芽引き目吹かれ
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外はどんよりとした雲り空。
昼間なのに薄暗かった。
「嫌な天気……」
こう言うときに限って碌なことが起こらない。
今日は1日大人しく過ごそう。
まあ、今日に限らず大抵そうなんだけれど。
ーーーー
夕暮れ時。
「ごめんね、◯◯さん」
病室にやって来たたかはし先生は申し訳なさそうに話を切り出した。
「今月いっぱいで他の病院に移動することになった」
「先生……っっ!」
今なんて言った?
先生、いなくなるの?
頭が真っ白になった。
「本当にごめん。◯◯さんの病気は僕が治したかったのに」
悔しがり方からして本気だったのがうかがえる。
だけど、今の私にはそんなことはどうでもいい。
「約束したのに……っ」
嘘。
約束なんかしていない。
私が一方的に治るまでいて欲しいとお願いしただけ。
それなのに、たかはし先生は余計なことを言わずにただ謝った。
「ごめんね……」
その苦しそうな表情を見ると、胸が痛む。
そんな顔をして欲しくないのに、
「先生なんて大っ嫌いっ!」
私の口からはたかはし先生を追い詰める言葉しか出なかった。
「◯◯さん……」
「今は1人にしてください……」
そう言うとたかはし先生は、
「また来るからね」
それだけ告げて病室を出ていった。
治ったらもうたかはし先生に会えなくなるな、と考えていた頃の私を殴りたくなる。
その衝動を醜い自分の手足にぶつける。
包帯越しに腕や足をひたすら掻きむしる。
種が増えても、穴凹になってももう知らない。
……。
…………。
「ハァ……ハァ……」
どれくらい経っただろうか。
辺りには散乱する種、爪はボロボロで血だらけ。
ひとしきり掻きむしった後、ふと鏡を見た。
「ひっ……!」
そこに映っていた姿に思わず悲鳴を上げてしまった。
顔にまで症状が進行していたからだ。
手でその箇所を触れると、他と同様硬い種のような物がポロっと落ちた。
「ははは……」
乾いた笑いが出る。
先生がいつもと変わらない対応だったから、こんなところまで症状が進行していることに気が付かなかったんだ。
「醜い……醜い……本当に……っ」
こんな姿なら死んだ方がマシだ。
昼間なのに薄暗かった。
「嫌な天気……」
こう言うときに限って碌なことが起こらない。
今日は1日大人しく過ごそう。
まあ、今日に限らず大抵そうなんだけれど。
ーーーー
夕暮れ時。
「ごめんね、◯◯さん」
病室にやって来たたかはし先生は申し訳なさそうに話を切り出した。
「今月いっぱいで他の病院に移動することになった」
「先生……っっ!」
今なんて言った?
先生、いなくなるの?
頭が真っ白になった。
「本当にごめん。◯◯さんの病気は僕が治したかったのに」
悔しがり方からして本気だったのがうかがえる。
だけど、今の私にはそんなことはどうでもいい。
「約束したのに……っ」
嘘。
約束なんかしていない。
私が一方的に治るまでいて欲しいとお願いしただけ。
それなのに、たかはし先生は余計なことを言わずにただ謝った。
「ごめんね……」
その苦しそうな表情を見ると、胸が痛む。
そんな顔をして欲しくないのに、
「先生なんて大っ嫌いっ!」
私の口からはたかはし先生を追い詰める言葉しか出なかった。
「◯◯さん……」
「今は1人にしてください……」
そう言うとたかはし先生は、
「また来るからね」
それだけ告げて病室を出ていった。
治ったらもうたかはし先生に会えなくなるな、と考えていた頃の私を殴りたくなる。
その衝動を醜い自分の手足にぶつける。
包帯越しに腕や足をひたすら掻きむしる。
種が増えても、穴凹になってももう知らない。
……。
…………。
「ハァ……ハァ……」
どれくらい経っただろうか。
辺りには散乱する種、爪はボロボロで血だらけ。
ひとしきり掻きむしった後、ふと鏡を見た。
「ひっ……!」
そこに映っていた姿に思わず悲鳴を上げてしまった。
顔にまで症状が進行していたからだ。
手でその箇所を触れると、他と同様硬い種のような物がポロっと落ちた。
「ははは……」
乾いた笑いが出る。
先生がいつもと変わらない対応だったから、こんなところまで症状が進行していることに気が付かなかったんだ。
「醜い……醜い……本当に……っ」
こんな姿なら死んだ方がマシだ。
