迷子の迷子の小悪魔ちゃん
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扉をくぐり、一歩踏み出すと、埃の臭いが鼻をかすめた。
ひび割れた壁。
そこは、間違いなく先ほどまでいた廃屋の廊下だった。
「……帰って、きたんだ」
胸の鼓動が、まだ煩いほどに脈打っている。
佐野命……いや、スサノオノミコト。
彼と再会できたことが、夢のようだった。
「もー!●●、どこ行ってたのよ!探したじゃない」
前方から、苛立ちと安堵が混ざったような声が響く。
顔を上げると、薄暗い廊下の先でリンが腰に手を当てて、仁王立ちしていた。
「リン……!ごめんごめん、ちょっと迷子になっちゃって」
駆け寄る私に、彼女は呆れたようにため息を吐いた。
「本当に、相変わらずの方向音痴なんだから。しっかりしてよね」
「返す言葉もございません……。なんかね、変な扉をくぐったら、別世界みたいな場所に迷い込んじゃって……。赤を基調とした、すごく立派な建物だったんだけど……」
私の言葉に、リンは一瞬だけ目を丸くし、それから「あぁ」と納得したように手を叩いた。
「それって、もしかして百鬼学園じゃない?」
「百鬼学園って、あの……?」
「そう、妖怪の学校。昔、元カレが部活の交流戦に出たとき、応援で行ったことがあるのよ」
「妖怪の学校……」
点と線が繋がっていく。
だから、ミコト君はあの小柄な妖怪の少年と一緒にいたんだ。
だとしても、彼が神様の身でありながら、あそこにいる説明がつかない。
本来なら、神様は高天原にある専用の学校へ通うはず。
交流戦で訪れていた?
いや、あの小妖怪と親しげに話し、当たり前のように教室へ促したあの様子。
あれは、彼自身が百鬼学園の生徒であるという何よりの証拠だ。
ミコト君、アナタはどうして妖怪の学校に……?
私の力を使えば、彼の隠された真実を無理やり暴くことができる。
だけど、あの日、優しく手を引いてくれた彼に対して、そんな無作法な真似をしたくなかった。
「それにしても、こんなところにも学園に繋がっている扉があったなんてね。……って、感心してる場合じゃないわ!彼氏が待ちくたびれてるから、急ぐわよ!」
「あ、うん!待って!」
リンは私の返事も待たずに、高いヒールの音を響かせて走り出す。
今度ははぐれないよう、私は彼女の背中を必死に追いかけた。
ひび割れた壁。
そこは、間違いなく先ほどまでいた廃屋の廊下だった。
「……帰って、きたんだ」
胸の鼓動が、まだ煩いほどに脈打っている。
佐野命……いや、スサノオノミコト。
彼と再会できたことが、夢のようだった。
「もー!●●、どこ行ってたのよ!探したじゃない」
前方から、苛立ちと安堵が混ざったような声が響く。
顔を上げると、薄暗い廊下の先でリンが腰に手を当てて、仁王立ちしていた。
「リン……!ごめんごめん、ちょっと迷子になっちゃって」
駆け寄る私に、彼女は呆れたようにため息を吐いた。
「本当に、相変わらずの方向音痴なんだから。しっかりしてよね」
「返す言葉もございません……。なんかね、変な扉をくぐったら、別世界みたいな場所に迷い込んじゃって……。赤を基調とした、すごく立派な建物だったんだけど……」
私の言葉に、リンは一瞬だけ目を丸くし、それから「あぁ」と納得したように手を叩いた。
「それって、もしかして百鬼学園じゃない?」
「百鬼学園って、あの……?」
「そう、妖怪の学校。昔、元カレが部活の交流戦に出たとき、応援で行ったことがあるのよ」
「妖怪の学校……」
点と線が繋がっていく。
だから、ミコト君はあの小柄な妖怪の少年と一緒にいたんだ。
だとしても、彼が神様の身でありながら、あそこにいる説明がつかない。
本来なら、神様は高天原にある専用の学校へ通うはず。
交流戦で訪れていた?
いや、あの小妖怪と親しげに話し、当たり前のように教室へ促したあの様子。
あれは、彼自身が百鬼学園の生徒であるという何よりの証拠だ。
ミコト君、アナタはどうして妖怪の学校に……?
私の力を使えば、彼の隠された真実を無理やり暴くことができる。
だけど、あの日、優しく手を引いてくれた彼に対して、そんな無作法な真似をしたくなかった。
「それにしても、こんなところにも学園に繋がっている扉があったなんてね。……って、感心してる場合じゃないわ!彼氏が待ちくたびれてるから、急ぐわよ!」
「あ、うん!待って!」
リンは私の返事も待たずに、高いヒールの音を響かせて走り出す。
今度ははぐれないよう、私は彼女の背中を必死に追いかけた。
