神様のお家
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〜神様のお家 〜
小学校の教室の窓から見える、広い運動場の片隅。
草木の生い茂る隅に、それはひっそりと佇んでいた。
4本の白い柱に支えられ、白く塗られた木製の箱。
その簡素な造形は、小学1年生の私には、なぜか神秘的で、近寄りがたい空気をまとっているように見えた。
夕方、私はリビングのテーブルに向かい、学校の宿題をやっていた。
今日の宿題はひらがなの練習。
そのとき、ふと昼間の疑問を思い出した。
私は書く手を止め、視線を洗濯物を畳んでいる母の背中に向けた。
「ねえ、お母さん」
「何、●●ちゃん?」
母は手を止めず、淡々と同じ動作でタオルを畳み続ける。
「学校の運動場にね、白い箱が置いてあるの。あの箱ってなんだろうね」
すると、母は洗濯物を畳む手を止め、穏やかな眼差しを私に向けた。
「あれはね、神様のお家よ」
「神様の……お家?」
神様という特別な存在が、こんなにも身近な場所にいるなんて。
私の胸に、驚きとときめきが広がった。
「そう。●●ちゃんが悪い子にならないように、あそこでずっと見守ってくれているのよ」
神様が見ている。
そう思うと、背筋が伸びる気がした。
「なら、私、絶対良い子でいる!」
私は、声に力を込めて誓った。
「ふふふ、頑張ってね」
母の優しい笑い声が、静かな部屋に響いた。
私は母の言葉を、文字通り一言一句、信じきっていた。
ーーーー
休み時間になると、私は胸を高鳴らせながら、必ず神様のお家へ向かった。
そして、両手を合わせて語りかける。
「神様、聞いて!今日は漢字テストでいい点を取ったんだよ!ほらっ!」
誇らしげな気持ちで、私は95点と赤文字で書かれた答案用紙を、白い箱に向けて広げた。
微かな風が、私の頬を撫でていく。
それはまるで、神様が褒めてくれたような気がした。
またある日は、冷めやらぬ興奮のまま、神様のお家を訪れた。
「神様、聞いて!今日は好きな男の子と席が隣になったの!これも神様の力かな?ありがとう!」
秘密を打ち明けるように報告した。
白い箱は相変わらず静かに佇んでいる。
だけど、それだけで充分だった。
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