最低最善の恋人
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友達になったあの日から、私は、何かと彼に絡むようになった。
それは、恋心を抱いた少女の無邪気なアプローチに見えるように、細心の注意を払って。
彼の取っている講義を調べ、偶然を装って食堂やキャンパス内で出会った。
「あれ、黒尾君もこの講義取ってたんだね」
そう言って、私は最高の無邪気な笑顔を浮かべる。
以前の私なら、憎悪で上手く笑えていなかっただろう。
だけど、今は違う。
私の笑顔は、完璧な仮面だ。
鉄朗は、いつも屈託なく笑い返す。
「おっ、●●ちゃんじゃん!」
「講義、難しかったね〜」
「それならさ、さっき出たレポート、よかったら一緒にやらない?」
「いいの?大変そうだったから助かる」
彼は常に優しく、私が困っているとすぐに手を差し伸べてくれる。
昔と変わらないその優しさが、私の憎悪をさらに強めた。
この偽りの優しさが、私を深く傷つけたのだ。
……。
…………。
ラウンジでレポートを進めながらも、私は彼の好む女性のタイプを、それとなく探り始めた。
「黒尾君はさ、どんな女の子がタイプなの?」
私はパソコンを打つ手を止めて、わざと上目遣いでそう尋ねた。
鉄朗は立ち止まり、頭の後ろで腕を組んで、悩むフリをした。
「うーん……そうだなぁ。芯が強い子かな。あとは、笑顔が可愛い子」
「見た目は?」
「見た目は気にしないよ。太ってても、痩せていても」
「へえ〜……。そうなんだ」
私は内心動揺しながらも、平然を装って相槌を打った。
白々しく、よくそんなことが言えたものだ。
素直にデブは嫌いだと言えばいいものを。
それとも、この7年で好みが変わったのだろうか。
いや、そんなはずはない。
そんなことが、あっていいはずがない。
でなければ、何のために私はダイエットを頑張ったんだ。
奥歯を食いしばりたい思いを堪えていると、彼がこちらに顔を向けた。
「逆に●●ちゃんは、どんな男が好み?」
「私……?」
突然の逆質問に、私の頭は真っ白になる。
鉄朗と別れてからの7年間、恋愛どころではなかった。
自分に自信が持てるようになったのも、ここ最近の話。
だから、好きなタイプと言われても、パッと出てこなかった。
「う〜ん」
腕を組みながら考えると、1人の男性像が思い浮かんだ。
人を見た目で判断せず、困っている人がいたら迷わず手を差し出せる人。
「私は……ぁっ」
それを口に出そうとしたら、気が付いた。
この特徴は、私に告白してくれた頃の鉄朗そのものだったから。
「私は……何?」
話の途中で口を閉じた私を不思議がり、鉄朗は聞き返してきた。
私は慌てて頭を回転させ、無難な回答を答えた。
「私も笑顔が素敵な人、かな」
「おっ、気が合うね!」
彼は楽しそうに笑い、レポートに目を戻した。
この1つの特徴をひねり出すまでに、どれほどの辛い過去を思い出したことか。
その日はレポートを完成させて、すぐに解散となった。
それは、恋心を抱いた少女の無邪気なアプローチに見えるように、細心の注意を払って。
彼の取っている講義を調べ、偶然を装って食堂やキャンパス内で出会った。
「あれ、黒尾君もこの講義取ってたんだね」
そう言って、私は最高の無邪気な笑顔を浮かべる。
以前の私なら、憎悪で上手く笑えていなかっただろう。
だけど、今は違う。
私の笑顔は、完璧な仮面だ。
鉄朗は、いつも屈託なく笑い返す。
「おっ、●●ちゃんじゃん!」
「講義、難しかったね〜」
「それならさ、さっき出たレポート、よかったら一緒にやらない?」
「いいの?大変そうだったから助かる」
彼は常に優しく、私が困っているとすぐに手を差し伸べてくれる。
昔と変わらないその優しさが、私の憎悪をさらに強めた。
この偽りの優しさが、私を深く傷つけたのだ。
……。
…………。
ラウンジでレポートを進めながらも、私は彼の好む女性のタイプを、それとなく探り始めた。
「黒尾君はさ、どんな女の子がタイプなの?」
私はパソコンを打つ手を止めて、わざと上目遣いでそう尋ねた。
鉄朗は立ち止まり、頭の後ろで腕を組んで、悩むフリをした。
「うーん……そうだなぁ。芯が強い子かな。あとは、笑顔が可愛い子」
「見た目は?」
「見た目は気にしないよ。太ってても、痩せていても」
「へえ〜……。そうなんだ」
私は内心動揺しながらも、平然を装って相槌を打った。
白々しく、よくそんなことが言えたものだ。
素直にデブは嫌いだと言えばいいものを。
それとも、この7年で好みが変わったのだろうか。
いや、そんなはずはない。
そんなことが、あっていいはずがない。
でなければ、何のために私はダイエットを頑張ったんだ。
奥歯を食いしばりたい思いを堪えていると、彼がこちらに顔を向けた。
「逆に●●ちゃんは、どんな男が好み?」
「私……?」
突然の逆質問に、私の頭は真っ白になる。
鉄朗と別れてからの7年間、恋愛どころではなかった。
自分に自信が持てるようになったのも、ここ最近の話。
だから、好きなタイプと言われても、パッと出てこなかった。
「う〜ん」
腕を組みながら考えると、1人の男性像が思い浮かんだ。
人を見た目で判断せず、困っている人がいたら迷わず手を差し出せる人。
「私は……ぁっ」
それを口に出そうとしたら、気が付いた。
この特徴は、私に告白してくれた頃の鉄朗そのものだったから。
「私は……何?」
話の途中で口を閉じた私を不思議がり、鉄朗は聞き返してきた。
私は慌てて頭を回転させ、無難な回答を答えた。
「私も笑顔が素敵な人、かな」
「おっ、気が合うね!」
彼は楽しそうに笑い、レポートに目を戻した。
この1つの特徴をひねり出すまでに、どれほどの辛い過去を思い出したことか。
その日はレポートを完成させて、すぐに解散となった。
