酒やおつまみを提供する場。
店長には腱鞘炎の事情を話しており、当面はスナップをきかせるカクテル作りはお休みさせてもらい、代わりにおつまみの用意と雑用などの業務をしている。
「いらっしゃいませ~」
今日も淡々と業務をこなす。
つい半年ほど前までは期待と不安にかられながらも必死に仕事をしていたのに。
人はこうも夢を諦めると達観するのだろうか。
「◯◯さん、ご新規様にお絞りを」
「はい」
私に指示を出すと、早速お客様と楽しそうに会話を始めた先輩キャストさん。
聞いていると大して面白くもないお客様のお話に笑ったり、親身に聞いたり。
本当に凄いと思う。
今の私にはできないかもしれない。
こんなことを思う日々を毎日繰り返した。
「うちは大きな洋菓子店ではない。◯◯さんが頑張っていることも理解はしているけど、まだまだ即戦力とは言い難い。だから◯◯さんには悪いんだけど、辞めてもらえないだろうか」
「………分かりました」
昨日早く帰らされて、考える時間はたくさんあった。
だからか、オーナーの言葉はすんなり受け入れることが出来た。
「短い間でしたがお世話になりました」
「すまないね。一応有給はあるから、その期間に退職届けと貸していた制服の用意をしておいてくれ」
「はい……」
「他の従業員には私から伝えておくので、今日はもう上がっていいよ」
「はい、お疲れさまでした。お先に失礼します」
淡々と退職に向けての話が進められて、私は言われるがままの返事しかできなかった。
この場合って自己都合の退職なんだよなー、ハローワークに行っても待機期間が合って直ぐに失業手当て貰えないし。
もう、なんだか色々とやる気が出なかった。
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退職してから2ヵ月が経ち、治療に専念をしたお陰か、重い物はまだ持てないけど、私生活に支障をきたさない程度には手首の調子は良くなった。
そのため貯めていた貯金の底が見え始めた。
失業手当ての待機期間なんて待っていられずに、ひとまずアルバイトでもなんでもいいから仕事を探すことにした。
ちなみにパティシエにはもうなるつもりはない。
採用されたのはこぢんまりとしたガールズバー。
勘違いする人が多いかもしれないけど、ガールズバーはキャバクラと違って接触禁止、お客様の隣に座るのも禁止。
カウンター越しの接客で、お客様にお酒やおつまみを提供する場。
店長には腱鞘炎の事情を話しており、当面はスナップをきかせるカクテル作りはお休みさせてもらい、代わりにおつまみの用意と雑用などの業務をしている。
「いらっしゃいませ~」
今日も淡々と業務をこなす。
つい半年ほど前までは期待と不安にかられながらも必死に仕事をしていたのに。
人はこうも夢を諦めると達観するのだろうか。
「◯◯さん、ご新規様にお絞りを」
「はい」
私に指示を出すと、早速お客様と楽しそうに会話を始めた先輩キャストさん。
聞いていると大して面白くもないお客様のお話に笑ったり、親身に聞いたり。
本当に凄いと思う。
今の私にはできないかもしれない。
こんなことを思う日々を毎日繰り返した。