結局どんなキミも好き
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体育祭、全体練習の日。
全校生徒が体操服に着替えて運動場へと集められた。
主に段取りや行進の練習と、一部の競技も本番さながらにやることになっている。
『選手宣誓……以下略。次に校長先生のお話……以下略』
司会担当が開会式の流れの実演をしていく。
略式とはいえ、周りを見るとあくびをしていたり、コソコソとお喋りをしており、まともに聞いている生徒は少なかった。
そんな退屈な実演が終われば競技の予行練習に入る。
初めて他の人と並んで走る二人三脚。
黒尾君とはお互い部活が忙しくて短い放課時間でしか練習時間を取れなかったけれど、初めに彼が言った通り息は合っていると思う。
二人三脚参加選手の列に並ぶと係の人から足に結ぶ用のリボンを手渡された。
「黒尾君、リボン結ぶから足出して?」
「おう、頼む」
相変わらず大きな足。
背が高いと足も大きくなるのか。
そんなことを考えながら結んでいると、黒尾君は隣の選手に話しかけていた。
「おやおやおや〜。まさか夜久と同じレーンとか。余裕で勝っちゃうな〜」
どうやら隣は夜久君のようだ。
そしてペアは髪の長い女の子。
以前、ミサちゃんに会いに行ったときに喋っていた子だ。
きっとこういう子が黒尾君の好みの子なんだろうな、と思った。
「舐めんなよ。こっちは息ぴったりなんだからな!」
「はっ、ぴったりなのは息じゃなくて身長なのでは?」
「そっちは凸凹コンビだな!」
「俺の身長が高いもんで、すみませんね〜」
ところで、いつまでこの言い合いが続くのだろうか。
そろそろ順番だし、止めに入っろうとしたとき、
「そこ!いつまでも喋ってないで位置につきなさい!」
先生に注意をされてしまった。
なんだか巻き沿いを食らった気分。
「ほら黒尾君、行くよ?」
「ああ」
白線を出ないように足を出し、静かにスタートの合図を待つ。
最初は左足から……左足から……。
「位置について、よーい…………」
パアアァァンッ
雷管ピストルが発砲音を響かせた。
「いっちに、いっちに」
スタートダッシュを決め、1位を走り抜ける。
それもこれも黒尾君が私に合わせてくれるおかげ。
身長差なんて感じさせない。
順調に走っていると、後ろからドサッと音がした。
誰かが転んだのだろうか。
だけど振り返る暇などなく、私たちは一番にゴールをした。
「いぇーい!!」
黒尾君が両手を前に出してきた。
これはハイタッチをしようということなのか。
「い、いえーい……」
控えめに手を合わせた。
「余裕だったな!この調子なら本番も優勝間違いなし!」
「黒尾君のおかげだよ」
「いやいや、俺らの相性のおかげ!」
この相性と言うのは恋愛の相性ではなく、二人三脚の相性のこと。
分かって入るけど、恋愛の相性もぴっりならいいのに。
そんな考えのせいで予行練習で1番を穫れたのに、どこか浮かない表情を浮かべてしまった。
全校生徒が体操服に着替えて運動場へと集められた。
主に段取りや行進の練習と、一部の競技も本番さながらにやることになっている。
『選手宣誓……以下略。次に校長先生のお話……以下略』
司会担当が開会式の流れの実演をしていく。
略式とはいえ、周りを見るとあくびをしていたり、コソコソとお喋りをしており、まともに聞いている生徒は少なかった。
そんな退屈な実演が終われば競技の予行練習に入る。
初めて他の人と並んで走る二人三脚。
黒尾君とはお互い部活が忙しくて短い放課時間でしか練習時間を取れなかったけれど、初めに彼が言った通り息は合っていると思う。
二人三脚参加選手の列に並ぶと係の人から足に結ぶ用のリボンを手渡された。
「黒尾君、リボン結ぶから足出して?」
「おう、頼む」
相変わらず大きな足。
背が高いと足も大きくなるのか。
そんなことを考えながら結んでいると、黒尾君は隣の選手に話しかけていた。
「おやおやおや〜。まさか夜久と同じレーンとか。余裕で勝っちゃうな〜」
どうやら隣は夜久君のようだ。
そしてペアは髪の長い女の子。
以前、ミサちゃんに会いに行ったときに喋っていた子だ。
きっとこういう子が黒尾君の好みの子なんだろうな、と思った。
「舐めんなよ。こっちは息ぴったりなんだからな!」
「はっ、ぴったりなのは息じゃなくて身長なのでは?」
「そっちは凸凹コンビだな!」
「俺の身長が高いもんで、すみませんね〜」
ところで、いつまでこの言い合いが続くのだろうか。
そろそろ順番だし、止めに入っろうとしたとき、
「そこ!いつまでも喋ってないで位置につきなさい!」
先生に注意をされてしまった。
なんだか巻き沿いを食らった気分。
「ほら黒尾君、行くよ?」
「ああ」
白線を出ないように足を出し、静かにスタートの合図を待つ。
最初は左足から……左足から……。
「位置について、よーい…………」
パアアァァンッ
雷管ピストルが発砲音を響かせた。
「いっちに、いっちに」
スタートダッシュを決め、1位を走り抜ける。
それもこれも黒尾君が私に合わせてくれるおかげ。
身長差なんて感じさせない。
順調に走っていると、後ろからドサッと音がした。
誰かが転んだのだろうか。
だけど振り返る暇などなく、私たちは一番にゴールをした。
「いぇーい!!」
黒尾君が両手を前に出してきた。
これはハイタッチをしようということなのか。
「い、いえーい……」
控えめに手を合わせた。
「余裕だったな!この調子なら本番も優勝間違いなし!」
「黒尾君のおかげだよ」
「いやいや、俺らの相性のおかげ!」
この相性と言うのは恋愛の相性ではなく、二人三脚の相性のこと。
分かって入るけど、恋愛の相性もぴっりならいいのに。
そんな考えのせいで予行練習で1番を穫れたのに、どこか浮かない表情を浮かべてしまった。