結局どんなキミも好き
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そして迎えた体育祭の本番。
運動場には各クラス事にテントが建てられ、その下に椅子が置かれた。
日焼け止めを塗りながら開会式の時間まで待機していると、
「おーす、●●ちゃん」
黒尾君がヘラヘラと挨拶をしてきた。
うん、今日も格好いい。
「おはよう」
「調子はどう?」
「日差しが強くて日焼けが心配なこと以外はいつも通りかな」
「あははっ、絶好調ってわけか。じゃあ俺はちょっくら夜久にも挨拶してこようかな」
黒尾君はそう言うと隣のクラスの待機所へと行ってしまった。
挨拶とか言いつつ、本当は夜久君のペアの子に会いに行ったんじゃないの?なんて勘ぐってしまう自分が嫌になる。
遠目から彼女を見ると、ミサちゃんに髪を結ってもらっていた。
可愛いポニーテール。
一方私は短くて直ぐに掻き分けられる髪の毛。
伸ばすつもりでいたけれど、やっぱり中途半端に伸びた髪は邪魔で、体育祭前に切ってしまった。
再び視線を彼女に向けると、黒尾君の方を向いていた。
もしかして、彼女も黒尾君のことが好きなの?
そうだとしたら、私なんか勝ち目がないじゃん。
落ち込んだ気分のまま開会式が始まった。
ーーーー
次々と競技が行われ、この玉入れが終われば私が出る男女混合二人三脚の番。
隣で気合い充分の黒尾君を見ていると、プレッシャーに苛まれそうになる。
練習では1番だった。
だから、大丈夫……。
そう暗示をかけようとしても、負けたときのことが頭を過ると無意識に手が震える。
そんな私の異変に気づいたのか、黒尾君が話しかけてくれた。
「●●ちゃん、もしかして緊張してる〜?リラックス、リラ〜ックス!」
「そんなこと言われても……」
簡単にリラックスできたら苦労しない。
「そうだ、ちょっと手を貸して」
「え?……はい」
言われるがまま手を前に出すと、黒尾君はおもむろに握ってきた。
「……っ!?」
驚いた私を他所に黒尾君は一呼吸置いてから呟き始めた。
「俺達は血液だ。滞り無く流れろ。酸素を回せ。“脳”が 正常に働くために」
えっ……え……?血液?酸素?
「ふふっ、何それ」
厨二病の様なセリフに、思わず笑ってしまった。
「俺が部長になったら試合前にこれを言いながら円陣組もうと思って、一生懸命考えたやつなんだ。笑うなよ」
「笑うなって言われても……あははっ……無理だよ。あーおかしい」
「緊張ほぐれた?」
「え?」
「少しでもほぐれたなら許す」
黒尾君……。
私の緊張をほぐすためにわざと厨ニ病のフリを?
ああ、やっぱり私はこの人が好きだな。
「お、前の競技終わった。ほら、行くぞ」
「うん!」
私の手の震えはすっかり収まっていた。
運動場には各クラス事にテントが建てられ、その下に椅子が置かれた。
日焼け止めを塗りながら開会式の時間まで待機していると、
「おーす、●●ちゃん」
黒尾君がヘラヘラと挨拶をしてきた。
うん、今日も格好いい。
「おはよう」
「調子はどう?」
「日差しが強くて日焼けが心配なこと以外はいつも通りかな」
「あははっ、絶好調ってわけか。じゃあ俺はちょっくら夜久にも挨拶してこようかな」
黒尾君はそう言うと隣のクラスの待機所へと行ってしまった。
挨拶とか言いつつ、本当は夜久君のペアの子に会いに行ったんじゃないの?なんて勘ぐってしまう自分が嫌になる。
遠目から彼女を見ると、ミサちゃんに髪を結ってもらっていた。
可愛いポニーテール。
一方私は短くて直ぐに掻き分けられる髪の毛。
伸ばすつもりでいたけれど、やっぱり中途半端に伸びた髪は邪魔で、体育祭前に切ってしまった。
再び視線を彼女に向けると、黒尾君の方を向いていた。
もしかして、彼女も黒尾君のことが好きなの?
そうだとしたら、私なんか勝ち目がないじゃん。
落ち込んだ気分のまま開会式が始まった。
ーーーー
次々と競技が行われ、この玉入れが終われば私が出る男女混合二人三脚の番。
隣で気合い充分の黒尾君を見ていると、プレッシャーに苛まれそうになる。
練習では1番だった。
だから、大丈夫……。
そう暗示をかけようとしても、負けたときのことが頭を過ると無意識に手が震える。
そんな私の異変に気づいたのか、黒尾君が話しかけてくれた。
「●●ちゃん、もしかして緊張してる〜?リラックス、リラ〜ックス!」
「そんなこと言われても……」
簡単にリラックスできたら苦労しない。
「そうだ、ちょっと手を貸して」
「え?……はい」
言われるがまま手を前に出すと、黒尾君はおもむろに握ってきた。
「……っ!?」
驚いた私を他所に黒尾君は一呼吸置いてから呟き始めた。
「俺達は血液だ。滞り無く流れろ。酸素を回せ。“脳”が 正常に働くために」
えっ……え……?血液?酸素?
「ふふっ、何それ」
厨二病の様なセリフに、思わず笑ってしまった。
「俺が部長になったら試合前にこれを言いながら円陣組もうと思って、一生懸命考えたやつなんだ。笑うなよ」
「笑うなって言われても……あははっ……無理だよ。あーおかしい」
「緊張ほぐれた?」
「え?」
「少しでもほぐれたなら許す」
黒尾君……。
私の緊張をほぐすためにわざと厨ニ病のフリを?
ああ、やっぱり私はこの人が好きだな。
「お、前の競技終わった。ほら、行くぞ」
「うん!」
私の手の震えはすっかり収まっていた。