〜第二章〜 ただの変わり者好きな女の子
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私の高校の赤点ラインは平均点の半分の点数。
1年生の1学期末と言うこともあってか、中々高い平均点だったが、幸い赤点にならずに済んだ。
京谷君は大丈夫だったかな?
偏見で申し訳ないけど、お世辞にも勉強ができそうな見た目ではない。
その夜、電話をかけてテストの報告をした。
「無事に赤点回避したよ。京谷君は?」
“………ちょっと、出てこれるか?直接話したい”
「え、いいけど」
“悪い、帰りは家まで送るから”
私の家の近くの公園で待ち合わせをした。
京谷君が来るまでブランコに座りゆらゆら揺れて待っていると、一つの人影が公園に入ってきた。
京谷君だ。
「こんばんは」
「おう」
京谷君も隣のブランコに腰掛ける。
中々話し出してくれず、ギコギコと錆びたブランコの音だけが響く。
「あのさ…………悪い」
いきなり謝罪をしてきた京谷君。
「……海行けそうにない」
「え、なんで」
「……赤点補習が夏休みにある」
「だからあれほど勉強しなよって言ったのに」
まあ、京谷君らしいと言えばらしい。
ちょっと残念だけど、また日を改めて遠出すればいい。
「代わりになるか分からねぇけど、冬になったら小型二輪の免許取る。そんで、お前を海に連れてく」
「それは嬉しいけど、部活と社会人チームの練習があって、自動車学校に通う余裕あるの?」
勉強が得意ではなさそうな京谷君は取り分け余裕がないと思うんだけど。
「……俺さ、部活行ってないんだ」
「……」
薄々勘づいていたことが確信に変わった。
やっぱりそうか。
「入学して早々部活の先輩に……そのヘタクソだとか、打ちにくいだとか言って……」
バレーに真剣だから、正直な性格だがら言っちゃったのかな。
だとしてもそれを口にするのは違うけど。
「しばらくは険悪な中でも部活行ってたけど、◯◯に映画に誘われた日、本当は部活があったけど、なんかどうでもよくなって初めてサボった」
どうしよう、私が京谷君をサボらせちゃったようだ。
「でも◯◯には感謝してる。そのおかげで社会人チームに入って、今はのびのびとバレーができてる」
「……」
「あの環境のままだと、本当にバレーが嫌いになって完全に辞めていたかもしれねぇ」
「私、本当に迷惑じゃなかった?」
「言ったろ、感謝してるって」
そう言って微笑んだ京谷君はすっきりとした表情をしていた。
そんな表情を見て、私も安堵した。
今まで心苦しかったんだね。
「だから…………さ」
「うん?」
まだ何かあるのかな?
先程とは打って変わって、どことなく緊張しているように見えた。
「こんな俺だけど、これからも側にいて欲しい」
「京谷君、それって……」
「………これ以上言わせんな」
ほら帰るぞ、と私の手を強く握ってくれた京谷君。
ああ、本当に不器用なんだから。
「私、離さないからね?」
そう言って私も強く手を握り返した。
「やっぱり変なやつ」
暗くて京谷君の顔は見えなかったけど、耳を赤くした姿が想像できた。
1年生の1学期末と言うこともあってか、中々高い平均点だったが、幸い赤点にならずに済んだ。
京谷君は大丈夫だったかな?
偏見で申し訳ないけど、お世辞にも勉強ができそうな見た目ではない。
その夜、電話をかけてテストの報告をした。
「無事に赤点回避したよ。京谷君は?」
“………ちょっと、出てこれるか?直接話したい”
「え、いいけど」
“悪い、帰りは家まで送るから”
私の家の近くの公園で待ち合わせをした。
京谷君が来るまでブランコに座りゆらゆら揺れて待っていると、一つの人影が公園に入ってきた。
京谷君だ。
「こんばんは」
「おう」
京谷君も隣のブランコに腰掛ける。
中々話し出してくれず、ギコギコと錆びたブランコの音だけが響く。
「あのさ…………悪い」
いきなり謝罪をしてきた京谷君。
「……海行けそうにない」
「え、なんで」
「……赤点補習が夏休みにある」
「だからあれほど勉強しなよって言ったのに」
まあ、京谷君らしいと言えばらしい。
ちょっと残念だけど、また日を改めて遠出すればいい。
「代わりになるか分からねぇけど、冬になったら小型二輪の免許取る。そんで、お前を海に連れてく」
「それは嬉しいけど、部活と社会人チームの練習があって、自動車学校に通う余裕あるの?」
勉強が得意ではなさそうな京谷君は取り分け余裕がないと思うんだけど。
「……俺さ、部活行ってないんだ」
「……」
薄々勘づいていたことが確信に変わった。
やっぱりそうか。
「入学して早々部活の先輩に……そのヘタクソだとか、打ちにくいだとか言って……」
バレーに真剣だから、正直な性格だがら言っちゃったのかな。
だとしてもそれを口にするのは違うけど。
「しばらくは険悪な中でも部活行ってたけど、◯◯に映画に誘われた日、本当は部活があったけど、なんかどうでもよくなって初めてサボった」
どうしよう、私が京谷君をサボらせちゃったようだ。
「でも◯◯には感謝してる。そのおかげで社会人チームに入って、今はのびのびとバレーができてる」
「……」
「あの環境のままだと、本当にバレーが嫌いになって完全に辞めていたかもしれねぇ」
「私、本当に迷惑じゃなかった?」
「言ったろ、感謝してるって」
そう言って微笑んだ京谷君はすっきりとした表情をしていた。
そんな表情を見て、私も安堵した。
今まで心苦しかったんだね。
「だから…………さ」
「うん?」
まだ何かあるのかな?
先程とは打って変わって、どことなく緊張しているように見えた。
「こんな俺だけど、これからも側にいて欲しい」
「京谷君、それって……」
「………これ以上言わせんな」
ほら帰るぞ、と私の手を強く握ってくれた京谷君。
ああ、本当に不器用なんだから。
「私、離さないからね?」
そう言って私も強く手を握り返した。
「やっぱり変なやつ」
暗くて京谷君の顔は見えなかったけど、耳を赤くした姿が想像できた。