ダサいふたり
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〜ダサいふたり〜
放課後の教室。
今日も1日授業を頑張った。
帰り支度をしていると、不意に自分の名前を呼ばれた。
「●●ちゃん!」
振り返ると、教室の入り口に長谷君が立っていた。
長谷君は学年の人気者で、スラリと背が高く、誰にでも分け隔てなく話し掛けてくれる、いわゆる“イケメン”だ。
「どうしたの、長谷君?」
そんな彼と私の共通点は委員会が同じこと。
だから、てっきりその話かと思っていた。
それなのに、彼の口からは私の想像を超える言葉が出てきた。
「今度の日曜日、空いてる?ちょっと遊びに行かない?」
頭が真っ白になる。
一瞬、私の聞き間違いか、あるいは誰かと間違えているのかと思った。
意味がうまく理解できないまま、間抜けな声が出る。
「え、私?」
自分を指差すような顔で確認すると、長谷君は微笑みながら、こちらを見つめて頷いた。
「うん」
未だに信じられない気持ちでいっぱいだ。
長谷君が……私と?
夢でも見ているような気分になる。
「……あ!委員会のみんなと?」
ほっとしたい気持ちもあって聞き返してしまう。
それなのに、
「違うよ。俺と●●ちゃんの2人で。もっと仲良くなりたいなと思って。お茶とかどうかな?」
そんな真っ直ぐな好意を向けられたら断れない。
「……わ、分かった」
小さな声で答えると、長谷君は安心したように笑って、
「楽しみにしてるね」
と言い、教室から出ていった。
取り残された私は、現実味のないまま教室の真ん中で立ち尽くす。
あの長谷君が、私をデートに誘っただなんて。
頭は混乱しているのに、胸だけは妙に高鳴っていた。
嬉しさ、戸惑い、恥ずかしさ、いろんな感情が押し寄せて、どうすればいいのか分からない。
少しして、ようやく我に返り、ゆっくりと深呼吸をして帰りの支度を再開した。
校舎を出ると、空はすっかり茜色。
帰り道、家の近くの並木道を歩きながら、ふと思った。
デートに誘われたのは嬉しいけれど、可愛い服を1着も持っていない。
学校は制服だし、家では中学の時の体操服を着潰している。
友達とはそもそも勉強が忙しく遊びに行かない。
せめて長谷君との日曜日までに、なんとかしないと。
土曜日、街へ服を買いに行こう。
そんな決意を胸に、帰路をたどった。
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