芽引き目吹かれ
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今日は調子がいい。
もちろん病気のことではなく気分の話。
たまには病室の外へ行ってみようかな……。
私みたいな奇病患者は行動範囲に制限がかかっているけれど、外に出ることによって気持ちが前向きになれる気がしたから。
痛む足を引きずりながら、なんとか車椅子に座る。
「あ、そうだ……」
膝にブランケットをかけ、カーディガンを羽織った。
少しでも露出している部分を隠さないと。
もし誰かとすれ違ったら、嫌な顔をされる。
たかはし先生が私をそんな目で見ないから忘れそうになるけれど、私の姿は醜いんだ。
準備が整い、扉のドアハンドルに手を掛ける。
「スー……ハァ……」
軽く深呼吸をして、いざ部屋の外へ。
出てみると、案外大したことなかった。
なぜ私はこんなにも外へ出ることに躊躇していたのか。
慣れない手捌きで車椅子を漕ぐ。
しばらく進むと、廊下に大きな窓が設置されていた。
覗き込むと、隣の一般病棟が見える。
中では医師が忙しなく動いていたり、患者が出歩いていた。
その様をぼーっと眺めていると、見知った医師が目に入った。
たかはし先生だ。
先生は患者さんと何やら楽しそうにお話をしている。
「……っ」
その姿に酷くショックを受けた。
私だけが特別じゃないんだって言われている気がして。
そう言えば言っていたっけ。
私の腕を見たたかはし先生は“僕にとっては特別でも何でもない”と。
奇病の私もあの患者さんも、先生にとってはただの患者に過ぎない。
せっかく気分が良かったのに……。
私はすぐさま車椅子を翻し、病室へと戻った。
……。
…………。
戻ってからはふて寝をした。
枕に顔を埋め、先程見た光景を消すかのようにぐりぐりと擦り付ける。
「たかはし先生のバカ……」
声は枕に吸収されてくぐもった音になった。
だけど、
「誰がバカだって?」
「先生……?!」
いつの間にか入ってきていたたかはし先生に聞かれてしまった。
よりによって1番聞かれたくない相手に。
もうこの際、言ってしまおうか。
この行き場のない気持ちを。
「ねえ、先生」
「ん?なんだい?」
先生は優しい声色で返事をする。
「私の病気が治るまで、ずっと側にいてくれますか?」
「……」
先生は困った顔で微笑むだけだった。
困らせるだけだって分かっていた。
だけど、それでも私の気持ちを伝えたかった。
そして、ついに恐れていたことがおきた。
もちろん病気のことではなく気分の話。
たまには病室の外へ行ってみようかな……。
私みたいな奇病患者は行動範囲に制限がかかっているけれど、外に出ることによって気持ちが前向きになれる気がしたから。
痛む足を引きずりながら、なんとか車椅子に座る。
「あ、そうだ……」
膝にブランケットをかけ、カーディガンを羽織った。
少しでも露出している部分を隠さないと。
もし誰かとすれ違ったら、嫌な顔をされる。
たかはし先生が私をそんな目で見ないから忘れそうになるけれど、私の姿は醜いんだ。
準備が整い、扉のドアハンドルに手を掛ける。
「スー……ハァ……」
軽く深呼吸をして、いざ部屋の外へ。
出てみると、案外大したことなかった。
なぜ私はこんなにも外へ出ることに躊躇していたのか。
慣れない手捌きで車椅子を漕ぐ。
しばらく進むと、廊下に大きな窓が設置されていた。
覗き込むと、隣の一般病棟が見える。
中では医師が忙しなく動いていたり、患者が出歩いていた。
その様をぼーっと眺めていると、見知った医師が目に入った。
たかはし先生だ。
先生は患者さんと何やら楽しそうにお話をしている。
「……っ」
その姿に酷くショックを受けた。
私だけが特別じゃないんだって言われている気がして。
そう言えば言っていたっけ。
私の腕を見たたかはし先生は“僕にとっては特別でも何でもない”と。
奇病の私もあの患者さんも、先生にとってはただの患者に過ぎない。
せっかく気分が良かったのに……。
私はすぐさま車椅子を翻し、病室へと戻った。
……。
…………。
戻ってからはふて寝をした。
枕に顔を埋め、先程見た光景を消すかのようにぐりぐりと擦り付ける。
「たかはし先生のバカ……」
声は枕に吸収されてくぐもった音になった。
だけど、
「誰がバカだって?」
「先生……?!」
いつの間にか入ってきていたたかはし先生に聞かれてしまった。
よりによって1番聞かれたくない相手に。
もうこの際、言ってしまおうか。
この行き場のない気持ちを。
「ねえ、先生」
「ん?なんだい?」
先生は優しい声色で返事をする。
「私の病気が治るまで、ずっと側にいてくれますか?」
「……」
先生は困った顔で微笑むだけだった。
困らせるだけだって分かっていた。
だけど、それでも私の気持ちを伝えたかった。
そして、ついに恐れていたことがおきた。
