ダサいふたり
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目を伏せながら歩いていたせいか、曲がり角で誰かとぶつかってしまった。
「きゃっ!」
「うおっ!」
思いきり尻もちをついてしまい、せっかく買ったばかりの服を汚してしまった。
服の汚れをパタパタ払い、なんとか立ち上がる。
「◯◯さん……?」
「せ、瀬見君……」
目の前にいたのは同じクラスの瀬見君だった。
部活が休みなのか、初めて見る私服姿。
それにしても、今日はやたら同級生に会う日だ。
気まずさのあまり視線を外す。
それなのに、
「◯◯さん、なんか泣いてない?目、真っ赤だよ」
見られてしまった。
「き、気のせいだよ!」
慌てて顔を手で隠すけれど、瀬見君が腕をそっと掴んできて、それを制する。
「んなワケねぇだろ。やっぱり泣いてた」
何も言い返せなくて、唇を噛んだ。
すると、
「ちょっとこっち」
そう言って、抵抗する暇もなくぐいっと人通りの少ない道に連れて行かれる。
「その顔じゃ、帰れないんじゃないのか?」
「……」
否定もできず、胸がまた苦しくなる。
だけど、瀬見君は私の沈黙を責めず、ただ優しい声をかけてくれた。
「落ち着くまで側にいてやるから」
「ありがとう……」
涙をこらえながら、なんとか笑ってみせる。
しばらくして、落ち着いた頃。
「んで、なんで泣いてたんだ?」
瀬見君は確信のついた質問をしてきた。
「────から……」
声が震えて、掠れた声しか出ない。
「なに?悪 ぃ、聞こえなかった」
「……私の格好がダサいから!」
思ったより大きな声が出て、自分でも驚いた。
瀬見君は一瞬呆けたような顔をしている。
「そんなことかよ。好きな服着ればいいじゃん。俺だって天童によく服ダサいって言われるぞ?」
苦笑い交じりに言う瀬見君の言葉は、なんだか説得力がある。
よく見ると、彼もなかなか個性的な服を着ていた。
私が人の服装にとやかく言える立場じゃないけど。
そう思っていると、瀬見君はちょっと照れくさそうに頬を掻いて、
「それに、◯◯さんの今の服は似合ってんぞ?」
「この服、着たい服じゃない……」
「へ?」
瀬見君がきょとんと首を傾げる。
私は少しだけ勇気を出して理由を説明した。
「……店員さんの押しに負けて無理やり……」
自信なさげに呟く私に、瀬見君はすぐに提案してくれた。
「なら、返品行くか?俺も付き合うし。だけど、本当に似合うと思うんだけどなー」
その言葉は、店員さんと同じ言葉なのに、なぜか心に響いた。
きっと本心なんだろう。
それなら、私もその気持ちに応えたい。
「瀬見君が似合うって言ってくれるから、好きになれそう」
「す、す、す、好き?!」
瀬見君が思わず声を裏返す。
私は少し笑って、言い直した。
「うん、この服、好きになれそう」
「あー……なんだ、服か……そっかそっか……」
安心したように息をつく瀬見君。
その照れ隠しの仕草が、なんだか可愛く感じた。
私よりも格段に背の高い男性なのにね。
「じゃあ、せっかくだし、このまま俺とデートしませんか?」
瀬見君が、少し気遣うように声をかけてくる。
「え、でも……私、泣いた後で、目が赤いし……」
「それならどこかでサングラスでも買うか?1人で掛けるのが嫌なら俺も掛けるし」
どう見てもお互いの服装にサングラスは似合わない。
だけど、瀬見君と一緒なら似合う似合わないなんて関係ないのかもしれない。
無言で頷くと、
「よし!決まり」
瀬見君は力強く私の腕を引っ張った。
ーーFinーー
「きゃっ!」
「うおっ!」
思いきり尻もちをついてしまい、せっかく買ったばかりの服を汚してしまった。
服の汚れをパタパタ払い、なんとか立ち上がる。
「◯◯さん……?」
「せ、瀬見君……」
目の前にいたのは同じクラスの瀬見君だった。
部活が休みなのか、初めて見る私服姿。
それにしても、今日はやたら同級生に会う日だ。
気まずさのあまり視線を外す。
それなのに、
「◯◯さん、なんか泣いてない?目、真っ赤だよ」
見られてしまった。
「き、気のせいだよ!」
慌てて顔を手で隠すけれど、瀬見君が腕をそっと掴んできて、それを制する。
「んなワケねぇだろ。やっぱり泣いてた」
何も言い返せなくて、唇を噛んだ。
すると、
「ちょっとこっち」
そう言って、抵抗する暇もなくぐいっと人通りの少ない道に連れて行かれる。
「その顔じゃ、帰れないんじゃないのか?」
「……」
否定もできず、胸がまた苦しくなる。
だけど、瀬見君は私の沈黙を責めず、ただ優しい声をかけてくれた。
「落ち着くまで側にいてやるから」
「ありがとう……」
涙をこらえながら、なんとか笑ってみせる。
しばらくして、落ち着いた頃。
「んで、なんで泣いてたんだ?」
瀬見君は確信のついた質問をしてきた。
「────から……」
声が震えて、掠れた声しか出ない。
「なに?
「……私の格好がダサいから!」
思ったより大きな声が出て、自分でも驚いた。
瀬見君は一瞬呆けたような顔をしている。
「そんなことかよ。好きな服着ればいいじゃん。俺だって天童によく服ダサいって言われるぞ?」
苦笑い交じりに言う瀬見君の言葉は、なんだか説得力がある。
よく見ると、彼もなかなか個性的な服を着ていた。
私が人の服装にとやかく言える立場じゃないけど。
そう思っていると、瀬見君はちょっと照れくさそうに頬を掻いて、
「それに、◯◯さんの今の服は似合ってんぞ?」
「この服、着たい服じゃない……」
「へ?」
瀬見君がきょとんと首を傾げる。
私は少しだけ勇気を出して理由を説明した。
「……店員さんの押しに負けて無理やり……」
自信なさげに呟く私に、瀬見君はすぐに提案してくれた。
「なら、返品行くか?俺も付き合うし。だけど、本当に似合うと思うんだけどなー」
その言葉は、店員さんと同じ言葉なのに、なぜか心に響いた。
きっと本心なんだろう。
それなら、私もその気持ちに応えたい。
「瀬見君が似合うって言ってくれるから、好きになれそう」
「す、す、す、好き?!」
瀬見君が思わず声を裏返す。
私は少し笑って、言い直した。
「うん、この服、好きになれそう」
「あー……なんだ、服か……そっかそっか……」
安心したように息をつく瀬見君。
その照れ隠しの仕草が、なんだか可愛く感じた。
私よりも格段に背の高い男性なのにね。
「じゃあ、せっかくだし、このまま俺とデートしませんか?」
瀬見君が、少し気遣うように声をかけてくる。
「え、でも……私、泣いた後で、目が赤いし……」
「それならどこかでサングラスでも買うか?1人で掛けるのが嫌なら俺も掛けるし」
どう見てもお互いの服装にサングラスは似合わない。
だけど、瀬見君と一緒なら似合う似合わないなんて関係ないのかもしれない。
無言で頷くと、
「よし!決まり」
瀬見君は力強く私の腕を引っ張った。
ーーFinーー
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