マグロの呪い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
懸念していたことがついに起きてしまった。
残業で鉄朗とのいつもの約束をキャンセルした日のこと。
夜ご飯を作るのも面倒になって簡単に済ませようとコンビニに向かっていると、見覚えのある人が高級そうな飲食店から出てきた。
鉄朗の腕を組んでいる美人なお姉さん。
楽しそうにお喋りをしている。
胸がきゅっと痛くなった。
この光景を見たとき、自分がどうなるか答えが分からないなんて言ったけど、あんなの嘘だ。
素直に送り出せないし、気丈に振る舞うこともできない。
だけど、心のうちを隠して接することは大人になるにつれて得意になっていくわけで。
それは仕事面でも恋愛面でも変わらない。
明日、鉄朗に言わないと。
もうこの関係を終わりにしようって。
いつもの幼馴染みに戻ろうって。
これ以上鉄朗のことを好きになる前に。
ーーーー
私の覚悟も露知らず、鉄朗はいつものように部屋へ招いてくれた。
「お邪魔します」
「何飲む?」
「いらない」
部屋に来たはいいが、先ほどの返答と一向に座らない私を見てやっと異変に気付いた鉄朗。
「何かあったのか?」
「もう鉄朗とはこの関係やめる」
「理由を聞いてもいいか?」
「だって………こんな中途半端な関係って、やっぱり可笑しいし、なんか………虚しいから」
私が鉄朗を縛り付けていると、鉄朗が思いっきり次の恋愛に挑めない。
昨日見かけた美人さん、絶対に鉄朗に気がある。
あの人誰?どういう関係?問い詰めたいけど、私に聞く権利はない。
そんなモヤモヤを抱えたままこの関係を続けるのはツラい。
そしてなにより、
「私が鉄朗のこと好きになっちゃうから」
彼は私とセフレの関係を求めているのは、そこに恋だの愛だのを挟みたくないからだ。
「はあ~」
だけど、鉄朗をは大きなため息を吐き、頭をくしゃくしゃと掻いた。
「あのな、俺がメリット、デメリット関係なく善意で●●のマグロを直そうとしているって、本気で思ってるのか?」
「ち、違うの?」
「好きなやつだからに決まってるだろ」
え、鉄朗が私を好き………?
「なんでセフレを提案したの?」
「お前が誰とも付き合いたくないって言ったから、俺はああ言うしかなかったんだよ」
そう言えばそうだった。
結果的に私は鉄朗の言った“男で作った傷は男で癒す”にハマってしまったわけだが。
でも、そっか……そっか。
鉄朗も私のことが好きなんだ。
「だから、●●は安心して俺のことを好きになってくれていいんですよ」
そう言ってイタズラっ子のような表情を浮かべる鉄朗に、私は完全に落ちた。
残業で鉄朗とのいつもの約束をキャンセルした日のこと。
夜ご飯を作るのも面倒になって簡単に済ませようとコンビニに向かっていると、見覚えのある人が高級そうな飲食店から出てきた。
鉄朗の腕を組んでいる美人なお姉さん。
楽しそうにお喋りをしている。
胸がきゅっと痛くなった。
この光景を見たとき、自分がどうなるか答えが分からないなんて言ったけど、あんなの嘘だ。
素直に送り出せないし、気丈に振る舞うこともできない。
だけど、心のうちを隠して接することは大人になるにつれて得意になっていくわけで。
それは仕事面でも恋愛面でも変わらない。
明日、鉄朗に言わないと。
もうこの関係を終わりにしようって。
いつもの幼馴染みに戻ろうって。
これ以上鉄朗のことを好きになる前に。
ーーーー
私の覚悟も露知らず、鉄朗はいつものように部屋へ招いてくれた。
「お邪魔します」
「何飲む?」
「いらない」
部屋に来たはいいが、先ほどの返答と一向に座らない私を見てやっと異変に気付いた鉄朗。
「何かあったのか?」
「もう鉄朗とはこの関係やめる」
「理由を聞いてもいいか?」
「だって………こんな中途半端な関係って、やっぱり可笑しいし、なんか………虚しいから」
私が鉄朗を縛り付けていると、鉄朗が思いっきり次の恋愛に挑めない。
昨日見かけた美人さん、絶対に鉄朗に気がある。
あの人誰?どういう関係?問い詰めたいけど、私に聞く権利はない。
そんなモヤモヤを抱えたままこの関係を続けるのはツラい。
そしてなにより、
「私が鉄朗のこと好きになっちゃうから」
彼は私とセフレの関係を求めているのは、そこに恋だの愛だのを挟みたくないからだ。
「はあ~」
だけど、鉄朗をは大きなため息を吐き、頭をくしゃくしゃと掻いた。
「あのな、俺がメリット、デメリット関係なく善意で●●のマグロを直そうとしているって、本気で思ってるのか?」
「ち、違うの?」
「好きなやつだからに決まってるだろ」
え、鉄朗が私を好き………?
「なんでセフレを提案したの?」
「お前が誰とも付き合いたくないって言ったから、俺はああ言うしかなかったんだよ」
そう言えばそうだった。
結果的に私は鉄朗の言った“男で作った傷は男で癒す”にハマってしまったわけだが。
でも、そっか……そっか。
鉄朗も私のことが好きなんだ。
「だから、●●は安心して俺のことを好きになってくれていいんですよ」
そう言ってイタズラっ子のような表情を浮かべる鉄朗に、私は完全に落ちた。