〜第一章〜 笑いと食と恋愛と
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雑用で荷物を備品庫へ運んでいる途中のこと。
「◯◯さん、運ぶの手伝いますよ」
「え、でも」
中途入社した原田君に荷物を無理やり取られた。
そんなに重くないんだけど。
「◯◯さんはか弱く見えるので、もっと頼ってください」
善意で言ってくれているのだろうけれど、か弱くないし。
私だって入社したてはこんなにも不健康そうな見た目ではなかった。
ただ、こうも荷物を運んでもらうと、男性社員に色目を使っていると女性陣から反感を買うかもしれない。
なんとかしないと。
やっぱりご飯を食べないといけないかな。
福永さんにも言われたし。
ーーーー
今日は一段と体調が悪かった。
視界が暗くなったり、心臓がキュッと痛くなったり。
少し休憩をすれば治まったので、騙し騙し仕事をこなした。
終業後フラフラになりながら帰宅し、家に入った途端体から力が抜けるように崩れ落ちた。
これ、ヤバいやつだ。
救急車を呼べばいいものの、何故か私は福永さんに連絡をしていた。
最後の力を振り絞り、位置情報を送信し意識を手放した。
ーーーー
「気が付いた」
「あれ、福永さん。なんで……」
「まだ起きないで」
私はベッドに寝かされていた。
そうか、送った位置情報を頼りに来てくれたのか。
アパートだけど表札を付けておいてよかった。
鍵は……掛ける間もなく倒れたんだっけ。
「貧血だね」
「すみません……」
体調管理をしないと、と思った矢先にこれだ。
もう少し早く対処していれば福永さんに迷惑をかけずに済んだのに。
……あれ、キッチンの方からいい匂いが。
福永さんは立ち上がりキッチンの方へ向かったと思ったら、小さな鍋を持ってきた。
「雑炊作った」
鍋は家にあった物だけど、材料なんて何もなかったはず。
「そなたの米だ。どんどん食え」
いや、私の米じゃない……あれ、このフレーズって。
昔見た有名なアニメ映画のセリフだ。
「ふふっ」
まさかこのセリフを言われる日が来るとは。
雑炊はとても優しい味がした。
「◯◯さん、運ぶの手伝いますよ」
「え、でも」
中途入社した原田君に荷物を無理やり取られた。
そんなに重くないんだけど。
「◯◯さんはか弱く見えるので、もっと頼ってください」
善意で言ってくれているのだろうけれど、か弱くないし。
私だって入社したてはこんなにも不健康そうな見た目ではなかった。
ただ、こうも荷物を運んでもらうと、男性社員に色目を使っていると女性陣から反感を買うかもしれない。
なんとかしないと。
やっぱりご飯を食べないといけないかな。
福永さんにも言われたし。
ーーーー
今日は一段と体調が悪かった。
視界が暗くなったり、心臓がキュッと痛くなったり。
少し休憩をすれば治まったので、騙し騙し仕事をこなした。
終業後フラフラになりながら帰宅し、家に入った途端体から力が抜けるように崩れ落ちた。
これ、ヤバいやつだ。
救急車を呼べばいいものの、何故か私は福永さんに連絡をしていた。
最後の力を振り絞り、位置情報を送信し意識を手放した。
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「気が付いた」
「あれ、福永さん。なんで……」
「まだ起きないで」
私はベッドに寝かされていた。
そうか、送った位置情報を頼りに来てくれたのか。
アパートだけど表札を付けておいてよかった。
鍵は……掛ける間もなく倒れたんだっけ。
「貧血だね」
「すみません……」
体調管理をしないと、と思った矢先にこれだ。
もう少し早く対処していれば福永さんに迷惑をかけずに済んだのに。
……あれ、キッチンの方からいい匂いが。
福永さんは立ち上がりキッチンの方へ向かったと思ったら、小さな鍋を持ってきた。
「雑炊作った」
鍋は家にあった物だけど、材料なんて何もなかったはず。
「そなたの米だ。どんどん食え」
いや、私の米じゃない……あれ、このフレーズって。
昔見た有名なアニメ映画のセリフだ。
「ふふっ」
まさかこのセリフを言われる日が来るとは。
雑炊はとても優しい味がした。