妖怪ときどき神様
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来たる光の再追試当日。
自分のテストのときよりも緊張する。
だけど、こんな日に限って帰りのホームルームが長引き、いつもより遅れて学校を出た。
急いでいかないと。
私より先に誰かが待ち合わせ場所に行ってしまったら……。
……あれ?
別にそれはそれでいいのかもしれない。
だって、要は化かせればいいんだから。
走っていた足を止めて、ゆっくり向かうことにした。
……。
…………。
商店街に着いてから、私の前をずっと歩いているパンチパーマに豹柄パンツを履いたオバサンがいる。
このままでは本当に光はあのオバサンを化かすことになる。
手強そうなオバサンを上手く化かせるか心配になってきた。
間もなく、オバサンは光との待ち合わせ場所に差し掛かる。
私は先ほどよりも距離を開けて、立て看板に身を隠して見守ることにした。
すると、急に空に黒い雲が覆い被さり、天気が悪くなってきた。
雷もゴロゴロと成りを潜めている。
きっと光だ。
ゴクリと唾液を飲み込むと、オバサンの直ぐ側にピシャっと雷が落ちた。
先月のビル火災事件よりかは控えめだけれど、それでも驚かすには充分な威力だ。
そして、落雷からは雷を纏った光が姿を現した。
うんうん、いい感じ。
次にオバサンを見ると、驚きもせずに鞄を何やらゴソゴソと漁っていた。
「ん?」
何をしているの?
そもそもなんで驚かないの?
不思議に思っていると、答えはすぐに分かった。
「あたしゃ霊媒師だ。お前を滅してやる!」
「!?」
オバサンは漁っていた鞄から大量の塩が入った袋を取り出し、光目掛けて投げつけた。
「うわあっ!!やめっ……っっ!しょっぺっ!」
見事にクリーンヒットした光は塩まみれ。
「最近ここら辺で不吉なことが起こるって聞いてね、来てみればお前さんの仕業だろ!このっ!このっ!喰らえっ!」
塩を投げつける手が止まらない。
「くっ……ぅっ……」
すっかり身に纏っていた雷は消え、地面にへばりつく光。
私が飛び出したら再追試は台無しになるかもしれない。
だけど、苦しんで見える光を放って置くなんてできなかった。
私は大声を出しながら光の元へと向かった。
「光を虐めるなー!」
「なんだい、この小娘は!」
間に割り込むと、オバサンは私にも塩を投げ付けてきた。
「やめて!光は……光は神様なんだから!」
「何を言っているんだい!こいつは妖怪だよ」
「うるさーいっっ!!」
オバサンと取っ組み合いをしながらも、なんとか塩の入った袋を奪うことに成功した。
「こんなもの!」
その袋を逆さまにして全て地面に出してやった。
「何をするんだい!」
「これでもう攻撃手段はなくなったでしょ」
「まだまだー!」
オバサンはよく分からない字の書かれた御札を大量に取り出す。
今度はそれを奪い取って片っ端から破り捨てた。
そんな攻防が繰り広げられ、そしてついに策が尽きたのかオバサンの手が止まった。
「はぁ……はぁ……」
「はぁ……っ」
お互い息も切れ切れ。
「……」
「……」
少しの沈黙の後、オバサンは話を切り出した。
「今日はこの辺にしてやるけど、次に会ったときは絶対に成敗してやるから。小娘も妖怪を神様と間違えた挙句に庇うなんて、罰当たりだね」
言い捨てるように去っていった。
オバサンの姿が完全に見えなくなってから、光の方へ駆け寄る。
「光、大丈夫!?」
ぐったりしている光に手を貸そうとしたら、何故か振り払われてしまった。
その手には力が入っていない。
「光……」
「なんで優しくするんだよ」
「なんでって……」
「●●だって気付いただろ。神様なんかじゃないってこと。僕、あの霊媒師が言った通り妖怪なんだ」
もしかして、そのことが後ろめたくて時折暗い顔をしていたの?
「嘘を吐かれたのは確かに悲しかった。だけど、光の中身を知っちゃったから」
私はしゃがみ込み、光と目線を合わせた。
「神様だとか妖怪だとか関係ない。私は光だから助けたかったし、仲良くなりたいと思ったの」
「●●……」
「それに……」
再度光に手を差し出して、笑顔でこう言ってみせた。
「妖怪でも光は私にとっては神様みたいな存在だよ」
「……ありがとう。受け入れてくれて」
光も私の手を取ってくれた。
その手は冷たくて、本当に人間ではないことを証明している。
だけど、私はその手を強く握り返す。
この手が温まるまで、もうしばらくこのままでいよう。
それから、ゆっくりでいいから本当のアナタを教えて。
ーーFinーー
自分のテストのときよりも緊張する。
だけど、こんな日に限って帰りのホームルームが長引き、いつもより遅れて学校を出た。
急いでいかないと。
私より先に誰かが待ち合わせ場所に行ってしまったら……。
……あれ?
別にそれはそれでいいのかもしれない。
だって、要は化かせればいいんだから。
走っていた足を止めて、ゆっくり向かうことにした。
……。
…………。
商店街に着いてから、私の前をずっと歩いているパンチパーマに豹柄パンツを履いたオバサンがいる。
このままでは本当に光はあのオバサンを化かすことになる。
手強そうなオバサンを上手く化かせるか心配になってきた。
間もなく、オバサンは光との待ち合わせ場所に差し掛かる。
私は先ほどよりも距離を開けて、立て看板に身を隠して見守ることにした。
すると、急に空に黒い雲が覆い被さり、天気が悪くなってきた。
雷もゴロゴロと成りを潜めている。
きっと光だ。
ゴクリと唾液を飲み込むと、オバサンの直ぐ側にピシャっと雷が落ちた。
先月のビル火災事件よりかは控えめだけれど、それでも驚かすには充分な威力だ。
そして、落雷からは雷を纏った光が姿を現した。
うんうん、いい感じ。
次にオバサンを見ると、驚きもせずに鞄を何やらゴソゴソと漁っていた。
「ん?」
何をしているの?
そもそもなんで驚かないの?
不思議に思っていると、答えはすぐに分かった。
「あたしゃ霊媒師だ。お前を滅してやる!」
「!?」
オバサンは漁っていた鞄から大量の塩が入った袋を取り出し、光目掛けて投げつけた。
「うわあっ!!やめっ……っっ!しょっぺっ!」
見事にクリーンヒットした光は塩まみれ。
「最近ここら辺で不吉なことが起こるって聞いてね、来てみればお前さんの仕業だろ!このっ!このっ!喰らえっ!」
塩を投げつける手が止まらない。
「くっ……ぅっ……」
すっかり身に纏っていた雷は消え、地面にへばりつく光。
私が飛び出したら再追試は台無しになるかもしれない。
だけど、苦しんで見える光を放って置くなんてできなかった。
私は大声を出しながら光の元へと向かった。
「光を虐めるなー!」
「なんだい、この小娘は!」
間に割り込むと、オバサンは私にも塩を投げ付けてきた。
「やめて!光は……光は神様なんだから!」
「何を言っているんだい!こいつは妖怪だよ」
「うるさーいっっ!!」
オバサンと取っ組み合いをしながらも、なんとか塩の入った袋を奪うことに成功した。
「こんなもの!」
その袋を逆さまにして全て地面に出してやった。
「何をするんだい!」
「これでもう攻撃手段はなくなったでしょ」
「まだまだー!」
オバサンはよく分からない字の書かれた御札を大量に取り出す。
今度はそれを奪い取って片っ端から破り捨てた。
そんな攻防が繰り広げられ、そしてついに策が尽きたのかオバサンの手が止まった。
「はぁ……はぁ……」
「はぁ……っ」
お互い息も切れ切れ。
「……」
「……」
少しの沈黙の後、オバサンは話を切り出した。
「今日はこの辺にしてやるけど、次に会ったときは絶対に成敗してやるから。小娘も妖怪を神様と間違えた挙句に庇うなんて、罰当たりだね」
言い捨てるように去っていった。
オバサンの姿が完全に見えなくなってから、光の方へ駆け寄る。
「光、大丈夫!?」
ぐったりしている光に手を貸そうとしたら、何故か振り払われてしまった。
その手には力が入っていない。
「光……」
「なんで優しくするんだよ」
「なんでって……」
「●●だって気付いただろ。神様なんかじゃないってこと。僕、あの霊媒師が言った通り妖怪なんだ」
もしかして、そのことが後ろめたくて時折暗い顔をしていたの?
「嘘を吐かれたのは確かに悲しかった。だけど、光の中身を知っちゃったから」
私はしゃがみ込み、光と目線を合わせた。
「神様だとか妖怪だとか関係ない。私は光だから助けたかったし、仲良くなりたいと思ったの」
「●●……」
「それに……」
再度光に手を差し出して、笑顔でこう言ってみせた。
「妖怪でも光は私にとっては神様みたいな存在だよ」
「……ありがとう。受け入れてくれて」
光も私の手を取ってくれた。
その手は冷たくて、本当に人間ではないことを証明している。
だけど、私はその手を強く握り返す。
この手が温まるまで、もうしばらくこのままでいよう。
それから、ゆっくりでいいから本当のアナタを教えて。
ーーFinーー
