好きになった人は恋人
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呆れられた?どうしよう、私が素直になれないせいでクロがどこかへ行っちゃった。
全然戻ってこないクロ。
もしかして一人で帰っちゃった?
どれくらい経っただろうか。急に心もとなくなって、目頭がじんわり熱くなった。
「お待たせ……ってなんで泣いてんのよ」
「あれ、おかしいな」
私は急いで涙を拭き取るが、中々止まってくれない。
「俺が戻ってこないと思った?」
「………うん」
「あらら、素直じゃん」
クロは私の前に膝まづいて靴づれのできている足に絆創膏を貼ってくれた。
水族館仕様のお魚がプリントされた可愛いやつ。
「館内だからこれしか売ってなかった」
「ありがとう…」
クロは私のためにこれを買いに行っていたの?
それなのに急に心細くなってしまった私って……恥ずかしい!
穴があれば入りたい。
「そんな反応を見せてくれるってことは、少しは俺のこと好きになってくれた?」
「なっ!……内緒」
さっきは素直になれたのに。
館内は薄暗くて分かりにくいが、クロは少しだけ寂しそうな顔をしていた。
あれからクロは口数が少なくなった。
話しかけても空返事ばかり。私のせいだ。
それなのにもうすぐ全てのエリアを見終わってしまう。
クロに寂しそうな顔をさせたまま解散になっていいの?
私は勇気を振り絞った。
館内の所々にある太い柱の裏。一目に付かない場所でクロの腕を引っ張った。
「ねえ、クロ」
「ん?」
クロは少しだけ屈んでくれた。
青い光に包まれた幻想的な空間。泳ぐ魚のシルエットに見守られながら私はクロにキスをした。
物の数秒の出来事。
クロのことが好きだと自覚してからの初めてのキス。心臓の音がうるさい。
「●●………」
クロは驚いた様に目を見開いたが、直ぐにニヤケ顔を隠すように口を手で押さえた。
「えっち」
私の一斉一代の振り絞った勇気を!
「え、え、え、えっちって……!もう知らない!クロなんか嫌い」
「はいはい、俺も好きですよ」
クロは満足げに私の手を握った。
恋をした相手は既に私の恋人でした。
ーーFinーー
全然戻ってこないクロ。
もしかして一人で帰っちゃった?
どれくらい経っただろうか。急に心もとなくなって、目頭がじんわり熱くなった。
「お待たせ……ってなんで泣いてんのよ」
「あれ、おかしいな」
私は急いで涙を拭き取るが、中々止まってくれない。
「俺が戻ってこないと思った?」
「………うん」
「あらら、素直じゃん」
クロは私の前に膝まづいて靴づれのできている足に絆創膏を貼ってくれた。
水族館仕様のお魚がプリントされた可愛いやつ。
「館内だからこれしか売ってなかった」
「ありがとう…」
クロは私のためにこれを買いに行っていたの?
それなのに急に心細くなってしまった私って……恥ずかしい!
穴があれば入りたい。
「そんな反応を見せてくれるってことは、少しは俺のこと好きになってくれた?」
「なっ!……内緒」
さっきは素直になれたのに。
館内は薄暗くて分かりにくいが、クロは少しだけ寂しそうな顔をしていた。
あれからクロは口数が少なくなった。
話しかけても空返事ばかり。私のせいだ。
それなのにもうすぐ全てのエリアを見終わってしまう。
クロに寂しそうな顔をさせたまま解散になっていいの?
私は勇気を振り絞った。
館内の所々にある太い柱の裏。一目に付かない場所でクロの腕を引っ張った。
「ねえ、クロ」
「ん?」
クロは少しだけ屈んでくれた。
青い光に包まれた幻想的な空間。泳ぐ魚のシルエットに見守られながら私はクロにキスをした。
物の数秒の出来事。
クロのことが好きだと自覚してからの初めてのキス。心臓の音がうるさい。
「●●………」
クロは驚いた様に目を見開いたが、直ぐにニヤケ顔を隠すように口を手で押さえた。
「えっち」
私の一斉一代の振り絞った勇気を!
「え、え、え、えっちって……!もう知らない!クロなんか嫌い」
「はいはい、俺も好きですよ」
クロは満足げに私の手を握った。
恋をした相手は既に私の恋人でした。
ーーFinーー