隣にいるための理由
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
天童さんとお出掛けをしてから、間もなく、私は製造の仕事にも携わることができるようになった。
担当は天童さんが元々やっていたミキサー。
生クリームを立てたり、スポンジ生地を合わせたり。
死ににくい生地は直ぐに覚えたけれど、デコレーション用のスポンジなどの生地はその日の気温や湿度などによって水分量が変わるため、調節が難しいうえに、スピードも重視されるので大変。
そして、その後に生地の入った30コートのボウルを片腕で担いで鉄板に流す分割が至難。
腕がプルプルして中々持ち上がらない。
生地だけでも5㎏近くあるのに、更にボウルの重さも加わると……もう。
天童さんはよくこんなのをあの細い腕で持ち上げていたな……。
「天童さん、持ち上げるコツとかありますか?」
「うーん、取りあえず脇を閉めて、腕の力だけで持ち上げないことかな?」
え、それだけ?
「や、やってみます」
多少マシになった……かな?
だけど、いつまで経っても慣れることはなかった。
そして、慣れるより先に私の腕が限界を迎えた。
それはある日のこと。
いつものように生地を分割しようとボウルを担いだとき。
「痛っ!」
今まで感じなかった手首の痛み。
「◯◯さん、どうしたの?」
「なんでもないです」
天童さんに心配かけまいと、我慢して分割を終わらせた。
空いた時間に頭痛用に常備していた痛み止めを飲んだ。
仕事終わったら整形外科に行こう。
それまでもてば……。
幸いにも今日は1回しかミキサーを回さなかったので、それ以上手首に負担をかけずに済んだ。
病院に行くと、腱鞘炎だと診断された。
手首に負荷をかけすぎたんだ。
医者からはしばらく無理をしないようにと言われたけど、仕事の都合上難しくて、ステロイド注射を打ってもらって誤魔化すことに。
そのお陰か、注射を打って直ぐは痛みも引いて支障なく仕事が出来た。
もしかして、治った?
腱鞘炎の程度が小さかったのかもしれない。
ーーーー
「最近ミキサーも慣れてきたんじゃない?」
焼成担当の天童さんは私が分割した生地を釜に入れながら、そう言った。
「ありがとうございます!」
褒められた!嬉しい!
この調子でもっと頑張りたい!
担当は天童さんが元々やっていたミキサー。
生クリームを立てたり、スポンジ生地を合わせたり。
死ににくい生地は直ぐに覚えたけれど、デコレーション用のスポンジなどの生地はその日の気温や湿度などによって水分量が変わるため、調節が難しいうえに、スピードも重視されるので大変。
そして、その後に生地の入った30コートのボウルを片腕で担いで鉄板に流す分割が至難。
腕がプルプルして中々持ち上がらない。
生地だけでも5㎏近くあるのに、更にボウルの重さも加わると……もう。
天童さんはよくこんなのをあの細い腕で持ち上げていたな……。
「天童さん、持ち上げるコツとかありますか?」
「うーん、取りあえず脇を閉めて、腕の力だけで持ち上げないことかな?」
え、それだけ?
「や、やってみます」
多少マシになった……かな?
だけど、いつまで経っても慣れることはなかった。
そして、慣れるより先に私の腕が限界を迎えた。
それはある日のこと。
いつものように生地を分割しようとボウルを担いだとき。
「痛っ!」
今まで感じなかった手首の痛み。
「◯◯さん、どうしたの?」
「なんでもないです」
天童さんに心配かけまいと、我慢して分割を終わらせた。
空いた時間に頭痛用に常備していた痛み止めを飲んだ。
仕事終わったら整形外科に行こう。
それまでもてば……。
幸いにも今日は1回しかミキサーを回さなかったので、それ以上手首に負担をかけずに済んだ。
病院に行くと、腱鞘炎だと診断された。
手首に負荷をかけすぎたんだ。
医者からはしばらく無理をしないようにと言われたけど、仕事の都合上難しくて、ステロイド注射を打ってもらって誤魔化すことに。
そのお陰か、注射を打って直ぐは痛みも引いて支障なく仕事が出来た。
もしかして、治った?
腱鞘炎の程度が小さかったのかもしれない。
ーーーー
「最近ミキサーも慣れてきたんじゃない?」
焼成担当の天童さんは私が分割した生地を釜に入れながら、そう言った。
「ありがとうございます!」
褒められた!嬉しい!
この調子でもっと頑張りたい!