〜第二章〜 笑いと食と結婚と
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~第二章〜 笑いと食と結婚と
「◯◯さん、まだあのヒモと付き合っているんですか?早く別れた方がいいですって」
「そんな言い方しないて下さい」
招平君と同棲して早半年。
同僚からは売れていないお笑い芸人はヒモだからやめておけ、とよく言われる。
だけど、私からしたら家事全般をしてもらっているので助かっている。
むしろ家政婦扱いしていると彼に思われていないか心配するほどに。
退社するときに捕まった同僚をいなし、うんざりしながら帰宅した。
「ただいまー」
家のドアを開けると、ふわっと漂ってきた良い匂い。
今日の晩ご飯はなんだろうか。
パンプスを脱いでいると、遅ればせながらエプロン姿にお玉を持った招平君が出迎えてくれた。
「おかえりーいとしのエリー」
「エリーって誰よ」
「え?」
「え?」
もしかして、今のってギャグだった?
招平君は面白いのだけれど、堅物の私にはときたま理解出来ないときがあって、申し訳なくなる。
「ご、ごめんね」
「大丈夫」
招平君はおか″えり″といとしの″エリー″は分かりにくかったか、とブツブツ言いながらリビングへ行った。
私も招平君に続いてリビングに行くと、テーブルには二人分のご飯が配膳されていた。
「先に食べていてくれてよかったのに」
今日は残業して帰りが遅かったのに、食べずに待っていてくれたみたい。
「一緒に食べたかったから」
何て言う招平君。
そう言うところも好き。
「着替えてくるね」
自室に行き、綺麗に畳まれて置いてあった部屋着を手に取った。
もちろん私が畳んだのではなく、招平君が洗濯して畳んでくれたもの。
袖を通すと柔軟剤の良い匂いがした。
着替え終わり、食卓に座るとご飯が温められていた。
「いただきます」
手を合わせて最初に味噌汁を啜った。心温まる。
招平君の作るご飯は全部美味しい。
「いつもありがとね」
「うん」
素っ気なく見えるけど、これが私たちの日常。