常にキミを見ている
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午後の陽の光が中庭を照らす。
ようやく回ってきた休憩の時間。
私は、そこに設置されている木製のベンチに深く腰を下ろした。
目の前には、庭師の手によって剪定された、見事なまでの球体のトピアリーが並んでいる。
私はこの洗練された庭を眺めるのが、好きだった。
手入れの行き届いた景色を眺めているだけで、慣れない教育の疲れが少しずつ薄れていくようだった。
半日、ヒトミさんと行動を共にして分かったことがある。
彼女は明るく、愛嬌がある。
失敗をして困った顔を見せても、すぐに天真爛漫に笑えば、屋敷の使用人たちも許してしまう、そんな憎めないタイプだった。
だけど、使用人としていつまでもその調子では困る。
「んーっ!どうしたものかな。……あれ?」
背伸びをしていると、芝生の上で何かが微かに動いたことに気が付いた。
視線を落とすと、そこにはまだ羽も生え揃わぬ、小さな雛鳥が転がっていた。
私は反射的に膝をつき、そっと両手で小さな命を包み込んだ。
「あそこから落ちたのね……」
見上げれば、目の前のトピアリー。
そのわずかな隙間の奥に、枯れ草を編み込んだ不格好な塊が隠れていた。
一 様の指示か、それとも庭師の気遣いか。
どちらにせよ、この巣を知っていて、あえてそこだけ手入れを避けたのだろう。
言葉にならない優しさに、少しだけ口角を緩めた。
私は立ち上がり、背伸びをしてその巣へと手を伸ばす。
トピアリーの密集した葉をかき分けると、中には兄弟鳥が身を寄せ合っていた。
私は手の中の小さな命を、そっと、元いた巣へと滑り込ませる。
雛鳥が戻るのを見届けて手を引くと、鳥たちは何事もなかったかのようにピーピーと会話を始めた。
「もう、落ちないようにね」
指先に残る羽毛の柔らかな余韻を振り払うように、そっとエプロンで手を拭った。
「さて、残りの業務も頑張りますか」
私は中庭を後にした。
ようやく回ってきた休憩の時間。
私は、そこに設置されている木製のベンチに深く腰を下ろした。
目の前には、庭師の手によって剪定された、見事なまでの球体のトピアリーが並んでいる。
私はこの洗練された庭を眺めるのが、好きだった。
手入れの行き届いた景色を眺めているだけで、慣れない教育の疲れが少しずつ薄れていくようだった。
半日、ヒトミさんと行動を共にして分かったことがある。
彼女は明るく、愛嬌がある。
失敗をして困った顔を見せても、すぐに天真爛漫に笑えば、屋敷の使用人たちも許してしまう、そんな憎めないタイプだった。
だけど、使用人としていつまでもその調子では困る。
「んーっ!どうしたものかな。……あれ?」
背伸びをしていると、芝生の上で何かが微かに動いたことに気が付いた。
視線を落とすと、そこにはまだ羽も生え揃わぬ、小さな雛鳥が転がっていた。
私は反射的に膝をつき、そっと両手で小さな命を包み込んだ。
「あそこから落ちたのね……」
見上げれば、目の前のトピアリー。
そのわずかな隙間の奥に、枯れ草を編み込んだ不格好な塊が隠れていた。
どちらにせよ、この巣を知っていて、あえてそこだけ手入れを避けたのだろう。
言葉にならない優しさに、少しだけ口角を緩めた。
私は立ち上がり、背伸びをしてその巣へと手を伸ばす。
トピアリーの密集した葉をかき分けると、中には兄弟鳥が身を寄せ合っていた。
私は手の中の小さな命を、そっと、元いた巣へと滑り込ませる。
雛鳥が戻るのを見届けて手を引くと、鳥たちは何事もなかったかのようにピーピーと会話を始めた。
「もう、落ちないようにね」
指先に残る羽毛の柔らかな余韻を振り払うように、そっとエプロンで手を拭った。
「さて、残りの業務も頑張りますか」
私は中庭を後にした。
