キミを見つける桜
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翌日、寝過ごさないようにいくつもアラームをセットしたお陰で、なんとか起きることができた。
そろりそろりと洗面台へ向かい顔を洗う。
髪は……取り敢えずまとめよう。
私はだらしなく伸び切った髪を適当に1本に結んだ。
これでいいかな。
洗面台に付いている三面鏡で後ろ髪を確認していると、お母さんが洗面所へ入ってきた。
「あら●●、早いのね。どこか行くの?」
「うん……ちょっと、学校に」
「!?……そっか。じゃあ急いでお弁当作らないとね」
お母さんは一瞬驚いた表情をしたけれど、すぐにキッチンへと引き返した。
お母さんはいつもそうだ。
心配してくれるのは伝わってくるけれど、決して強制や詮索などせず、私の気持ちを尊重してくれる。
お父さんがうるさく言わないのも、おそらくお母さんがお父さんを説得しているからだ。
そんな両親の元に生まれて恵まれているはずなのに私ときたら……。
駄目だ駄目だ。
今からそんな弱気では学校に行けない。
私は頬を軽く叩いて、気合を入れた。
ーーーー
学校へ着くと少しだけ怖気付いた。
校門の前で足を止める私を避けるように、次々と生徒たちが横切る。
そんな私を誰も何も気にも留めない。
それもそうか。
だって、誰も私が約1年ぶりに登校する元不登校だなんて知らないもの。
そう思うと怖気付いていたのが馬鹿らしく思えてきた。
私は足を踏み出し校門をくぐった。
クラスは確か6組だっけ。
昨日先生が家に来た時に言っていた。
廊下を進み、端の方にある教室へと向かう。
そして教室の扉の前で軽く深呼吸をし、ゆっくりと扉を開けた。
すると、ざわざわしていた室内が急に静まり返ったのが分かった。
戸惑っていると、1人の女子生徒が近づいてきた。
「ねえ、◯◯さんだよね!1年生のときに同じクラスだったんだけど覚えている?」
「えっと……」
「なんで途中から来なくなったの?体調でも悪かったの?それとも怪我?もう来ても大丈夫なの?」
「その……」
覚えていない女子生徒からの急な質問責め。
考えるフリをしながら周りを見渡すと、質問の答えに聞き耳を立てる生徒、好奇な目で見てくる生徒、影で憶測をヒソヒソと喋っている生徒の視線が気になった。
怖気付いていたのが馬鹿らしく思えただなんて撤回したい。
だって、ここにいるみんなは私が不登校なのを知っているから。
見ないで、消えたい、帰りたい……。
頭は真っ白、冷や汗が止まらない。
そんなとき、
「はいはーい、みんなー!●●ちゃんばかり注目しないで、俺を見てー!」
及川君が手をパンパンと叩きながら教室に入ってきた。
昨日少ししか会っていないのに、何故か安心した。
及川君はこっそり私にウインクをすると、クラスメイトからの注目を掻っ攫った。
クラスメイトから解放された私は自分の席に着くことにした。
「……」
そもそも私の席ってどこ?
空いている席のどれかがそう?
いや、勝手に人の席を使って友達とのお喋りに花を咲かせている人もいるかもしれない。
そうだ、教卓に名簿が貼ってあるかも。
そう思い教卓の方へ足を進めたけれど、残念ながら貼っていなかった。
どうしよう……。
チャイムが鳴ってみんなが席に着き終わらないと、自分の席が分からない。
呆然と立ち尽くしていると、またもや及川君が話しかけてくれた。
「●●ちゃんの席はあそこだよ」
そう言って彼が指を指したのは、窓際一番後ろのいわゆる当たり席だった。
「あ、ありがとうございます……」
ぼそっとお礼を言い、いそいそと席へ向かうと、何故か及川君は私の席の隣に座った。
「ちなみに、俺隣」
「……」
「そんな嫌そうな顔しないでよー!及川さん傷付いちゃう!」
なんて彼は大袈裟に悲しむ素振りをする。
「ま、冗談は置いといて、困ったことがあったら何でも聞いて。それか、言いにくいことなら視線を向けてくれたら助けるし」
そう言って及川君は優しく微笑んだ。
「……分かった」
私の席の隣になったからか世話を焼くのか、はたまた世話を焼いてくれるから隣になったのか……。
どちらかは分からないけれど、及川君が私のサポートをしてくれる気持ちは素直に嬉しかった。
昨日、疑ってごめんなさい。
心の中でそっと謝った。
そろりそろりと洗面台へ向かい顔を洗う。
髪は……取り敢えずまとめよう。
私はだらしなく伸び切った髪を適当に1本に結んだ。
これでいいかな。
洗面台に付いている三面鏡で後ろ髪を確認していると、お母さんが洗面所へ入ってきた。
「あら●●、早いのね。どこか行くの?」
「うん……ちょっと、学校に」
「!?……そっか。じゃあ急いでお弁当作らないとね」
お母さんは一瞬驚いた表情をしたけれど、すぐにキッチンへと引き返した。
お母さんはいつもそうだ。
心配してくれるのは伝わってくるけれど、決して強制や詮索などせず、私の気持ちを尊重してくれる。
お父さんがうるさく言わないのも、おそらくお母さんがお父さんを説得しているからだ。
そんな両親の元に生まれて恵まれているはずなのに私ときたら……。
駄目だ駄目だ。
今からそんな弱気では学校に行けない。
私は頬を軽く叩いて、気合を入れた。
ーーーー
学校へ着くと少しだけ怖気付いた。
校門の前で足を止める私を避けるように、次々と生徒たちが横切る。
そんな私を誰も何も気にも留めない。
それもそうか。
だって、誰も私が約1年ぶりに登校する元不登校だなんて知らないもの。
そう思うと怖気付いていたのが馬鹿らしく思えてきた。
私は足を踏み出し校門をくぐった。
クラスは確か6組だっけ。
昨日先生が家に来た時に言っていた。
廊下を進み、端の方にある教室へと向かう。
そして教室の扉の前で軽く深呼吸をし、ゆっくりと扉を開けた。
すると、ざわざわしていた室内が急に静まり返ったのが分かった。
戸惑っていると、1人の女子生徒が近づいてきた。
「ねえ、◯◯さんだよね!1年生のときに同じクラスだったんだけど覚えている?」
「えっと……」
「なんで途中から来なくなったの?体調でも悪かったの?それとも怪我?もう来ても大丈夫なの?」
「その……」
覚えていない女子生徒からの急な質問責め。
考えるフリをしながら周りを見渡すと、質問の答えに聞き耳を立てる生徒、好奇な目で見てくる生徒、影で憶測をヒソヒソと喋っている生徒の視線が気になった。
怖気付いていたのが馬鹿らしく思えただなんて撤回したい。
だって、ここにいるみんなは私が不登校なのを知っているから。
見ないで、消えたい、帰りたい……。
頭は真っ白、冷や汗が止まらない。
そんなとき、
「はいはーい、みんなー!●●ちゃんばかり注目しないで、俺を見てー!」
及川君が手をパンパンと叩きながら教室に入ってきた。
昨日少ししか会っていないのに、何故か安心した。
及川君はこっそり私にウインクをすると、クラスメイトからの注目を掻っ攫った。
クラスメイトから解放された私は自分の席に着くことにした。
「……」
そもそも私の席ってどこ?
空いている席のどれかがそう?
いや、勝手に人の席を使って友達とのお喋りに花を咲かせている人もいるかもしれない。
そうだ、教卓に名簿が貼ってあるかも。
そう思い教卓の方へ足を進めたけれど、残念ながら貼っていなかった。
どうしよう……。
チャイムが鳴ってみんなが席に着き終わらないと、自分の席が分からない。
呆然と立ち尽くしていると、またもや及川君が話しかけてくれた。
「●●ちゃんの席はあそこだよ」
そう言って彼が指を指したのは、窓際一番後ろのいわゆる当たり席だった。
「あ、ありがとうございます……」
ぼそっとお礼を言い、いそいそと席へ向かうと、何故か及川君は私の席の隣に座った。
「ちなみに、俺隣」
「……」
「そんな嫌そうな顔しないでよー!及川さん傷付いちゃう!」
なんて彼は大袈裟に悲しむ素振りをする。
「ま、冗談は置いといて、困ったことがあったら何でも聞いて。それか、言いにくいことなら視線を向けてくれたら助けるし」
そう言って及川君は優しく微笑んだ。
「……分かった」
私の席の隣になったからか世話を焼くのか、はたまた世話を焼いてくれるから隣になったのか……。
どちらかは分からないけれど、及川君が私のサポートをしてくれる気持ちは素直に嬉しかった。
昨日、疑ってごめんなさい。
心の中でそっと謝った。
