未熟な恋
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ーーおまけ(黒尾side)ーー
視線の先には、クラスの輪の中で卒業アルバムに寄せ書きを書き合っている●●が見える。
卒業式の数ヶ月前、俺たちは別れた。
理由は未熟だったから。
……これで終わりでいいのかよ、俺。
ただ、今さら「やり直そう」なんて、どの面下げて言える。
今の俺はまだ、彼女を幸せにする余裕も自信もない。
だけど、引き下がるほど潔くもない。
「おい、黒尾!ここにメッセージ書いてくんね?」
「あ、私のにもお願い!」
「おー……了解」
回ってきた友人の卒業アルバムに、当たり障りのない激励を書き込む。
ふと、1つの計画が頭をよぎった。
「はい、書けたぞ」
「サンキュー!」
友人にアルバムを返すと、俺は迷いを振り切るように立ち上がった。
騒がしい人混みを縫うようにして、彼女の元へ歩を進める。
「なあ、●●。俺も寄せ書き書いてやるよ」
手の中で油性ペンを1本、クルクルと回しながら声をかけた。
「えっ、ちょっと、鉄朗……!?」
驚きに目を見開く彼女。
俺は彼女の反応を待たず、ひょいと手元からアルバムを奪い取った。
パラパラと捲った一番最後の、寄せ書きのページ。
そこには既に、友人たちからの「ずっと友達」「また遊ぼう」なんていう、キラキラした言葉が並んでいた。
俺は、その隅っこではなく、あえて空白が目立つ場所を選んだ。
そして、自分でも驚くほど迷いのない筆致で文字を刻み込む。
“20××年4月×日15時 音駒高校の正門に集合”
忘れ去られるかもしれない。
無視されるかもしれない。
それでもいい。
だけど、数年後のこの日。
もし、彼女が正門の前に立っていたら。
もし、お互いに独り身だったら。
もし、お互いがもっと成長していたら。
その時は、今度こそ大人の恋愛をしよう。
これは俺の賭けだ。
視線の先には、クラスの輪の中で卒業アルバムに寄せ書きを書き合っている●●が見える。
卒業式の数ヶ月前、俺たちは別れた。
理由は未熟だったから。
……これで終わりでいいのかよ、俺。
ただ、今さら「やり直そう」なんて、どの面下げて言える。
今の俺はまだ、彼女を幸せにする余裕も自信もない。
だけど、引き下がるほど潔くもない。
「おい、黒尾!ここにメッセージ書いてくんね?」
「あ、私のにもお願い!」
「おー……了解」
回ってきた友人の卒業アルバムに、当たり障りのない激励を書き込む。
ふと、1つの計画が頭をよぎった。
「はい、書けたぞ」
「サンキュー!」
友人にアルバムを返すと、俺は迷いを振り切るように立ち上がった。
騒がしい人混みを縫うようにして、彼女の元へ歩を進める。
「なあ、●●。俺も寄せ書き書いてやるよ」
手の中で油性ペンを1本、クルクルと回しながら声をかけた。
「えっ、ちょっと、鉄朗……!?」
驚きに目を見開く彼女。
俺は彼女の反応を待たず、ひょいと手元からアルバムを奪い取った。
パラパラと捲った一番最後の、寄せ書きのページ。
そこには既に、友人たちからの「ずっと友達」「また遊ぼう」なんていう、キラキラした言葉が並んでいた。
俺は、その隅っこではなく、あえて空白が目立つ場所を選んだ。
そして、自分でも驚くほど迷いのない筆致で文字を刻み込む。
“20××年4月×日15時 音駒高校の正門に集合”
忘れ去られるかもしれない。
無視されるかもしれない。
それでもいい。
だけど、数年後のこの日。
もし、彼女が正門の前に立っていたら。
もし、お互いに独り身だったら。
もし、お互いがもっと成長していたら。
その時は、今度こそ大人の恋愛をしよう。
これは俺の賭けだ。
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