失恋同盟
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結婚式当日。
式はハワイで行われた。
まさか、初めての海外旅行が、好きな人の結婚式になるとは。
複雑な思いのまま、私は参列席へと座る。
座席表を見ると、どうやら身内と親戚、そして少ない友人のみを招待した、小規模な式だった。
場所が場所だから、仕方がないのかもしれない。
それにしても、新婦側の参列席を見ると、みんな眼帯をしていたり、髪で片目を隠すヘアスタイルをしていた。
目に病気を持った家系なのか。
そのときは深く考えなかった。
しばらくすると、司会の案内により、新郎新婦が曲と共に入場した。
真っ白なドレスに包まれた花嫁と、これまた真っ白なタキシードを身に纏ったお兄ちゃん。
花嫁さんの顔には写真で見せて貰ったときと同じように右目に眼帯をしていた。
だけど、片目が見えなくても2人は幸せそうに見つめ合う。
そんな2人を見ていられなくなって、気付けば私は会場を抜け出していた。
ロビーのソファーに座り、ぼんやりと窓の外を眺める。
早く戻らないといけないのに、体は言うことを聞いてくれない。
すると、こちらに向かって歩いてくる足音が聞こえてきた。
そして、同じく抜け出してきたであろう青年と鉢合わせした。
赤茶色の髪を一つに束ね、両手に黒色の手袋をはめた背の高い青年。
おまけに左目に眼帯。
と、なればおそらく新婦側の参列者だろう。
お互いに視線が絡み合い、気まずい空気が流れる。
どうしたらいいか分からず俯くと、
「アンタ、新郎側……だよな?」
突然、青年に話しかけられた。
「え、あ、はい。そうですけど……」
「俺は新婦の弟。どうせアンタも、見てられなくなった口だろ?」
咄嗟に違う、と否定しようとした。
だけど、彼の言葉の“アンタも“に引っかかった。
つまり、
「アナタも……?」
「……ああ」
「シスコ……」
「違 ぇ」
私の言葉を遮るように、彼は否定する。
何が違うのだろう。
そう思っていると、
「なあ、大切な人が他人の物になった同士、ここから抜け出さねぇ?」
「えっ……?!」
突拍子のない提案に、私の思考は停止した。
ここから抜け出す?
この結婚式から?
「せっかくハワイに来たんだし、存分に観光しようぜ?なっ?」
彼の言葉に、少しだけ心が揺れる。
確かに、私は明日の朝イチで帰らないといけないため、ゆっくり観光をしている時間はなかった。
だけど、
「いいのかな……」
罪悪感が胸をよぎる。
その問いかけに彼はニヤリと笑い、私の迷いをひと蹴りした。
「いいに決まってんだろ。こんなところで湿っぽくなってるより、よっぽど有意義だ」
そう言って、彼は黒い手袋に包まれた手で、私の手を掴んだ。
彼の体温が、手袋越しでもじんわりと私の手のひらに伝わってくる。
「俺は耕太郎。アンタは?」
「●●です」
耕太郎と名乗る彼の瞳は、私を真っ直ぐに見つめていた。
まるで私の迷いを全て見透かすかのように。
「●●、行くぞ」
有無を言わせぬその言葉に、私は彼の後ろを追うしかなかった。
式はハワイで行われた。
まさか、初めての海外旅行が、好きな人の結婚式になるとは。
複雑な思いのまま、私は参列席へと座る。
座席表を見ると、どうやら身内と親戚、そして少ない友人のみを招待した、小規模な式だった。
場所が場所だから、仕方がないのかもしれない。
それにしても、新婦側の参列席を見ると、みんな眼帯をしていたり、髪で片目を隠すヘアスタイルをしていた。
目に病気を持った家系なのか。
そのときは深く考えなかった。
しばらくすると、司会の案内により、新郎新婦が曲と共に入場した。
真っ白なドレスに包まれた花嫁と、これまた真っ白なタキシードを身に纏ったお兄ちゃん。
花嫁さんの顔には写真で見せて貰ったときと同じように右目に眼帯をしていた。
だけど、片目が見えなくても2人は幸せそうに見つめ合う。
そんな2人を見ていられなくなって、気付けば私は会場を抜け出していた。
ロビーのソファーに座り、ぼんやりと窓の外を眺める。
早く戻らないといけないのに、体は言うことを聞いてくれない。
すると、こちらに向かって歩いてくる足音が聞こえてきた。
そして、同じく抜け出してきたであろう青年と鉢合わせした。
赤茶色の髪を一つに束ね、両手に黒色の手袋をはめた背の高い青年。
おまけに左目に眼帯。
と、なればおそらく新婦側の参列者だろう。
お互いに視線が絡み合い、気まずい空気が流れる。
どうしたらいいか分からず俯くと、
「アンタ、新郎側……だよな?」
突然、青年に話しかけられた。
「え、あ、はい。そうですけど……」
「俺は新婦の弟。どうせアンタも、見てられなくなった口だろ?」
咄嗟に違う、と否定しようとした。
だけど、彼の言葉の“アンタも“に引っかかった。
つまり、
「アナタも……?」
「……ああ」
「シスコ……」
「
私の言葉を遮るように、彼は否定する。
何が違うのだろう。
そう思っていると、
「なあ、大切な人が他人の物になった同士、ここから抜け出さねぇ?」
「えっ……?!」
突拍子のない提案に、私の思考は停止した。
ここから抜け出す?
この結婚式から?
「せっかくハワイに来たんだし、存分に観光しようぜ?なっ?」
彼の言葉に、少しだけ心が揺れる。
確かに、私は明日の朝イチで帰らないといけないため、ゆっくり観光をしている時間はなかった。
だけど、
「いいのかな……」
罪悪感が胸をよぎる。
その問いかけに彼はニヤリと笑い、私の迷いをひと蹴りした。
「いいに決まってんだろ。こんなところで湿っぽくなってるより、よっぽど有意義だ」
そう言って、彼は黒い手袋に包まれた手で、私の手を掴んだ。
彼の体温が、手袋越しでもじんわりと私の手のひらに伝わってくる。
「俺は耕太郎。アンタは?」
「●●です」
耕太郎と名乗る彼の瞳は、私を真っ直ぐに見つめていた。
まるで私の迷いを全て見透かすかのように。
「●●、行くぞ」
有無を言わせぬその言葉に、私は彼の後ろを追うしかなかった。
