キミを見つける桜
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私も及川君も足の怪我がすっかり治った頃。
制服も長袖から完全に半袖に移り変わる。
時はまもなく夏休みを迎えようとしていた。
ここまで順調にやってこれた。
この調子なら……。
だけど、学校の出席と補填用の補習に出ていれば留年しないと思っていたけれど、その考えは甘かった。
なぜなら、1学期の締めくくりである期末テストの点数によっては際どいらしい。
一応救済として赤点補習を受ければいいみたいだけれど、毎日居残り時間いっぱいまで補填の補習を受けている私には、これ以上補習に時間を割けられなかった。
朝のホームルーム中に配られたテスト範囲のプリントを見ながら眉をしかめる。
「……ぅっ」
広い……。
あまりにも範囲が広い。
その上、中間テストと違い副教科も加わる。
家での勉強時間を増やさないと駄目かな。
でも、家でも学校でも勉強勉強って……。
息が詰まる。
いや、不登校になったツケが回ってきただけか。
プリントを見るだけで目眩がしてきそうな気がした。
思わず小さく唸る私を心配するように、隣の席の及川君が私の顔を覗き込む。
「●●ちゃん、凄い顔してるけど大丈夫?」
私が登校し始めてから今日までの間、何回か席替えは行われたけれど、私のお世話係だからか、私と及川君の席だけは固定。
窓際一番後ろの席。
そのことに他のクラスメイトは何も言わないけれど、きっとよくは思われていない。
「大丈夫……と言いたいところだけど、さすがに今回は……」
「だよね〜。俺も範囲広くてビビってる」
私と違って及川君はまだ部活を頑張っている。
テスト期間に入ればさすがに練習はお休みみたいだけれど、私より勉強時間が取れないのは確か。
それを思うと、勉強に割ける時間は彼よりある私が弱音を吐けない。
「及川君、ありがとう」
やる気をくれて。
「え……?」
いきなりお礼を言う私に彼はきょとんとする。
だけど、直ぐにいつもの笑顔に戻った彼は、
「よく分からないけど、どういたしまして」
そう言って、ピースサインを作って見せた。
「ふふっ」
その仕草が及川君らしくて、思わず笑みが溢れる。
すると、彼は少し驚いた顔をしていた。
「?」
何かおかしいことをしただろうか。
首を傾げると、答えは直ぐに分かった。
「初めて笑ったところ見たかも」
久しぶりに登校した時に話しかけてくれた女子生徒以来、及川君と先生としかまともに会話していない。
だから、彼が言うならそうなのかもしれない。
それだけ学校に慣れてきたってことかな。
それもこれも及川君のおかげ。
「及川君、ありがとう」
やっぱり彼に感謝を言わずにはいられなかった。
そしたら、
「あ……うん……」
さっきと同じ言葉なのに、及川君は驚いたり調子に乗ったようにピースサインをせず、照れくさそうに頬を掻いた。
変な及川君。
制服も長袖から完全に半袖に移り変わる。
時はまもなく夏休みを迎えようとしていた。
ここまで順調にやってこれた。
この調子なら……。
だけど、学校の出席と補填用の補習に出ていれば留年しないと思っていたけれど、その考えは甘かった。
なぜなら、1学期の締めくくりである期末テストの点数によっては際どいらしい。
一応救済として赤点補習を受ければいいみたいだけれど、毎日居残り時間いっぱいまで補填の補習を受けている私には、これ以上補習に時間を割けられなかった。
朝のホームルーム中に配られたテスト範囲のプリントを見ながら眉をしかめる。
「……ぅっ」
広い……。
あまりにも範囲が広い。
その上、中間テストと違い副教科も加わる。
家での勉強時間を増やさないと駄目かな。
でも、家でも学校でも勉強勉強って……。
息が詰まる。
いや、不登校になったツケが回ってきただけか。
プリントを見るだけで目眩がしてきそうな気がした。
思わず小さく唸る私を心配するように、隣の席の及川君が私の顔を覗き込む。
「●●ちゃん、凄い顔してるけど大丈夫?」
私が登校し始めてから今日までの間、何回か席替えは行われたけれど、私のお世話係だからか、私と及川君の席だけは固定。
窓際一番後ろの席。
そのことに他のクラスメイトは何も言わないけれど、きっとよくは思われていない。
「大丈夫……と言いたいところだけど、さすがに今回は……」
「だよね〜。俺も範囲広くてビビってる」
私と違って及川君はまだ部活を頑張っている。
テスト期間に入ればさすがに練習はお休みみたいだけれど、私より勉強時間が取れないのは確か。
それを思うと、勉強に割ける時間は彼よりある私が弱音を吐けない。
「及川君、ありがとう」
やる気をくれて。
「え……?」
いきなりお礼を言う私に彼はきょとんとする。
だけど、直ぐにいつもの笑顔に戻った彼は、
「よく分からないけど、どういたしまして」
そう言って、ピースサインを作って見せた。
「ふふっ」
その仕草が及川君らしくて、思わず笑みが溢れる。
すると、彼は少し驚いた顔をしていた。
「?」
何かおかしいことをしただろうか。
首を傾げると、答えは直ぐに分かった。
「初めて笑ったところ見たかも」
久しぶりに登校した時に話しかけてくれた女子生徒以来、及川君と先生としかまともに会話していない。
だから、彼が言うならそうなのかもしれない。
それだけ学校に慣れてきたってことかな。
それもこれも及川君のおかげ。
「及川君、ありがとう」
やっぱり彼に感謝を言わずにはいられなかった。
そしたら、
「あ……うん……」
さっきと同じ言葉なのに、及川君は驚いたり調子に乗ったようにピースサインをせず、照れくさそうに頬を掻いた。
変な及川君。
