付き合う理由は可哀想だから
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「今日もこれから例の彼氏のところへ行くのか?」
授業が終わり帰り支度をしていると、鉄朗が話しかけてきた。
「そうだけど」
「本当に懲りないな」
病気で弱っている彼氏のところへ様子見に行くのは普通じゃないの?
行かないとまた別れようって言い出しそうだし。
「鉄朗はこれから部活?」
「おう」
と、手に持っていた運動着の入った袋を見せるように少しだけ上げた。
「明日も愚痴報告待ってる」
「その期待には答えられないかもね」
教室を出て行く鉄朗に見えないようにベーっと舌を出して言ってやった。
さて、お見舞いに行く前に彼氏の……ショウの好きなデザートでも買って行こうかな。
私は軽い足取りでコンビニへと向かった。
ーーーー
ピンポーン
“……はい”
チャイムを鳴らすと元気のないショウの声がインターフォン越しから聞こえた。
「私、●●だよ」
“鍵空いてるから入ってきて”
ドアに手を掛けると言われた通り鍵が空いていた。
家に誰もいないのか、不用心だと思いながらも静かな廊下を通ってショウの部屋に入った。
「体調どう?プリンとスポドリ買ってきたよ」
「ありがとう」
ベッドには横になっていたけどスマホを弄っていて私とは目を合わせてくれないショウ。
別にいいけどね。
スマホを弄るってことは、それだけ体調が良いってことだし。
「机に置いておくね」
「………」
返事はないけど、買ってきた品を机に置いた。
あれ………。
「今日って私以外にも誰か来た?」
「は?なんで?」
ようやく私に視線を合わせてくれたと思ったら、不機嫌そうに質問を質問で返してきた。
「机に今日の日付のプリントが置いてあるから」
「あー先生が持ってきてくれた」
「そうなんだ………あ、風邪移るといけないから、もう帰るね!」
「おう」
私はそそくさとショウの家を後にした。
なんで嘘をついたんだろう。
先生が届けただなんて。
プリントの端に“早く元気になってね”の可愛い丸文字が書いてあったよ。
ご丁寧に語尾にハートまで付けちゃって。
先生があんなこと書くはずがない。
素直にクラスメイトだって言えば冗談で書いたのかなって思って終わったのに、誤魔化すなんて。
思い返せばプリントのことを聞いたときも様子がおかしかった。
ねえ、プリントを届けてくれたのは誰?
スマホで何を見ていたの?
その子とやり取りをしていたの?
明日、また鉄朗にからかわれるだろうな。
あんなに行きは軽い足取りだったのに、同じ足なのかと疑うくらいに今は重かった。
授業が終わり帰り支度をしていると、鉄朗が話しかけてきた。
「そうだけど」
「本当に懲りないな」
病気で弱っている彼氏のところへ様子見に行くのは普通じゃないの?
行かないとまた別れようって言い出しそうだし。
「鉄朗はこれから部活?」
「おう」
と、手に持っていた運動着の入った袋を見せるように少しだけ上げた。
「明日も愚痴報告待ってる」
「その期待には答えられないかもね」
教室を出て行く鉄朗に見えないようにベーっと舌を出して言ってやった。
さて、お見舞いに行く前に彼氏の……ショウの好きなデザートでも買って行こうかな。
私は軽い足取りでコンビニへと向かった。
ーーーー
ピンポーン
“……はい”
チャイムを鳴らすと元気のないショウの声がインターフォン越しから聞こえた。
「私、●●だよ」
“鍵空いてるから入ってきて”
ドアに手を掛けると言われた通り鍵が空いていた。
家に誰もいないのか、不用心だと思いながらも静かな廊下を通ってショウの部屋に入った。
「体調どう?プリンとスポドリ買ってきたよ」
「ありがとう」
ベッドには横になっていたけどスマホを弄っていて私とは目を合わせてくれないショウ。
別にいいけどね。
スマホを弄るってことは、それだけ体調が良いってことだし。
「机に置いておくね」
「………」
返事はないけど、買ってきた品を机に置いた。
あれ………。
「今日って私以外にも誰か来た?」
「は?なんで?」
ようやく私に視線を合わせてくれたと思ったら、不機嫌そうに質問を質問で返してきた。
「机に今日の日付のプリントが置いてあるから」
「あー先生が持ってきてくれた」
「そうなんだ………あ、風邪移るといけないから、もう帰るね!」
「おう」
私はそそくさとショウの家を後にした。
なんで嘘をついたんだろう。
先生が届けただなんて。
プリントの端に“早く元気になってね”の可愛い丸文字が書いてあったよ。
ご丁寧に語尾にハートまで付けちゃって。
先生があんなこと書くはずがない。
素直にクラスメイトだって言えば冗談で書いたのかなって思って終わったのに、誤魔化すなんて。
思い返せばプリントのことを聞いたときも様子がおかしかった。
ねえ、プリントを届けてくれたのは誰?
スマホで何を見ていたの?
その子とやり取りをしていたの?
明日、また鉄朗にからかわれるだろうな。
あんなに行きは軽い足取りだったのに、同じ足なのかと疑うくらいに今は重かった。