頑張り屋な手
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お店を出た瞬間、買い物袋と肩にのしかかる重量感に、早速後悔の波が押し寄せてきた。
右手のエコバッグにはパック詰めのお惣菜と缶チューハイ。
そして、左肩には反射的に買ってしまったトータル20キロの米袋がずっしり重みを主張している。
「どうしよう……」
思わずポツリと漏れる独り言。
車はない。
歩いて帰らないといけない現実に目を背けたくなった。
このままスーパーまで戻って返品しようかとも思ったけれど、今日仕事で失敗したばかりの自分にそれをする勇気はなかった。
もし店員さんに嫌な顔でもされたら、心がポキリと折れてしまいそうだったから。
「仕方がない……」
私はお米の入った袋を担ぎ直し、気合いを入れた。
……。
…………。
……おかしい。
行きよりも道のりが長く感じる。
ふと後ろを振り向くと、思いのほか近くにスーパーの灯りが見えた。
自分でも驚くくらい、まだほとんど進んでいないらしい。
気が遠くなる。
ただサクッとお酒を飲んで、サクッと嫌なことを忘れて、サクッと寝るつもりだったのに。
本当に今日はついていない日だ。
「はぁ〜……」
ため息しか出ない。
そんなとき、不意に背後から声がした。
「お姉さん、重そうだね」
びくりと肩が跳ねた。
新手のナンパだろうか。
「いえ、大丈じょ……」
断ろうと半ば反射的に振り返ると、そこにいたのは、あの徹君だった。
「徹君?!」
「やっほー、こんばんは」
徹君は部活帰りなのか、ジャージ姿だった。
遅くまでご苦労さま。
……じゃなくて、早く帰ればいいのに。
そんなこととは知らず、彼は呑気にヒラヒラと手を振って近付いてくる。
「それ、持ってあげようか?」
「軽いから大丈夫です」
無意識に見栄を張ってしまったけれど、徹君の目線が私の腕にそっと向けられる。
「でも、腕震えてるよ?」
「……ぅ」
言い返せない。
「本当のところは?」
「重いです」
声がいつもよりずっと小さくなる。
「うん、素直でよろしい」
徹君は私の手からひょいっと米袋を奪うと、軽々と担ぎ上げた。
「お、重くない?」
私の米袋の他に自分の荷物を持っている徹君。
重くないワケがない。
案の定、
「普通に重いよ?」
当たり前でしょ、と言う。
申し訳ない気持ちが膨れ上がる。
やっぱり自分で持とう。
そう言おうと手を伸ばそうとしたら、
「でも、女の子に持たせるのは違うでしょ?」
なんて爽やかな笑顔で言うもんだから、私はこれ以上何も言えなかった。
右手のエコバッグにはパック詰めのお惣菜と缶チューハイ。
そして、左肩には反射的に買ってしまったトータル20キロの米袋がずっしり重みを主張している。
「どうしよう……」
思わずポツリと漏れる独り言。
車はない。
歩いて帰らないといけない現実に目を背けたくなった。
このままスーパーまで戻って返品しようかとも思ったけれど、今日仕事で失敗したばかりの自分にそれをする勇気はなかった。
もし店員さんに嫌な顔でもされたら、心がポキリと折れてしまいそうだったから。
「仕方がない……」
私はお米の入った袋を担ぎ直し、気合いを入れた。
……。
…………。
……おかしい。
行きよりも道のりが長く感じる。
ふと後ろを振り向くと、思いのほか近くにスーパーの灯りが見えた。
自分でも驚くくらい、まだほとんど進んでいないらしい。
気が遠くなる。
ただサクッとお酒を飲んで、サクッと嫌なことを忘れて、サクッと寝るつもりだったのに。
本当に今日はついていない日だ。
「はぁ〜……」
ため息しか出ない。
そんなとき、不意に背後から声がした。
「お姉さん、重そうだね」
びくりと肩が跳ねた。
新手のナンパだろうか。
「いえ、大丈じょ……」
断ろうと半ば反射的に振り返ると、そこにいたのは、あの徹君だった。
「徹君?!」
「やっほー、こんばんは」
徹君は部活帰りなのか、ジャージ姿だった。
遅くまでご苦労さま。
……じゃなくて、早く帰ればいいのに。
そんなこととは知らず、彼は呑気にヒラヒラと手を振って近付いてくる。
「それ、持ってあげようか?」
「軽いから大丈夫です」
無意識に見栄を張ってしまったけれど、徹君の目線が私の腕にそっと向けられる。
「でも、腕震えてるよ?」
「……ぅ」
言い返せない。
「本当のところは?」
「重いです」
声がいつもよりずっと小さくなる。
「うん、素直でよろしい」
徹君は私の手からひょいっと米袋を奪うと、軽々と担ぎ上げた。
「お、重くない?」
私の米袋の他に自分の荷物を持っている徹君。
重くないワケがない。
案の定、
「普通に重いよ?」
当たり前でしょ、と言う。
申し訳ない気持ちが膨れ上がる。
やっぱり自分で持とう。
そう言おうと手を伸ばそうとしたら、
「でも、女の子に持たせるのは違うでしょ?」
なんて爽やかな笑顔で言うもんだから、私はこれ以上何も言えなかった。
