嘘つキ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ずっと忘れていた。
なぜ急に昔のことを思い出したかと言うと、とある商店街で怪奇現象が相次ぐ、と書かれた新聞の見出しを目にしたからだ。
白黒だったけれど一緒に載っていた商店街の写真に、なんだか身に覚えがあった。
小学生の時に訪れた場所。
私が神隠しにあった場所。
大きくなった私が行ったら、少しは当時の手がかりが掴めるだろうか。
もしかしたら子供しか入れない場所なのかもしれない。
子供だから助かったのかもしれない。
そんな考えもよぎるけれど、好奇心には勝てなかった。
ーーーー
大学に着いてからも、家で読んだ例の新聞の記事が気になって仕方がない。
空きコマの時間にラウンジにて、スマホで検索していると、
「●●、何見てるの?」
友達のヨウコに話し掛けられた。
彼女は学部が違うけれどサークルが同じで仲良くなった。
「ちょっと、今朝読んだ新聞のことで気になったことがあってね」
「ふ〜ん……あ、それよりこれ見てよ!」
そう言うと、ヨウコは鞄から何やら仮面を取り出した。
「何それ。仮面舞踏会にでも行くの?」
仮面を受け取り裏表見たり、コンコンと叩いて材質を確認したりする。
彼女は彫刻科専攻のため、その仮面も彫刻でできていた。
素材は粘土なのか一般的なお面より重い。
その代わりに重量軽減の目的からか口元は見えており、鼻から上が隠れるデザインとなっている。
おまけに頭部、右目の上辺りに1本の鋭い角のような物があしらわれている。
「今日の授業の合間に作ったんだ〜」
「こんなの作る余裕あるの?」
「息抜きは必要なのー!」
そういうものなのかしら。
「そうだ、せっかくだし着けてみてよ!」
「えっ……ちょっと……!!」
半ば無理やり着けさせられた。
顔の輪郭にはフィットしているし、口は出ているデザインのため、息苦しさはない。
だけど、視界が狭くなるのはもちろんのこと、素材も相まって角のある右側が重くて重心が傾きそう。
すぐに外して返そうとしたら、
「めっちゃ似合うじゃん!●●にあげるよソレ!」
ヨウコは嬉しそうに言ってきた。
そんなこと言われたら返しにくいじゃん。
「着けないにしろ、部屋に飾っといてよ!」
それだけ言うと、ヨウコはラウンジから出ていった。
「まったく……」
本当にヨウコは自由人なんだから。
まあ、だからこそ良い作品が作れるんだろうけど。
現にこの仮面も正直悪くないと思っている。
私は取り外した仮面を鞄にしまい直した。
なぜ急に昔のことを思い出したかと言うと、とある商店街で怪奇現象が相次ぐ、と書かれた新聞の見出しを目にしたからだ。
白黒だったけれど一緒に載っていた商店街の写真に、なんだか身に覚えがあった。
小学生の時に訪れた場所。
私が神隠しにあった場所。
大きくなった私が行ったら、少しは当時の手がかりが掴めるだろうか。
もしかしたら子供しか入れない場所なのかもしれない。
子供だから助かったのかもしれない。
そんな考えもよぎるけれど、好奇心には勝てなかった。
ーーーー
大学に着いてからも、家で読んだ例の新聞の記事が気になって仕方がない。
空きコマの時間にラウンジにて、スマホで検索していると、
「●●、何見てるの?」
友達のヨウコに話し掛けられた。
彼女は学部が違うけれどサークルが同じで仲良くなった。
「ちょっと、今朝読んだ新聞のことで気になったことがあってね」
「ふ〜ん……あ、それよりこれ見てよ!」
そう言うと、ヨウコは鞄から何やら仮面を取り出した。
「何それ。仮面舞踏会にでも行くの?」
仮面を受け取り裏表見たり、コンコンと叩いて材質を確認したりする。
彼女は彫刻科専攻のため、その仮面も彫刻でできていた。
素材は粘土なのか一般的なお面より重い。
その代わりに重量軽減の目的からか口元は見えており、鼻から上が隠れるデザインとなっている。
おまけに頭部、右目の上辺りに1本の鋭い角のような物があしらわれている。
「今日の授業の合間に作ったんだ〜」
「こんなの作る余裕あるの?」
「息抜きは必要なのー!」
そういうものなのかしら。
「そうだ、せっかくだし着けてみてよ!」
「えっ……ちょっと……!!」
半ば無理やり着けさせられた。
顔の輪郭にはフィットしているし、口は出ているデザインのため、息苦しさはない。
だけど、視界が狭くなるのはもちろんのこと、素材も相まって角のある右側が重くて重心が傾きそう。
すぐに外して返そうとしたら、
「めっちゃ似合うじゃん!●●にあげるよソレ!」
ヨウコは嬉しそうに言ってきた。
そんなこと言われたら返しにくいじゃん。
「着けないにしろ、部屋に飾っといてよ!」
それだけ言うと、ヨウコはラウンジから出ていった。
「まったく……」
本当にヨウコは自由人なんだから。
まあ、だからこそ良い作品が作れるんだろうけど。
現にこの仮面も正直悪くないと思っている。
私は取り外した仮面を鞄にしまい直した。
