最低最善の恋人
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ーーおまけーー
私たちは、帰りのバスを待つ間も、まるで失くした時間を埋めるように、手を繋いだままだった。
仮面を脱ぎ捨てた私は、もう“黒尾君”なんて、取り繕った呼び方をしない。
「ねえ、鉄朗」
「ん?」
彼は穏やかな声で応じる。
「俺のことをずっと忘れないでいてくれて嬉しかったって言ってたけど、私の方こそ、ずっと好きでいてくれてありがとう」
鉄朗は目を見開いた後、優しい笑顔を浮かべた。
「どういたしまして……って言えばいいのかな?」
彼がくしゃりと笑うと、私もつられて笑みがこぼれる。
「ふふふ。それにしても、太っていた時、私を女の子として好きだなんて、よく言えたよね」
「あれは嘘じゃないさ。正直、見た目とかどうでもよかった。ただ、●●ちゃんが俺のチームに入るだけで、周りが明るくなる気がしたから」
周りが明るくなる、なんて……。
あの頃は、鈍臭い私を見て、周りが嘲笑っているのだと思っていたのに、鉄朗にはそんなふうに見えていただなんて。
少し複雑な気持ちでいると、鉄朗は言葉を続けた。
「それにさ」
彼は少し真面目な顔になって、私の目を見た。
「何事にも一生懸命に頑張っている子は、輝いて見えるもんだよ。俺はそこに惹かれた」
「な、何それ!?」
「芯の強さってやつ?」
ラウンジで尋ねた鉄朗の好きな女の子の好み。
あの時、芯が強い子と答えた彼の言葉は、最初から私のことを言っていたんだ。
それに気付いた瞬間、顔が赤くなるのが分かった。
「あ、●●ちゃん照れてる〜」
鉄朗は、イタズラっぽい笑みを浮かべ、私の頬を指先でそっとつつく。
「か、からかわないでよ!……でも、ありがとう。私、やっぱり鉄朗のことが好きだな〜」
恥ずかしさを誤魔化すように言った私の言葉に、鉄朗はふたたび優しい笑みを浮かべた。
「俺も、●●ちゃんが好き」
そこまで話をしたところで、バスが停留所に滑り込んできた。
私たちは立ち上がり、バスに乗り込んだ。
その間も、私たちはお互いの手を強く握りしめたまま。
もう、二度と離さないと誓うように、固く、固く。
私たちは、帰りのバスを待つ間も、まるで失くした時間を埋めるように、手を繋いだままだった。
仮面を脱ぎ捨てた私は、もう“黒尾君”なんて、取り繕った呼び方をしない。
「ねえ、鉄朗」
「ん?」
彼は穏やかな声で応じる。
「俺のことをずっと忘れないでいてくれて嬉しかったって言ってたけど、私の方こそ、ずっと好きでいてくれてありがとう」
鉄朗は目を見開いた後、優しい笑顔を浮かべた。
「どういたしまして……って言えばいいのかな?」
彼がくしゃりと笑うと、私もつられて笑みがこぼれる。
「ふふふ。それにしても、太っていた時、私を女の子として好きだなんて、よく言えたよね」
「あれは嘘じゃないさ。正直、見た目とかどうでもよかった。ただ、●●ちゃんが俺のチームに入るだけで、周りが明るくなる気がしたから」
周りが明るくなる、なんて……。
あの頃は、鈍臭い私を見て、周りが嘲笑っているのだと思っていたのに、鉄朗にはそんなふうに見えていただなんて。
少し複雑な気持ちでいると、鉄朗は言葉を続けた。
「それにさ」
彼は少し真面目な顔になって、私の目を見た。
「何事にも一生懸命に頑張っている子は、輝いて見えるもんだよ。俺はそこに惹かれた」
「な、何それ!?」
「芯の強さってやつ?」
ラウンジで尋ねた鉄朗の好きな女の子の好み。
あの時、芯が強い子と答えた彼の言葉は、最初から私のことを言っていたんだ。
それに気付いた瞬間、顔が赤くなるのが分かった。
「あ、●●ちゃん照れてる〜」
鉄朗は、イタズラっぽい笑みを浮かべ、私の頬を指先でそっとつつく。
「か、からかわないでよ!……でも、ありがとう。私、やっぱり鉄朗のことが好きだな〜」
恥ずかしさを誤魔化すように言った私の言葉に、鉄朗はふたたび優しい笑みを浮かべた。
「俺も、●●ちゃんが好き」
そこまで話をしたところで、バスが停留所に滑り込んできた。
私たちは立ち上がり、バスに乗り込んだ。
その間も、私たちはお互いの手を強く握りしめたまま。
もう、二度と離さないと誓うように、固く、固く。
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